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NEWS ZERO コラム

2013年03月18日

再びの自民党政権~期待と不安~

昨年末の衆議院選挙、選挙の争点はいくつかありました。

デフレ脱却はできるのか?
消費税増税を認めるのか?
原発はどうするのか?
TPPに参加するのか?
中国にどう向き合うのか?

しかし、有権者はこれらの政策メニューの選択を飛び越えて、
これまでの民主党政権の政権担当能力にNOを突きつけた。
そんな選挙結果だったと思います。

このような状況を踏まえて、再びの自民党政権、再びの安倍政権は発足しました。

日銀に明確な物価目標を迫る安倍政権。
公共事業の増加など積極的な財政政策をとる安倍政権。
原発ゼロに慎重な安倍政権。
日米同盟の強化を目指す安倍政権。
憲法改正を目指す安倍政権。

衆議院選挙における民意と安倍政権が目指す方向は一致しているのでしょうか。
自民党政権は日本をどの方向に導き、そして7月に予定されている参議院選挙で
有権者はどのような判断を下すのでしょうか。

私が監修を務める関西学院大学の「東京丸の内講座」では、
政府関係者、与野党の国会議員、外国政府の大使、
報道関係者らを講師としてお呼びし、
「再びの自民党政権」について考えます。

詳しくは下記へ
http://www.kwansei.ac.jp/a_affairs/a_affairs_000113.html

 

 

2013年01月07日

夢を持つ。夢を語る。

あけましておめでとうございます。
今年もZEROをよろしくお願いします。

さて、今年の世界はどうなるのか?
世界の動きは私たちの暮らしにも、
大なり小なり影響を与えます。

これからの世界を考えるにあたって、
バングラデシュで貧しい人々のための銀行をつくった、
ムハマド・ユヌス氏(2006年ノーベル平和賞受賞)は、
次のような趣旨のことを述べています。

「世界がどうなるのか?」を考えるより、
「世界をどうしたいのか?」を考えよう。
両者の違いはとても大きい。
前者が、この世界の出来事を受動的に捉えるのに対して、
後者は、この世界をどう変えようかと能動的に捉えている。
後者の見方のほうが未来予測としては正しいだろう。
なぜなら、現実の世界は私たち一人ひとりの「夢」によって、
絶え間なくつくり変えられているからだ。

~ Muhammad Yunus "Building Social Business" ~

2013年、私たちは震災復興、雇用不安、社会保障改革など
さまざまな問題に取り組んでいかなくてはいけません。
ACTIONを起こすには、先ず私たちが夢を持つことが必要です。

今年のZERO、
皆さんとともに私たちの夢を語り合いたいと思います。

 

 

2012年12月05日

村尾解説④景気・雇用のキーワード

 

総選挙のポイントを連日お伝えしていますが、
今日は「景気・雇用」を考える上でのキーワードについて解説します。

 

それは経済の規模がどれだけ伸びたかを示す「成長率」。
今回政党の公約を見ると名目成長率や、実質成長率という言葉があります。

 

まず「名目」と「実質」の違いについて説明します。

では、鉛筆を例えにしてわかりやすく説明しましょう。

 

今年鉛筆を100本作っていた工場が来年103本作ると、
鉛筆は3本増えているから実質的に3%増えたことになる。

(八木)
実際に生産が増えた量が「実質」ですね。

(村尾)
そうです。
次にこの鉛筆に値段をつけよう。
1本100円だとします。

今年作った鉛筆は100円×100本で1万円。
来年鉛筆を103本作った場合、
100円×103本で1万300円と、300円増えますよね。

「名目」とはこの金額での伸びのことを言うのです。

この場合、今年が1万円で来年が1万300円ですから
「名目成長率」は3%伸びたことになります。

(八木)
実質も名目も3%、同じだけ伸びたわけですね。

(村尾)
そうです。
では鉛筆の数は増えずに、
値段があがるとどうなるでしょうか。

来年、鉛筆の生産量は100本のままでも、
鉛筆の値段が103円に上がったとします。

生産額は103円×100本で1万300円。
金額の伸びを示す名目では3%、増えたことになります。

しかし、鉛筆の数自体は増えていないので
実質の伸びは0%なんです。

2つのケースを見ると、同じ「名目3%」の伸びでも、
②のように値段だけ上がって鉛筆の数が増えなければ、
鉛筆を作るための雇用も増えず、
その点では私たちの暮らしは良くなったとはいえないのです。

 

「名目」と「実質」の違いを説明しましたが
今回の選挙では「名目3%以上の成長を目指す」などと
掲げている政党もありますがこれについて考えてみたい。

実はこのように過去10年間、
日本は名目で3%以上の成長を達成したことはない。

(八木)
難しい目標ですよね。

 

(村尾)
本当にできるのだろうか。
名目成長率がプラスになれば確かに物価も上がるし収入も増える。

ただ単に金額だけが上がっても実質成長率、
つまり物の生産が増えていかなければ雇用も増えない。

実質成長率を最終的にどう上げていくのかが大切だ。

 

 

2012年11月30日

村尾解説③衆院選の争点“外交”

 

(村尾)
今週は、衆議院選挙の争点となっている政策について考えています。

 

世論調査で有権者が最も重視していたのは「景気・雇用」についてです。
ZEROはこの「景気・雇用」という切り口で、選挙の三つの争点を見ていきます。

3回目のきょうは「外交・安全保障」についてです。

(鈴江)
「外交・安全保障」と「景気・雇用」、一見つながりがなさそうに思えますが?

 

(村尾)
実は深く関係しています。日本の人口は年々減少しています。
それにあわせて国内の需要は年々縮小しているんです。

こうした中、日本の経済を成長させていくためには、
海外への輸出を増やして新たな市場を開拓していかなければならないという考え方があります。

つまり、外国とどう向き合っていくのか、
外交政策が「景気・雇用」を考える上でも重要なんです。

(鈴江)
外交・安全保障というとことしは尖閣諸島をめぐり中国との関係が悪化しましたね。

 

(村尾)
その中国を例に考えてみます。
日本は自動車をはじめたくさんの製品を中国へ輸出していて、
いまや中国は日本にとって最大の貿易相手国でもあるんです。

今回のように中国国内で反日感情が高まってしまうと、
日本製品を買わなくなるという事態が起き、
日本は輸出が減り景気悪化、雇用減少につながります。

(鈴江)
実際に反日デモが発生したあと、中国への自動車の輸出が大幅に落ちましたよね。

(村尾)
もちろん日本の領土・主権はしっかり守っていかなければいけません。
そのためには、中国に対して強い態度を示すことも必要です。
ただこうしたときにも「景気・雇用」への影響を考えて外交を行うことが必要なんです。

そして海外市場を開拓するという意味では、
中国に次ぐ大きな貿易相手国アメリカとの関係も重要です。

 

アメリカを中心とした太平洋を囲む国々は、
TPPの交渉をすすめていて、日本が参加を検討する動きがあります。

このTPPは参加国の間で関税をなくし、貿易を活発にしようとするものですが、
日本では国内農業に大きな影響を与えるという声もあり、選挙の争点のひとつになっています。

 

いずれにしても「外交・安全保障」は、日本が今後、市場を失うのか
それとも広げていくのかこうした視点が切り離せない問題なんです。

 

 

2012年11月30日

村尾解説②衆院選の争点“原発”

 

(村尾)
この国のあり方を決めるのは一票を投じる私たちです。
今週は、衆議院選挙の争点となっている政策について考えます。

 

世論調査で有権者が最も気にしていたのは「景気・雇用」についてです。
ZEROはこの「景気・雇用」という切り口で、選挙の三つの争点を見ていきます。

きょうは「原発」についてです。

原発に関する現時点での各党の主張を見てみましょう。

 

 

 

民主党は「2030年代に原発ゼロを目指す」としています。

自民党は「再稼働の可否3年以内に判断」
「中長期的政策を10年以内に確立」としています。

そのほかの政党を見ると「原発ゼロ」を掲げるところが多く見られます。

また、日本維新の会は「脱原発依存」。
そして新たに結成された日本未来の党は「卒原発10年後にゼロ目指す」。

表現はそれぞれ違いますが、多くの政党が原発に依存しない方向性を打ち出しています。

(鈴江)
こうした政策は、原発事故の経験をふまえて考えなければいけませんね。

(村尾)
もちろん原発事故は二度とくりかえしてはいけません。
その前提の上にきょうは、仮に原発を減らしていった場合、景気・雇用がどうなるのかを考えます。

 

仮に原発を減らした場合、代わりのエネルギーが必要となります。

火力発電や、将来的には太陽光、風力、地熱など再生可能エネルギーを
増やしていく必要も出てきて、費用がかかります。

これは、私たちが支払う電気料金の値上げにつながります。

(鈴江)
実際に最近も火力発電の燃料費がかさむことを理由に、
電力会社が電気料金の値上げを申請していますよね。

 

(村尾)
これは家計にとっては負担になりますよね。
そればかりか企業にとっては電気料金の
コストが増えることで国際競争力が弱まり、景気悪化につながります。
 
また、コストの安い海外への移転がすすみ国内の雇用が減ってしまうという考え方があるんです。

(鈴江)
一方で原発事故以降、再生可能エネルギーへの期待感というのも高まっていますよね。

 

(村尾)
そこで別の見方もできるんです。
原発を減らして太陽光や風力、地熱といった再生可能エネルギーをどんどん増やしたとします。

そうするとそれに関連する設備の建設や管理など
新たな事業が生み出され、そこに新たな働き口も生まれてくる。

その結果、景気回復につながり雇用も増えるという考え方があるんです。

原発についてはとにかく安全を確保することが第一ですが、
景気・雇用との関係を考えて各党の主張を見ていくこともできるんです。

 

 

2012年11月29日

村尾解説①衆院選の争点“消費税増税”

 

(村尾)
この国のあり方を決めるのは一票を投じる私たちです。
今週は、衆議院選挙の争点となっている政策について考えます。

 

世論調査によると有権者が最も重視すると答えた政策が「景気・雇用対策」です。
つまり有権者の多くは、「景気はよくなるのか?」「仕事はあるのか?」「給料は上がるのか?」
などを一番気にしているということです。

ZEROはこの「景気・雇用」という切り口で、
選挙の争点となっている「消費税増税」「原発」「外交・安全保障」の三つを見ていきます。

きょうはまず「消費税増税」です。
消費税増税に対する現時点での各党の主張を見てみましょう。

 

前の国会で三党合意した民主、自民、公明党は増税に賛成しています。
そのほかの政党を見てみるとあわせて8つの党が反対しています。
また、条件付き賛成としている党もあり、ご覧のとおり様々な意見がみられます。

ではこの消費税増税を、景気がよくなるのかならないのかという視点で考えてみましょう。
まずは、消費税増税に反対する人の主な見方です。

 

 

消費税があがると消費者がものを買うのをひかえるようになり、景気は悪くなる。
その結果、雇用も減る。

 

つまり税金が安い方が、現在の消費が増え、景気が良くなり、
その結果、雇用も増えるという見方ができます。

(鈴江)
では、消費税増税に賛成の立場の人は景気対策をどう考えているのでしょうか?

(村尾)
消費税増税により増えた分の税収は、原則、社会保障の財源にあてられます。

 

これにより年金・医療が充実すれば、消費者は将来への不安が軽くなります。
 
その結果、ものを安心して買えるようになり、
現在の消費が増えて景気が回復し、雇用が増加するという考え方もあるんです。

消費税の議論では国の財政をどう建て直すのか、
将来子どもたちへの負担をどう減らすのかという視点に加えて、
こうした「景気・雇用」との関係もあわせて考えることが重要なのです。

 

 

2012年11月20日

アイ・ウェイウェイさんと猫たち

約3年ぶりに、自由を求めるアーティスト、アイ・ウェイウェイさんに
中国北京のご自宅でお会いしました。

「深い川は静かに流れる」
彼に会うと、私はこの言葉を思い出します。
彼は今、中国政府の厳しい監視下にあるのですが、
基本的人権を求める強い意志と
それを静かに話す語り口は、以前と変わりありませんでした。

中国の人々は貧困から抜け出して豊かさを手に入れ、
そして自由と権利を求めて行動し始めました。
その動きはインターネットを通じて中国全土に広がっています。

 

アイ・ウェイウェイさんは、自由を求める人々の先頭に立つ一人でしょう。
ご自宅には約40匹の猫たちも気ままに暮らしています。
「Do you like cats ? (猫がお好きなんですか?)」
そう私が聞くと、彼はこう答えました。
「I love cats , lovely ・・・independent.」
(大好きです。可愛いし、それに誰にも頼らないからね)」

 

 

2012年11月16日

村尾キャスター北京取材日記

<11月9日>
村尾キャスターは昼頃、北京に到着し
早速取材を始めました。
現地から届いた画像ですが、天安門広場でリポート撮りです。
少し寒そうです。

 


北京から2枚目の画像が届きました。人民大会堂の中に村尾キャスターが入りました。(人民大会堂は今回、共産党大会が開かれている建物です。) ちょうど上海市のトップが参加した会合を取材しているところです。

 


<11月10日>
こちらは、土曜日の北京での模様です。土曜日に放送されたNNN報道特番「action!」に村尾キャスターは北京から生出演しました。日本企業が進出するアフリカでは、中国企業との競争も熾烈でした。

 


<11月11日>
村尾キャスターは、反日デモがあった中国・青島を取材してきました。反日デモの被害にあった日系のスーパーでは、すでに通常通り営業が始まっていました。買い物に来ていた若者に話を聞きました。

 


<11月12日>
画像は、上海取材の合間に景色のよいところで1枚スタッフがとりました。

 


<11月13日>
村尾キャスターはけさ中国・上海から再び北京に戻ってきました。画像は、上海から北京へ国内線の機内食(朝食)です。銀紙に包まれているのがハンバーガー、そして右下の白いのはお粥だそうです。... 

 


中国13億人の未来を誰に託すのか。現在開かれている共産党大会はいよいよあす14日が最終日です。画像は、北京市内の裁判所ですが、集まっているのは地方から集まった陳情者たちです。中国発展の一方で不満が募る住民たち、そんな陳情者を監視するため、各地の警察もいます。

 


<11月14日>
きょうは、中国・共産党大会の最終日となりました。大会が開かれている人民大会堂に村尾キャスターも入るため、世界中から集まったメディアとともに順番待ちしているところです。きょう閉幕する大会で中国の新しい指導部が選出されます。

 


さきほどの続きです。村尾キャスターが人民大会堂の中に入りました。記者席からの模様です。「中国共産党第18次」という文字にある通り18回目の大会です。胡錦濤総書記や習近平氏の姿も見えました。

 


国・共産党大会が開かれていた人民大会堂前です。 昼間の様子ですが 厳重な警備です。目の前の天安門広場には一般の人が入れなくなっていました。

 


画像は、村尾キャスターが気になった一枚です。共産党大会が開かれていた人民大会堂の中のトイレですが、日本のメーカーのものということで目がとまったそうです。

 


画像は、水曜日に村尾キャスターが、北京外国語大学の学生にインタビューしたときの模様です。若い世代の思いを聞きました。日本語学科の学生のため、インタビューは、日本語で行われました。

 

 

 

2012年10月15日

東と西

今月3日のNEWS ZEROで、
私は次のようなコメントをしました。

「ユーラシア大陸の東側では、
日本と中国が尖閣諸島を巡って鋭く対立しています。
一方、西側のヨーロッパでは、
ドイツやフランスなどの国々が国境の意味合いを弱めて、
人や経済の交流が活発になっています。
東と西ではその歩みがずいぶん違います」

12日、その西側のEU(ヨーロッパ連合)に、
ノーベル平和賞が贈られることが決まりました。
第1次大戦、第2次大戦と戦争の地であったヨーロッパ。
EUとは、戦争という国家の争いをなくすため、
国家の間の壁を薄く、低くして、
人や経済の交流を活発にすることにより
平和の共同体をつくる試みだと思います。

ノーベル委員会は、
かつての敵同士であったドイツ、フランスが
親密なパートナーになり得ることを示すもの、
と述べています。

確かに、今のEUはユーロ危機のなか、
経済的な困難や社会的な不安を抱えています。
しかしそれでも、「戦争の大陸」を「平和の大陸」に
変えるEUのビジョンは評価されていいと思います。

西のヨーロッパの試みは、東のアジアの私たちにも
有益な示唆を与えてくれるのではないでしょうか。

 

 

2012年10月08日

遣らずの雨

先日、俳人の黛まどかさんとお話する機会がありました。
ソフトな人当たりのなかにハードな意志を感じる黛さん。
その黛さんから、こんなお話を伺いました。

黛さんが韓国に行った際、ある中年男性が黛さんを日本人と知ると、
「あなたは『遣(や)らずの雨』という言葉を知っていますか?」
と訊いてきたそうです。
『遣らずの雨』とは、
まるで客を帰さないかのように、客が帰る頃に降り出す雨のこと。
黛さんがそのように答えると、
その男性は大変喜んで、自分のことを話してくれたそうです。

彼は反日教育を受けた世代で、日本が嫌いでしたが、
ある日、仕事の都合で仕方なく日本に出張しました。
日本での仕事を終えて韓国に帰る日、日本側の担当者が
彼を空港まで送りました。
空港へ向かう途中雨が降り出すと、その担当者は
「ああ、遣らずの雨ですよ。日本人はこういう時に
あなたを帰したくなくて雨が降り出したって思うんです」
と彼に語ったそうです。

それを聞いて、彼は
「こんなに美しくて詩情溢れる言葉を育んできた民族が、
残酷でひどい民族であるはずがない」と感じ、
この『遣らずの雨』の一言で反日感情が溶けたそうです。

黛さんは、これこそ文化力、文化外交力だと仰っていました。

日韓関係、今は竹島の問題などで良好とは言えない状況です。
冷えた政治を文化のチカラで溶かすことができないか・・・
そんなことを考える日々です。

 

 

2012年09月17日

フィンランドのカタイネン首相にお会いして

ムーミンやサンタクロースといえばフィンランド。
9月4日、来日されていたフィンランドのユルキ・カタイネン首相
にお会いしました。
清楚な和室でお互い胡坐をかいて、文字通り
膝を突き合わせて話を聞きました。

 

エネルギー政策では、「核のゴミ」最終処分場
の建設にいち早く着手したフィンランド。
首相は「オープンなかたちで住民との話し合いを進めることが大事」と
透明性(transparency)を強調していました。

ところで、ロシアの西の隣国はフィンランド、東の隣国は日本。
隣国ロシアと友好関係を深めるには?との問いには、
「人の交流が大切。お互いを知るようになれば、
運命を共にしているという感覚が生まれてくるのです」
と述べていました。

最後に、日本の若者たちへ
「フィンランドに来てください。私も外国留学が人生の転機になりました」
とのメッセージをいただきました。

温和な語り口のカタイネン首相は40歳。
学究肌の若きリーダーです。

 

 

2012年09月11日

世界を動かす金融最前線

昨年、米国各地で行われた反格差デモ。
市民は“Occupy Wall Street!”「ウォール街を占拠せよ」と叫び、
街頭に繰り出しました。
ニューヨークのウォール街は世界金融の中心地です。
不況が深刻化し、貧富の差が拡大している背景には、
銀行、証券会社やヘッジファンドなどの投機的な行動があるとして、
批判の矛先が金融関係者に向けられたのです。

そもそも金融は、モノやサービスなどの生産や消費を円滑に動かすための
ツール(道具)として発展してきました。
ところが、今や金融の動きが逆に実体経済に大きな影響を及ぼすようになった
との感をぬぐえません。
国際経済を動かす金融とはいったいどのような世界なのでしょうか。

おカネを扱う金融の世界。
金融情勢によって、通貨の価値が変動するインフレやデフレが問題になったり、
株価、外国為替、金利などが大きく動きます。
これらはどのようなメカニズムでどのように動くのでしょうか。

金融政策の舵取りをする日本銀行は、
日本経済の中でどのような役割を果たしているのでしょうか。

財政危機に陥ったギリシャでは国債の価格が急落しましたが、
巨額の財政赤字を抱える日本の国債は大丈夫なのでしょうか。

国際金融の問題に取り組む国際機関IMF(国際通貨基金)は、
世界経済の中でどのような役割を果たしているのでしょうか。

今、世界や日本の民間金融機関が抱えている問題は?

中国をはじめとするアジア諸国が直面している金融の課題は?

私が監修を務める関西学院大学東京丸の内講座では、
「世界を動かす金融最前線」というテーマで、
金融の問題を皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

詳しくは下記へ

http://www.kwansei.ac.jp/a_affairs/a_affairs_002647.html

 

 

2012年08月29日

戦争の芽を摘む

シリアで取材中、銃弾に倒れたジャーナリスト山本美香さん。
いったい何が起きたのか、認識する間もない一瞬のことで、
本当に無念だったと思います。

戦争の芽を摘み取ることが大切、と語っていた山本さん。
私も同感です。
世界で起きているさまざまな出来事のなかで、
何が戦争につながる芽かを判断する力と、
その芽の実態を主権者である国民に的確に伝える力が
今問われています。

山本さんの大きな意志は、多くの人たちが引き継いでいきます。
微力ながら私もその一人に加わらせてください。
山本さんのメッセージは確かに伝わりました。

 

 

2012年07月31日

ロンドン・オリンピック開会式で感じたこと

ロンドン・オリンピックの開会式を観てきました。
7月27日の夜9時、直前には雨が降り、肌寒いなかで
「驚きの島々(Isles of Wonder)」と称する祭典は始まりました。

スタジアムの中には田園風景が広がり、
まるで巨大なミュージカル劇場に来た感じでした。
それが、産業革命を経て工場地帯に変わり、
医療サービスが整備されて病院が登場し、
そして英国のポップミュージックが流れる、
今の普通の家庭の暮らしが紹介されました。
そこに私は、人類の歴史をリードしてきた
英国のプライドを感じました。

オリンピックの開会式となれば、
国家の威信をかけた演出になりがちなところですが、
そこは英国。
女王陛下と007、ミスター・ビーン、ポール・マッカートニーさんらが
登場し、ユーモアあり、エンターテインメントありの演出で、
そこに私は、どんなときでもムキにならない英国の余裕を感じました。

選手団の入場行進は、まるで閉会式のようなリラックスした雰囲気で、
選手たちは和気藹々と行進していました。
そんな各国の選手たちを見ていると、
確かに今もシリアをはじめ各地で紛争やテロはありますが、
「世界が平和でなければ、オリンピックはできないな」と思ってしまいます。

日本選手団が目の前を通ったときは、
思わず立ち上がり「頑張れ日本!」と叫んでいました。
震災から立ち上がる日本の姿は、世界も注目しています。
フェアプレイに徹し、堂々と戦ってほしいと思います。

開会式は夜中の1時頃に終わりました。
素晴しいセレモニーでしたが、長かったというのが偽らざる印象でした。
観客は楽しめたかもしれませんが、主役の選手たちの体調が気になったのは
私だけではないようでした。

 

 

2012年07月21日

消費税を、考えよう。⑤「企業トップどう見る?」

(村尾)
消費税増税にあたっては
「増税の前に行政の無駄遣いなど徹底した行政改革が必要だ」
とよく言われます。

その通りで、そのためには
国の財政の中身が私たちに分かりやすい形で
きちんと示されていなければなりません。

実は財務省は「国の財務書類」という
国全体の財政の状況を示す資料を公開しています。

 

この中を見てみると1年間の国の支出と収入が分かります。

2010年度は支出が134兆円、
収入が92兆円で42兆円の赤字でした。

 

この支出をもっと削れないか?
支出の内訳を見ると、
公務員の給料など人件費は5兆円、
年金や医療の社会保障費が45兆円などと書いてあるので、
赤字を減らすためにはどこを削ればよいかを考えることが出来ます。

 

さらにこの「国の財務書類」にはこれまで支出と収入の結果として
国が抱えている資産と借金も書いてある。

2010年度末の時点で国の資産は625兆円なのに、
借金が1043兆円もあります。
借金が資産を418兆円も上回っているのです。

 

(八木)
資産を売って借金を減らすことは出来ないんですか?

(村尾)
資産の内訳を見ると固定資産が183兆円あります。
これは国が持つ土地や建物だが国道や堤防、防衛施設など
売ることが出来ないものが少なくありません。
つまり、資産を売って、借金の返済に充てると言っても限度があることが分かります。

ただ、この貸付金148兆円、地方自治体などに貸しているものだが、
この中に無駄なものが含まれていないか?

 

国の財務書類には色々な情報が入っているが
もっと私たちに分かりやすく説明してくれないと
消費税増税が必要なのかどうか判断できないのです。

さて、今週1週間、消費税の増税が
私たちの暮らしや景気にどんな影響を与えるか考えてきました。

いま、まさに参議院で審議されていますが
国の財政の中身もしっかりと点検して議論して欲しいと思います。

 

 

2012年07月21日

消費税を、考えよう。④「景気は悪くなる?」

私たちが受けている
社会保障などの行政サービスの財源の一部、
これを消費税を増税してまかなうか、
国の借金である国債でまかなうか。

 

どちらが景気に悪いのでしょうか?
短期的に考えれば消費税を多く払うと、
私たちの使えるお金が減る分
消費税増税の方が景気にとってはマイナスです。

 

(鈴江)
一方で、借金をし続けた場合の景気への影響はどうなるんでしょうか?

(村尾)
多くの専門家が問題にしているのは、
今まで通り国債を発行し続けて大丈夫なのか?
長期的に経済にもっと悪い影響を与えないかということです。
このことについて説明します。

国債を発行して借金が増え続けると
国債を買う人はこんなに借金だらけの国に
お金を貸して本当に返してもらえるのか心配になってしまう。

 

それだけリスクの高い国債なら
金利を高くしないと買ってもらえなくなります。
こうして国債の金利が上昇することになるのです。

 

国債の金利は、銀行などの金利にも大きな影響があり、
銀行の金利も上昇します。

これは企業がお金を借りにくくなることにつながります。

 

企業はお金を借りられないと
新しい工場を造ったりする設備投資をあきらめてしまい、景気が悪化します。

 

今説明したように、国債を発行し続けると
長期的に景気が悪くなると考えるのです。

消費税増税と景気の関係はこれを短い期間で考えるか、
長い期間で考えるかでもその見方は大きく異なってくるのです。

 

 

2012年07月20日

消費税を、考えよう。③「商店や町工場、影響は?」

消費税が上がれば、その分、
商品の値段も上がるはずですが、
町工場やお店を経営する人は
値段を上げられない悩みを抱えていました。
なぜ価格転嫁が難しいか説明します。

例えば、私たちがスーパーで
野菜や魚を買っても、
消費税を直接税務署に持っていくことはありません。

合計が1050円なら
その消費税はスーパーが納めることになる。

このように消費税は税金を
「負担する人」(=消費者)と、「納める人」(=スーパー)が
違うのが特徴です。

 

ではもし、消費税が10%に上がったら、
納める消費税は倍になるので、
商店側は商品を1100円に値上げしたいところだが、
「買ってもらえなくなるのでは」
という不安があり、価格に転嫁しずらいという面があります。

 

(鈴江)
なにか、対策はないんでしょうか?

仮に消費税が上がった場合、中小企業には以下のような支援が必要です。

①まずはVTRにあったような価格転嫁カルテルを実施すべき。

②大企業などがその力を利用して下請け企業に値上げさせなかったりすることを
 しっかりと政府が監視すべき。

③税金の納税時期や納税回数を中小企業の要望に配慮して弾力的に考えるべき。

④増税に伴って値札の変更など多くのコストがかかるが、
 これについて適切な支援をすべき。

 

今行われている参議院の審議でも具体的な支援策をしっかり議論して欲しいです。

仮に増税された場合、負担が中小企業などに集中しないよう、
私たちみんなで負担を分かち合おうという意識を共有することが大切です。

 

 

2012年07月18日

消費税を、考えよう。②「“不公平感”どう解消?」

(村尾)
消費税は、所得の低い人ほど負担の割合が重くなる
「不公平感」があるといわれていますが、
税金の負担だけでなく、どう使われているかをみると
不公平ではないという考えもあります。
これについて解説します。

所得が低い人も所得が高い人も消費税は支払います。
そしてこのお金は年金や医療、子育てなどの
生活を支える社会保障に使われます。

 

社会保障というのは、所得の低い人や
病気やけがで困難を抱える人のためのもので、
そのサービスは所得の低い人が多く受け取り、
所得の高い人には少ないのです。

 

(鈴江)
サービスに差があるというのはどういうことなのでしょうか?

(村尾)
例えば、児童手当。
今年度は子ども1人あたり最大で月1万5000円が支給されますが、
所得制限があって、収入が多い人は5000円しか支給されません。

 

消費税が上がったとしてもその分は社会保障のサービスを
安定・充実させるために使われることになるから、
不公平ではないという事なのです。

日本でも所得が低い人の負担を減らす対策が
検討されていますが、消費税の負担を減らすだけでなく、
サービスの充実という面も含めてしっかり議論して欲しいです。

 

 

2012年07月17日

消費税を、考えよう。①「暮らし、どう変わる?」

(村尾)
消費税が10%に上がると、やはり家計への影響は心配。
では、なぜ消費税を上げるのかこの点を改めて考えたいと思います。

消費税を増税する最大の原因は、
社会保障と呼ばれる行政サービスの費用です。
政府の試算によると、今年度
年金・医療・介護・少子化の4分野に109兆円が使われています。

 

(櫻井)
100兆円を超えていますね。
特に年金が多いですが日本は高齢化が進んでいます。
今後はどうなっていくんですか?

(村尾)
高齢化に伴って、社会保障費は
毎年1兆円以上ずつ膨らんでいきます。

 

(櫻井)
今後も増えていく一方なんですね。

(村尾)
そうなんです。
では、増え続ける社会保障費は
誰がどういう形で負担しているのか、財源を見てみましょう。

私たちが払う年金や医療の保険料は58兆円。
さらに医療や介護の自己負担が7兆円あります。
これだけでは足りないので、
地方などが17兆円、国が27兆円負担しています。

 

この国の負担というのは、政府は
若者から高齢者まで幅広い世代が負担する消費税でまかなうとしているが
現在の5%の税率では国に入る消費税は7兆円だけ。
残る20兆円が足りない、つまり借金をしている状況です。

 

(櫻井)
毎年20兆円も借金をしている。
この借金というのは将来、
若い世代や子どもたちが税金として
返していかないといけないものですよね。

(村尾)
そうなんです。
だから、この借金は減らす必要があります。
そのための方法の一つは、こちらの
社会保障のサービスを減らすことです。

例えば年金を減らすには
支給開始年齢を現在よりも引き上げることや
所得制限を設けることなどが考えられます。

 

(櫻井)
そうすると、もうすぐ年金をもらえる世代の人は
なかなか納得できないかもしれませんね。

(村尾)
確かに強い反発が予想されます。
じゃあ、現在のサービスを維持しながら
保険料や自己負担を増やさずに借金を減らそうとすると
消費税を増やすということになります。
だから、消費税の増税が焦点になっているのです。

 

この消費税増税議論は参議院で今週から本格化していきます。
増え続ける社会保障の費用を誰がどう負担するかとともに、
社会保障の中身をどうするか参議院でもしっかり議論して欲しいです。

あすは、所得の低い人には負担が大きいといわれる
消費税の課題についてです。

ドイツで起きているある問題を取材しました。

 

 

2012年04月30日

世界経済のエンジンとしてのアジア

新緑が目に眩しい4月の米国ワシントンで
IMF(国際通貨基金)の春の総会が開かれました。
この総会では毎回、イギリスBBCなどの報道機関が公式プログラムの一つであるセミナーを開催していますが、今回IMFから日本のメディアとして初めて、日本テレビNEWS ZEROに指名があり、
司会(moderator)をZERO キャスターとして私が務めました。

4月21日に開催されたセミナーのテーマは
「Asia's Rebalancing (アジアの不均衡の是正)」。
IMF副専務理事、世銀バイス・プレジデント、中国人民銀行副総裁
米国人エコノミスト、ブラジル人エコノミストの5人のパネリストと
アジアや中国そして世界経済について約1時間語り合いました。
(セミナーの模様は日テレNEWS24のHPに掲載されています)

2008年のリーマン・ショックや昨年に問題が深刻化したユーロ危機を受けて
欧米の先進国経済がその勢いを失いつつあるなか、
次は誰が世界経済を支えていくのか?
世界が注目しているのは、中国をはじめとするアジアです。

自動車やテレビなどの商品を買うチカラ、つまり需要が、
今、欧米から中国やアジアに移りつつあります。
今までアジア諸国は自国で商品をつくり、それを欧米諸国に輸出して
お金を稼いできました。
中国も今まで輸出を伸ばして巨額の貿易黒字を出してきました。
しかし、最近中国の貿易黒字が大幅に減少しています。
つまり貿易の不均衡(巨額の黒字)が是正されつつあるのです。
この背景には何があるのでしょうか?

欧米諸国の景気が悪く中国の輸出が伸びなかったこともありますが、
中国国内の需要が今大きく増えているのです。
世界はまさに中国市場への商品の売込みを狙っています。
需要こそが世界経済を牽引するエンジンであり、
この巨大な需要が今アジアに生まれつつあります。

こうしたなかで、アジアとりわけ中国に求められるものは何でしょうか?
中国の通貨・人民元の相場や金利の水準などは
中国政府の裁量で決められるのではなく、
世界の市場のルールによって決めていこう、と欧米は求めています。

他方、欧米の先進国にも問題はあるわけで、
先進国は何をどう是正しなければならないのでしょうか?
ユーロ危機の引き金となった各国の財政赤字を削減することが重要だ、
ということでは意見が一致したように思います。

ワシントンでのディスカッション、私にとってはとても興味深い内容でした。
ワシントンで見た新緑が、ここ東京でも目に入る今日この頃、
アジアの中で私たちの日本はどう動くのか?
このことを考えないわけにはいきません。

 

 

2012年04月16日

英国キャメロン首相にお会いして

英国大使館の満開の桜の下で、
4月10日来日した David Cameron 英国首相にインタビューしました。

強い意志と回転の速い頭脳で
エネルギッシュに突き進む若きリーダーとの印象を持ちました。

日英関係:友好関係をさらに深め、貿易・投資分野でも連携を推進。

北朝鮮のミサイル発射:発射すれば国連安保理決議違反であり、強く抗議。

財政再建:財政再建しないと金利が上昇し、経済に悪影響。

日本の消費税増税:内政干渉しないが、困難な決断をする政治家は尊敬。

震災後の日本:人々に強い精神と勇気を見た。除染作業に協力したい。

日本の若者たちへ:社会のさまざまな出来事に積極的に関わるべき。

キャメロン首相の考えは以上の通りで、その論旨は明快でした。

英国の人口は日本の約半分(62百万人)、
国土面積は約2/3、GDPは約4割ですが、

民主主義の長い伝統を持つ英国
産業革命を起こした英国
シェークスピア、ニュートン、チャーチル、ビートルズの英国
国連安全保障理事会の常任理事国である英国
母国語を世界に広めた英国

この英国を率いるリーダーがキャメロン首相です。

 

 

2012年04月04日

4月からのZERO

4月からのNEWS ZEROは、桐谷美玲さん、ホラン千秋さんを迎え
新しいスタートを切りました。

my generation のコーナーを担当する桐谷さん。
アメリカ留学の経験を持つホランさん。

ZEROは、
世代と世代をつなぐ架け橋として、
世界と日本をつなぐ架け橋として、
これからも皆さんに、いろいろなニュースをお届けします。

引き続きどうかよろしくお願いいたします。

 

 

2012年03月26日

成長を超えて

「知ることは感じることの半分も重要ではない」
(レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』)

去年の3月11日以降、漠然とした不安が私の身体全体に広がっています。
3月11日以前は頭の中でそれを認識することはできましたが、
3月11日以降は身体全体でそれを受け止めるようになりました。
一言で言えば「私たちの社会はこのままでいいのだろうか?」
そんな不安です。

私の問題意識は「豊かさ」を定義し直そう、ということです。
GDP(国内総生産)を豊かさの尺度とすることについてどう考えるのか。
効率を重視する経済成長優先主義についてどう考えるのか。
私の思考のレベルはまだまだ未熟ですが、
私が感じる不安は皆さんと共有できるのではないかと思います。

今回、私のとりとめのない思いを文章(『成長を超えて』)に綴ってみました。
環境から地域創造を考える総合雑誌『ビオシティ』50号に掲載されています。

 

 

2012年03月16日

2012年の論点

今年2012年は、日本がその岐路に立たされる年です。
昨年は東日本大震災、福島原発事故などがあり、私たちは多くの涙を流しました。
今年は被災地復興のために、私たちは多くの汗を流さなければなりません。
政府は、その道筋をどのように描いているのでしょうか。

岐路に立たされているのは復興の道筋だけではありません。
経済再生、財政再建、防衛整備、
私たちは各々の道で岐路に立たされているのです。

デフレ、内需低迷が続く日本経済にとって
アメリカなどとの経済連携「TPP」は再生の切り札となるのでしょうか。

また、日本社会の高齢化に伴って増大する社会保障の費用を
消費税増税というかたちで賄うのか否か、が急務の課題となっています。
ギリシャ、イタリアの債務危機を考えると、日本の財政再建も待ったなしです。

さらには、最近の中国の軍事的な展開を踏まえて、
防衛体制や日米同盟のあり方をどう考えたらよいのでしょうか。
政府と沖縄、日米間には普天間基地移設の問題もあります。

こうした日本を取り巻く海外の情勢も「四海波静か」ではありません。
昨年、北朝鮮では金正日総書記の死去によって
金正恩氏への政権の移行が進んでいます。
このことが朝鮮半島情勢にどのような変化をもたらすのでしょうか?
 
また今年は、世界の主要国で選挙などがあり、
リーダーの顔ぶれが大きく変わる可能性があります。
とりわけアメリカ大統領選の行方は、
日本にも大きな影響を及ぼすと考えられます。

私が監修を務める関西学院大学東京丸の内講座では、
これら「2012年の論点」について、
皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

詳しくは下記へ

http://www.kwansei.ac.jp/a_affairs/a_affairs_000113.html

 

 

2012年02月06日

熊野川の表情

先週末、紀伊半島南部の三重県御浜町に行きました。
昨年はこの地域にも大災害がありました。
昨年9月紀伊半島南部を襲った台風12号は、
死者78人・行方不明者16人を出すなど大きな被害をもたらし、
御浜町でも一人の方が亡くなりました。

熊野川沿いを車で走りましたが、
周辺の道路では今も復旧工事が続いており、
所々片側車線のみの走行区間があります。

今も痛々しい傷跡が残るなか、
私が見た熊野川の表情は穏やかでした。
この清く澄んだ流れが、どうすればあの高いところまで
流木を運ぶことができるのだろう・・・。

被災地を訪れるたびに感じるのは、
私たち人間に見せる自然の表情の激しい変わりようです。
人間にとって自然はあまりにも大きく、その存在は人知を超えています。

他方で、被災地を訪れるたびに感じるのは、
つらく悲しい思いを抱きながらも、
復興に向けて立ち上がる人々の固い絆です。
ここ熊野の地でも、私はその絆を感じました。

 

 

2012年01月16日

核なき世界を求めて

今月10日、アメリカの科学誌(Bulletin of the Atomic Scientists)は、
核戦争などによる人類最後のとき(午前0時)を示す終末時計(Doomsday Clock)
の針を1分進めて、今の世界の状況は午前0時5分前、と発表しました。
核兵器の軍縮・不拡散が進まず、気候変動への対応も進展しない状況
を踏まえての判断です。

ところで昨年暮れに、アメリカの元国防長官ウィリアム・J・ペリー氏の
『核なき世界を求めて』(日本経済新聞出版社)を読みました。

先日 NEWS ZERO でもコメントしましたが、ペリー氏は次のような指摘をしています。

『「正しいインテリジェンス」がなければ、「最悪のケースを想定する」という行動が

ある種のパラノイア現象を引き起こし、それが誰も望まない結果をもたらす』

つまり、各国の軍事当局は相手国についての正しいインテリジェンス(情報)を
持っていないと、最悪のケースを想定して軍備を必要以上に増強してしまい、
それが何かのきっかけで軍事衝突を引き起こしかねない、というのです。

そこでペリー氏は、各国が自らの軍事計画について透明性を増すことによって、
相手国が最悪のケースを想定しないですむようにすべき、と主張します。

もちろん軍事情報は機密を要するものが数多くあります。
しかしながら、「透明性確保というアプローチは今後の国際社会において
一層普及させていかなければならない」とのペリー氏の考えは
傾聴に値すると思います。

 

 

2012年01月05日

チャーチルの言葉

Never give in , never give in ,
never , never , never , never -
in nothing , great or small ,
large or petty -
never give in
except to convictions of honour
and good sense !

決して屈服するな。
事の軽重にかかわらず
名誉や良識に背くことのない限り
決して、決して、決して、決して屈服するな。

~1941年10月29日ハロウ校の生徒たちに向けて~

『NEVER GIVE IN !
 The Best of Winston Churchill's Speeches 』より

 

 

2012年01月04日

タスキをつなぐ

いつものように年が明け、
そしていつものように箱根駅伝を見る・・。
ただ今年は、タスキをつなぐということに
その意味を探ろうとする、そんな自分に気づくのです。

前の走者たちの汗が染みついたタスキを、
自分の汗をにじませて、一秒でも早く次の走者に渡す。
走る若者たちの、どの表情にも胸を打つものがありました。

東日本大震災があった2011年からのタスキを、
2012年の私たちはどのような汗をかき、
どのようなかたちで次の2013年に渡すのか。

今年もどうかよろしくお願いいたします。

 

 

2011年12月27日

涙と汗と

今年は多くの涙を流した年でした。
その涙はこれからも消えません。

そのなかで、私たちは復興に向け立ち上がりました。
来年は多くの汗を流す年になります。

「復興してから悲しもう」
被災地で聞いた言葉が忘れられません。

来年が良い年でありますように・・・

 

 

2011年12月26日

入るを量りて出ずるを為す

家計でも企業でも役所でも、予算の基本原則は
「入るを量(はか)りて出ずるを為(な)す」(礼記)
つまり、収入の額を計算し、それによって支出を計画するのです。(広辞苑)

この点、政府が24日に決めた来年度予算案は、とても予算とは言えません。
来年度の税収見込みは42.3兆円なのに、一般会計の支出は90.3兆円、
他の財源を見込んでもまだ足りない分は、借金である国債を44.2兆円発行します。
来年度もまた国債発行が税収を上回り、
借金依存度(国債発行額 / 一般会計総額)は、過去最悪の49%。

東日本大震災の復興については、別の特別会計で対応するので
震災復興という特別の事情を除いた、この一般会計の姿を見るとき、
私は、「政府には財政再建への強い意志が本当にあるのか?」
という疑問を抱いてしまいます。

さらに政府は、基礎年金の国の負担分を一般会計から切り離し、
別の財布にツケを回してしまいました。
これは、財政事情の深刻さを国民に明らかにすることを避けているように見え、
国民への説明責任の観点からも問題だと思います。

支出の徹底した見直しも行わないままで、
これから始まる消費税増税議論に国民は理解を示すでしょうか?

「政治主導」を掲げてきた民主党政権、
政治家が汗をかかないで、国民に汗をかけ、と言えるでしょうか?

 

 

2011年12月12日

12月8日に考える

1941年12月8日、旧日本軍がハワイの真珠湾を攻撃し、日米は開戦。
太平洋戦争が始まりました。
70年経った今年の12月8日、戦争について、これからの日本について、
ZEROでは作家の半藤一利さんにお話を聞きました。

昭和の歴史を伝える半藤さんは、15歳のとき東京大空襲で
火の海の中を逃げ延びました。
その恐怖の体験を記した著書『15歳の東京大空襲』の中に、
次のような文章があります。

「単に戦争の外形的な悲惨さ、非情さ、残虐さを強調するだけではいけないのです。
それだけでは、平和を守りえないことは歴史が証明しています。
ですから、自分たちの日常生活から戦争につながるようなことを、日々駆逐する、
そのほかにいい方法はないのです」

半藤さんの思いを受けて、私たちに何ができるでしょうか?
例えば・・・

戦争を考える政府は、先ず言論を統制しようとします。
なぜなら、政府と国民が一枚岩でないと、国家は戦争できないからです。
その意味で、「言論の自由」は国民を戦争から守る大切な砦です。
私たちの社会の中に、異なった考えや少数意見を排除しようとする動き
が出てきたら、その動きを私たちは止めなければいけません。

このことが、半藤さんの言う「戦争につながることを駆逐する」一つの方法だと思います。

 

 

2011年12月05日

アラブとアメリカで起きていること

エジプト、リビアなどのアラブ諸国とアメリカ。
政治・経済・文化などの面で大きく異なる、この2つの地域で
今年民衆の間に「思い」を同じくする抵抗運動が起きました。
格差に対する不満から、より公平な社会を実現しようとする動きです。

チュニジア、エジプト、リビアでは次々と独裁政権が倒れました。

1%の富裕な人間が、国の富の40%を支配している(注)というアメリカでは、
「ウォール街を占拠せよ」「私たちは99%」といったスローガンを掲げ、
反格差デモが国中に広がりました。

2008年リーマンショック以降の経済的困難が世界を覆うなか、
今、人々の間に、政治的権力の集中や経済的富の集中に対する
反発や不満が高まっています。
そして人々の反発は、ネットワーク社会の進展によって、
より容易に実際の抗議行動へと転化していきます。

みんなで苦しみに耐えていくならまだ我慢できるが、
一部の人間だけが楽をするのは許せない・・・

民主主義と市場経済の枠組みの中で、
いかにして社会的公正を実現していくのか。
これからの社会を考えるうえで、避けて通れない課題です。

(注) Joseph E. Stiglitz "Of the 1% ,by the 1% ,for the 1% "
Stiglitz氏は、2001年ノーベル経済学賞を受賞。

 

 

2011年11月21日

IMF・ラガルド専務理事と

写真はIMF(国際通貨基金)のトップ、クリスティーヌ・ラガルド専務理事です。

 

IMFは187ヶ国で組織され、
各国が抱える財政・金融や貿易の問題に対処するため、
政策的な助言をしたり、融資を行う国際機関。

ラガルドさんは、そのIMFのトップとして、今、ユーロ危機の解決に向けて
世界を駆け巡っています。
今月約10日間で、
G20(仏カンヌ)→ロシア→中国→日本→APEC(米ハワイ)と動き、
各国の首脳たちと協議を重ねました。

NEWS ZERO では、ユーロ危機や日本の財政赤字に触れて、
個別の利益よりも共同体の利益を、
短期的な視点よりも長期的な視点を重視すべき、と語りました。

フランスの財務大臣などを務め、今年7月からIMFのトップになったラガルドさん。
日本の女性に向けて、
Study hard (勤勉でありなさい)
Nothing is impossible (不可能なことはありません)
というメッセージをいただきました。

 

 

2011年11月07日

日本と英国

先週金曜日のNEWS ZEROでは、八木キャスターによる
フィリップ・ハモンド英国国防相へのインタビューの模様をお伝えしました。
英国の大臣では、私は昨年、ウィリアム・ヘイグ外相と対談しました。

日本と英国、私は国際政治を考えるうえで、
両国には多くの共通点があるように思います。

日本はユーラシア大陸の東に位置する島国で、
中国という大国と向き合っています。
英国はユーラシア大陸の西に位置する島国で、
大陸のヨーロッパ諸国EUの大勢力と向き合っています。
(英国はEUには属していますが、通貨ユーロを使用しないなど、
大陸諸国とは一定の距離を置いています)

日本は中国と向き合うため、アメリカの力を借りたいと考えています。
また、英国も他のEU諸国を相手に、有利な外交を展開するため、
アメリカの力を借りたいと考えています。

他方、アメリカですが、中国とEUにそれぞれ向き合い、
一つの外交戦略として、中国に対しては日本を通じて、
EUに対しては英国を通じて、その影響力を行使したいと考えています。

このように、アメリカ、中国、EUという三極のパワーバランスの中で、
日本と英国は、同じような立ち位置にあるのです。

その意味で、英国の外交政策、防衛政策の進め方は、
日本にとっても有益な示唆を与えてくれると思います。

 

 

2011年10月10日

春夏秋冬

1968年ノーベル文学賞を受賞した川端康成の
受賞記念講演「美しい日本の私」には、
日本美の一つのエッセンスが述べられています。

この講演の冒頭に出てくるのが道元禅師の歌です。

春は花 夏ほととぎす 秋は月
冬雪さえて 冷しかりけり

その美しい日本に暮らしているのに、
私たちは日々の仕事や出来事に追われ、
四季の移り変わりを愛でる心のゆとりを失ってはいないか・・
最近私が感じることのひとつです。
私が年をとったせいかもしれませんが。

美しい自然のなかで暮らす喜びは、
前に進む勇気を私たちに与えてくれるような気がします。
(その意味でも、福島の自然・ふるさと再生は日本の最重要課題の一つ)

振り返ると、NEWS ZERO は
スガシカオさんの『春夏秋冬』の曲とともに歩み始めました。
移り変わる四季の情景を織り交ぜて、
6年目を迎える NEWS ZERO は、これからも皆さんとともに歩みます。

 

 

2011年09月16日

これからの電力エネルギーを考える

3月11日の福島第一原発事故によって、
日本の電力エネルギー政策は、その根本から見直しを迫られています。
故郷を離れて避難せざるを得なかった住民のみなさんの心痛を思うとき、
それがいかに日本の経済成長に寄与してきたとしても、
原発の存在そのものに大きな疑問を抱かざるを得ません。

その一方で、原発停止に伴う電力不足や
地元雇用に与える影響を懸念する声も少なくありません。

日本の原発事故を受けて、ドイツ、スイス、イタリアは
脱原発路線を明確にしました。
他方、その電力を原発に大きく依存するフランスなどは、
更なる安全性を追及しつつ、原発の重要性を強調しています。

ヒロシマ、ナガサキ、そしてフクシマと、核に襲われた日本。
安全神話が崩壊した原発をどう考えるのか?
今後の電力エネルギー政策について展望はあるのか?
CO2を大量に排出する火力発電に期待できるのか?
供給不安を抱える太陽光・風力などの自然エネルギーの未来は?
生活や職場環境を大きく変える節電は続けられるのか?

私が監修を務める関西学院大学東京丸の内講座
(2011年10月~2012年3月の第3木曜日)では、
3月11日の東日本大震災、福島第一原発事故を受け、
これからの電力エネルギーについて
皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

詳しくは下記へ

http://www.kwansei.ac.jp/a_affairs/a_affairs_002647.html

 

 

2011年09月05日

排除の論理・包含の論理

党内融和を目指して
「排除の論理はとらない」と言った野田総理。
党内人事、閣僚人事を終えて、
民主党政権3番目の内閣がスタートしました。

この「排除の論理はとらない」、つまり全員野球の考え方は、
人事だけではなくて、社会政策においても貫いてほしいと思います。

例えば、雇用の分野。
産業構造ビジョン2010(経済産業省)によると、
生産年齢人口(15~64歳)は2009年の8,164万人から、
2020年には7,363万人と、801万人減少すると見込まれています。
あと10年も経てば、雇用をめぐる環境は、
就職難である今とはだいぶ違ったものになっているでしょう。

そのような事態に対処するためには、雇用政策も
「排除の論理」ではなく「包含の論理」で臨まなければなりません。
それは、女性、高齢者、障がい者、外国人の皆さんにも
雇用の機会が均しく保障される社会を目指すものです。

全員野球ができる社会の実現は、
日本に暮らす一人ひとりが生きがいを持つことを可能にし、
そしてなによりも、野田総理が言う
「中間層の厚みが増す社会」を可能とするのです。

 

 

2011年08月10日

国民主権が実現していない

この夏、私が眠れない理由は暑さだけではありません。
この国の政治が心配なのです。
被災地の復興、原発事故の収束、景気の回復、財政の再建・・・
課題山積のなか、内閣は、国会は、この現状をどう捉え、
私たちをどこに導こうとしているのか?
今、私には、この国の政治の意思が見えませんし、
そもそも、今の政治は民意を代表しているのか、疑問すら感じます。

個々の政策の良し悪しは別として
2009年総選挙で民主党が国民に約束したこと、と
今民主党政権が実際に行っていること、との間には
大きな乖離が生じています。
子供手当てはやめる。
支出をカットして、多くの財源をうみ出すこともしない。
普天間基地の移設は沖縄県外ではなく、県内に決める。
衆議院議員の定数削減はやらない。
・・・・・

最新のNNN世論調査において、
「いつ衆議院選挙を行うべきか?」との問いに
・できるだけ早く行う・・・23.0%
・次の内閣が発足したらすぐに行う・・・22.9%
・今年中に行う・・・16.6%
との答えが6割以上を占めました。

国民は、今の国会のメンバーでは
主権者である国民の声を反映できない、
と考えているのではないでしょうか。
この国では、今、国民主権が実現していない。
そう考えるのは、私だけではありません。

 

 

2011年08月01日

内部被ばくについて

ZEROが長期密着取材している福島市内の中学校、
放射線量が高くて、一時期、校庭が使用できませんでした。
心身ともに伸び盛りの時期に、外で思いっきり体を動かせない
生徒たちを見ると、胸が痛みます。

目に見えず、耳に聞こえず、臭いも味もない、放射線の恐怖。
校長先生は、
「学校内の放射性物質の除染が進み、外部被ばくについては
目処が立ちつつありますが、心配なのは内部被ばくです。
行政は、生徒一人ひとりの健康調査を
しっかりやってほしいと思います」
と仰っていました。

内部被ばくとは、人間の体内に放射性物質が入り込み、
体の内部から放射線を受けること。
空気を吸って、食べ物を食べて、水を飲んで・・・
さまざまなルートから放射性物質が体内に入り込む危険
が指摘されています。

放射線が人体にどのような影響を及ぼすのか、
まだまだ分からないことが少なくないのですが、
そうであるならばなおさらのこと、政府の危機管理能力が問われます。
稲わら、牛肉、腐葉土・・・次から次へと検出される放射性物質。
今、国民は「安全」とともに「安心」を求めています。
「分からないから動かない」ではなく、「分からないからこそ動く」。
政府に求められるのは、この姿勢です。

 

 

2011年07月25日

なでしこスピリット

なでしこジャパンの優勝、
私も込み上げてくるものを
抑えることができませんでした。

なでしこたちの快挙を受けて、中国の人民日報は、
中国も日本の「志」と「知恵」に学ばなければならない、
と報じました。

3・11以後の日本を考えるとき、
未来の日本は、過去の日本の延長線上にはありません。
その日本の未来を決めるのは、
私たちの「志」の高さと「知恵」の深さです。

今の菅内閣が直面している課題、
例えば、「社会保障と税」や「エネルギーと原発」に対して、
政治は、私たちが希望をもてるような方向を
打ち出しているでしょうか?

現実を見て「仕方ない」と考えるか、
夢を掲げて「やってみよう」と考えるか、
なでしこたちは後者を選択しました。

道なき未知へ、
なでしこジャパンは、
私たちにひとつのコンパスを示してくれました。

 

 

2011年07月11日

未来から見る。宇宙から見る

7月8日のZEROでは、原発問題を語る
フランス出身の映画監督リュック・ベッソンさん
をご紹介しました。

原子力はあまりにも危険だと語るベッソン監督。
「子供たちから、なんてことをしてくれたんだ、
と指をさされたくない」
「我々はこの地球から逃げ出せない」
そのクールな語り口とともに、
印象的だったのはその視点です。

時間の軸でいえば、彼は未来から現在を見ています。
空間の軸でいえば、彼は宇宙から地球を見ています。

アーティストの感性は、原発を許さないのです。

 

 

2011年07月04日

食糧危機に備えよ

先日、ZEROでもお伝えしましたが、
世界的に小麦の価格が上昇しています。
実は小麦だけではありません。
食料全体の価格の動きを示す指標としては、
国連食糧農業機関(FAO)作成の食料価格指数がありますが、
その指数は今年の2月、過去最高を記録しました。

その背景には、
中国など新興国の需要増、
異常気象による不作、
投機マネーの流入
などが指摘されています。

食料価格が上昇しているということは、
食料供給よりも食料需要が多いということです。
食料自給率が低い日本にとっては心配です。
日本の食料自給率は、1970年度には60%だったのですが、
どんどん低下して2009年度は40%でした。

諸外国を見ると、2007年、アメリカは124%、フランス111%、
ドイツ80%、イギリス65%。
海外と比べても日本の食料供給には不安があるのです。

2008年の世界的な食料価格の高騰は、
当時「サイレント・ツナミ(静かな津波)」と呼ばれました。
日本は、この食糧危機という「サイレント・ツナミ」に対しても、
今から万全の対策を講じておかなければいけません。

 

 

2011年06月20日

負担の分配

氷室京介さんのZEROテーマ曲「IF YOU WANT」の中に
「道なき未知へ」という詞があります。
まさにこれからの日本は、道なき未知の世界へ
入り込もうとしています。

主要先進国でも類をみない速さで人口減少・高齢化が進む日本。
年金や医療・介護など社会保障にかかる費用は増えていきますから、
そのための財源をどう確保するかが大きな課題です。

また、国および地方の長期債務残高は、2011年度末には
GDPのおよそ1.8倍(平成23年度当初予算ベース)まで膨らみ、
日本の財政は今や破綻寸前。
主要先進国の中で最悪の水準です。
公共サービスの大幅カットや増税は避けられない状況です。

さらに、東日本大震災の復興にかかる費用を
負担していくことが必要になります。

このような巨額の負担を私たち国民でどう分け合うのか。
誰がどれだけ、どのようなかたちで負担していくのか。
これを決めるのが政治です。

国民に負担を求めるのは辛いことです。
今までの政治は、この負担を子供たち将来世代に
借金(国債発行)というかたちで先送りし、
なすべき決断を避けてきました。

もうこのようなことは許されません。
次の世代のことより次の選挙のことを考える政治家は要りません。
今の世代のどの層にどれだけの負担を求めていくのか、
そのビジョンと、これを実行に移す行動力・・・
道なき未知の世界に入る今、政治家に求められる資質です。

 

 

2011年06月13日

石炭の話

今日は石炭の話をしたいと思います。
福島原発事故以後、原子力エネルギーに対する
反発は強まる一方です。
他方、現段階では太陽光など自然エネルギーに
多くを期待できません。
こうした電力事情のなかで、改めて注目すべきは石炭でしょう。

石炭に関するデータを以下に示します(経済産業省エネルギー白書2010)。
1.世界の発電電力量の42%は石炭火力である(2007年)。
  (アメリカでは49%、中国81%、ドイツ49%、日本(2009年度)25%)
2.可採年数(可採埋蔵量/年産量)が122年と、
  石油などのエネルギーよりも長い。
3.石油、天然ガスに比べ地域的な偏りが少なく、世界に広く分布している。

他方、石炭火力の問題点は以下の通りです。
1.他の燃料に比べて二酸化炭素(CO2)を多く出す。
2.硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)などの大気汚染物質が出る。

ただし上記の問題点について、
日本では熱効率や環境面での技術開発の結果、
燃焼によってCO2が発生する比率は世界最低水準
(発電熱効率(LHV)は40%超)、
発電電力量あたりのSOxやNOxの排出量も世界最低水準
(それぞれ0.2g/kWh)、
と、世界トップレベルのクリーンな火力発電所を実現しています。
(J-POWER資料)

自然エネルギーがメジャーになるまでの、つなぎのエネルギーとして、
石炭に注目する人は少なくありません。
また、日本の石炭火力発電所の技術やノウハウを
海外に広く輸出することも期待できます。

「コール(石炭)をクリーンに使えるか?」
これからの課題です。

 

 

2011年05月30日

大樹深根

先週末、宮城県石巻市の被災者の方々と一緒に木を植えました。
植樹の神様、宮脇昭先生のご指導のもと、
北上中学校の校庭に植えられた、
タブノキ、アカガシなど1500本の苗木たち。

再出発を誓った生徒たちは、
この苗木たちと共にまた歩み始めます。
雨にもまけず、風にもまけず、
大地に根を張り、空に向かって伸びてゆけ。
大樹深根だ。

眼下には、大津波が逆流した北上川が流れていました。
多くの思いを底に沈めて、今は黙して流れる北上川。

芭蕉の『おくのほそ道』に
「かまどの煙立ちつづけたり」と記された石巻。
楽しい食卓を囲む日が、また来ることを願わずにはいられません。

 

 

2011年05月16日

足るを知る

 

京都の龍安寺にあるつくばいには、写真のように
□を囲むようにして、時計回りに五、・・・の四文字が配されています。
「吾唯足知」われただたるをしる、と読み、
私はこれを「真の豊かさは物の豊かさではない」の意と解しています。

原発が私たちの経済的な繁栄をどんなに支えていても、
その原発事故でふるさとを去らなければならない悲しみに比べたら
その効用はあまりにも小さいと言わざるを得ません。

原発事故、地球温暖化・・・
経済的な豊かさを求め続けてきた人間のその行為によって、
人間自身の生存を脅かしかねない事態が、
「今そこにある危機」として認識されつつあります。

To Have or to Be ?
物をたくさん持つこと(Have)と
心が満たされること(Be)とは別のことであり、
私たちはどちらを選択すべきなのか?
こう問いかけた社会心理学者エーリッヒ・フロムの次の言葉を、
私たちは真剣に受け止めなければなりません。

「歴史上初めて、人類の肉体的生存が
人間の心のラディカルな変革にかかっている」(注)

(注)エーリッヒ・フロム『生きるということ』(紀伊國屋書店)

 

 

2011年05月02日

苦境を乗り越える人にしか苦境は来ない

 

4月28日木曜日、
地元仙台での開幕戦を翌日に控えたクリネックススタジアム。
晴れた日の、試合のない野球場は、
それはそれで清々しく、気持ちのいい空間でした。

そこで星野・楽天監督にお会いしました。
ユニフォーム姿の星野さんは、鎧姿の武将です。
語る言葉の端々に、内に秘めた闘魂を感じました。

東日本大震災、悲しみに暮れる東北。
この辛い時期に楽天チームを率いる星野さん。

「なぜ自分なのか・・。
苦境を乗り越える人にしか苦境は来ない、
と自分に言い聞かせた」

「自分たちは野球が仕事。
野球を通じて、悲しいこと、辛いことを一瞬でも忘れてもらおう。
選手にはこう言い続けた」

星野監督の楽天イーグルス、
その強さとやさしさで、東北のみなさんに元気を!

 

 

2011年04月19日

3・11以後の日本を考える

人口減少や財政危機などの困難を抱えた日本。
その日本を襲った大地震。
私たちは立ち上がれるのでしょうか。
また、どのように立ち上がればよいのでしょうか。
今、私たちに問われていることは?

知的情報発見イベント「東京オトナ大学」
日時:5月8日(日)14:45~15:45
場所:JR東京駅サピアタワー

「それでも私たちは立ち上がる」と題して私が講演します。(参加無料です)

詳しくはこちらへ

 

 

2011年04月08日

プランB

福島第一原発事故以降、忍び寄る放射能の恐怖に不安な毎日が続いています。
原発は本当に必要なのか?
多くの方が改めて、原発の存在意義を考え始めています。

経済産業省資源エネルギー庁のパンフレット「日本のエネルギー2010」によると、
2008年度における日本の発電電力量は、9,915億kWh。
この電力量の電源別割合を見ると
天然ガス 28%
原子力 26%
石炭 25%
・・・
となっています。

この数字を見る限り、もし原発を今すべて止めてしまうと、
電力量は 9,915(08年度発電量) × 0.74(非原子力の割合) = 7,337億kWh
となります。
この7,337億kWhという値は、
今からおよそ20年前の1990年度発電量7,376億kWhとほぼ同水準です。

極めて大雑把な議論をすると、私たちが原発に頼らずに暮らそうとすれば、
20年前の発電量(今の約3/4)に見合うライフスタイルに
私たちが適応できるかどうかが問われることになります。

ただ、このことはライフスタイルの変更だけにとどまるものではありません。
発電量低下 → 経済縮小 → 失業者増加・所得低下
といった事態を招くおそれも考えておかなければなりません。

他方、今までとは違うライフスタイルによる新たな需要の創出や
太陽光など自然エネルギーの開発にも一層拍車がかかるかもしれません。
「クール・ジャパン」とともに「クリーン・ジャパン」という日本のイメージアップにも
つながるかもしれません。
なによりも、日本発の放射能の恐怖におびえることはなくなるのです。

東日本大震災の悲しみを乗り越えて、日本は立ち上がらなければなりませんが、
問題はどのように立ち上がるのか、です。
今まで日本が歩んできた道の延長線上で立ち上がるのか(プランA)。
今までとは違う、新たな道を開拓するのか(プランB)。

当面は被災者支援、原発事故対応に全力をあげつつ、
私たちは3・11以後の日本のあり方についても
考えていかなければなりません。

 

 

2011年03月25日

無常を生きる

3月11日の大地震

思いもかけない悲しみ
思いもかけない苦しみ

無常の世を生きるには、
そこに常なるものを信じるほかありません。
それは人の愛だと思います。

人は人からの愛によって生きる力を得て、
人は人への愛によって生きる意味を確かめるのだと思います。


(注)LOVE FOR NIPPON への私のメッセージ

 

 

2011年03月18日

それでも私たちは立ち上がる

3月11日の大地震

津波が引いた後に残された巨大な虚無の空間に立つ

そこに漂う人々の無念、悲しみ、不安、恐怖・・・

避難所でひたすら黙して耐える被災者

原発事故におびえる住民

私たちに何ができる?

助け合おう日本

譲り合おう日本

そして再び立ち上がろう

 

 

2011年02月28日

反政府デモの意味するもの

中東・イスラム地域における市民の反政府デモは
とどまるところを知らず、チュニジア、エジプトと政権が転覆し、
今やカダフィ大佐のリビアでも、首都トリポリ周辺を除く地域は
反政府勢力の支配下に置かれています。

今までにデモが起きた国、デモを呼びかけた国は、
チュニジア、エジプト、リビア、バーレーン、イエメン、中国・・・
これらの国に共通している問題点は何でしょうか。
私は、「公正な選挙制度による政権選択の自由が、
市民に保障されていない」という点にあると考えています。

そこでは、市民は指導者を自由に選べないわけですから、
結果として長期独裁政権ができてしまいます。
そのような政権の下では、
どうしても一部の人が特権的な利益を得るようになり、
国民の間に不公平感や格差が生まれることになります。

みんなが苦しいのであれば、私たちはまだ我慢できます。
しかし、私たちは苦しいのに、一部の人だけがいい思いを
しているとしたら、私たちはもう我慢できません。
まさに中国の古典『論語』にある、
「均(ひと)しからざるを患(うれ)う」事態が生じるのです。

さて、こうした一人ひとりの市民の不満を、反政府デモという
大きな抗議行動にまで発展させた原動力がインターネットでした。
インターネットは市民間の情報交換の量を飛躍的に増大させ、
市民の連携・一体化を可能にしたのです。

一連の反政府デモの本質をこう捉えるならば、
反政府デモの動きは中東・イスラム地域だけにとどまらない、
と私は思います。

 

 

2011年02月21日

私が見たカイロ~2011・2・13~

 


写真は2月13日夕刻
エジプトの首都カイロ・タハリール広場に集まった人々です。
ムバラク大統領が辞任したのは2月11日。
数日前まで人々の「怒りの渦」の中心であったタハリール広場が、
このときは「喜びの渦」に変わっていました。
この写真に写っている人たちこそ、エジプトを変えたヒーローでありヒロインです。
私もこの「喜びの渦」に入り込んでみました。
エジプトの人々はやさしくて、陽気で、人懐こい人たちでした。

私はこの広場で、街中で人々の声を聞きました。
彼らや彼女たちからは「正義(justice)」「自由(freedom)」
「平等(equality)」という言葉を幾度となく聞きました。
「職を求めてエジプトを出ようと思っていたが、国内で働く」と言う若者。
「私たちの世代にとっての教師はムバラクに反抗した若者たち」と言う中年の男性。

私が取材した限り、今回の政変にはイスラムの宗教的色彩はなく、
ムバラク大統領による抑圧体制からの開放を、人々特に若者たちが
強く求めたものと見ることができると思います。

長年続いた独裁政権に反抗することがどんなに恐ろしいことだったか・・
反政府デモを指導する強力なリーダーがいなくてどんなに心細かったことか・・
それでもエジプトの人々は立ち上がったのです。
(その人々の強力な武器がインターネットでした)

「戦争は終わる。もしあなたが望むなら」と言ったのは
ジョン・レノン&オノ・ヨーコさんでしたが、
エジプトの人々は「世界は変わる。もしあなたが望むなら」
とのメッセージを私たちへ送ったように思います。

追記:
実は大事なのが、これからのエジプトです。
ムバラク後のエジプトがどこへ向かうのか?
今後のエジプトを束ねていく指導原理は、
西欧流の民主主義なのか?
イスラムの教義なのか?
それとも第3の道なのか?
まだ何も見えないのが現状なのです。

 

 

2011年02月14日

昇る朝日に向かって

 


写真は沖縄・久米島に昇る朝日です。
この朝日に向かって今シーズンの目標を叫ぶ選手たち。
先日、私は星野監督率いる楽天イーグルス春季キャンプ
を取材しました。

優勝を目指し、全員一丸となって前に進む若者達の姿は
やはり気持ちがいいですね。
私たちが生きがいを感ずるのは、目標を達成したときよりも
目標に向かっているときだ・・そんな気持ちでキャンプを眺めました。

キャンプでは選手たちがレベルアップしていく過程を追うのも楽しいのですが、
私には、数十人のプロ集団をひとつの目標に向けて人心を束ねていく
「星野流」組織マネジメントを追うことにも興味があります。

褒めて叱って鍛える、星野流人心掌握術。
春から始まる公式戦が、今から楽しみです。

 

 

2011年01月30日

ネットは銃よりも強し

「ペンは剣よりも強し」と言いますが、
チュニジアの政変やエジプトの反政府デモは、
私に「ネットは銃よりも強し」という思いを抱かせます。

チュニジアやエジプトの騒乱については、
・長期独裁政権のもと市民の自由が制限されていること
・経済不況のなかで格差が拡大していること
などが指摘されていますが、今回私が注目するのは、
・インターネットが市民の間で急速に広まっていること
です。

人々の間で行き交う情報の量が多ければ多いほど、
人々は社会のあり方により強い問題意識を持ち、
社会を変えようとするモチベーションはより高まるでしょう。
その情報量の増大にインターネットが果たした役割は
計り知れないものがあります。

エジプト政府が行なったインターネットの遮断は、
ネットを通じての市民間の情報交換が反政府勢力の勢いを
飛躍的に強める、との判断が働いたのは確実だと思います。
ネットは銃よりも強し。
情報革命は市民革命をもたらすことになるのです。

 

 

2011年01月17日

来年度予算案への疑問

通常国会は1月24日に召集されますが、
この国会での一番重要な議題は、来年度の政府予算案です。

その一般会計予算案、規模は92.4兆円。
支出の内訳は、借金の返済(国債費)21.5兆円。
地方自治体に渡すお金(地方交付税交付金)16.8兆円。
残り54.1兆円を国の役所で使うのですが、
このうち半分以上の28.7兆円が年金・医療などの社会保障関係費です。
(21.5+16.8+54.1=92.4)

一方、収入の内訳は、税収が40.9兆円。その他7.2兆円。
残りは、子供たちへのツケとなる借金(国債発行)44.3兆円です。
(40.9+7.2+44.3=92.4)

この予算案を見て、私が一番問題だと考えるのは、
巨額の借金をしなければ予算を組めないという異常な借金体質です。
借金をする額は44.3兆円と、税収の40.9兆円を上回っています。
日本の財政の歴史を見ても、諸外国の財政の数字を見ても、まさに異例の事態。
日本は「財政非常事態」を宣言しなければならない、と私は思います。

景気が悪いときに財政を引き締めて良いのか、という議論は確かにありますが、
日本の財政は、積極財政か緊縮財政かという次元を超えて、財政破綻寸前の
放漫財政と言っても過言ではないでしょう。
選挙権を持たない子供たちにとってはあまりにもアンフェアな予算案です。

そもそも、今のデフレは景気が悪化しているからなのか、という点についても
しっかりとした検証が必要です。
日本政策投資銀行の藻谷浩介氏が著書『デフレの正体』で指摘しているように、
生産年齢人口の減少がデフレの主因であれば、
その処方箋は巨額の国債発行による景気刺激ではありません。

国債発行による景気刺激が是認される大前提は、その後国内需要が増大して
税収が増加し、財政赤字が解消されるからです。
「人口の波」によって国内需要が低下し続ける場合、国債発行による景気刺激
効果も限られ、また将来の税収の増加も期待できません。

来年度予算案に私は合格点を与えることができませんが、
国会ではこの予算案の是非について、与野党間での活発な議論を望みます。

 

 

2011年01月04日

ウサギの耳

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ところで、皆さんはどのようなお正月を過ごされましたか?
年賀状を読むのもお正月の楽しみの一つですね。
さて、今年は卯年。
私がいただいた年賀状の中には、
可愛いウサギの傍らに、政治や政策の劣化を
憂う言葉が多く見られました。

ウサギと言えば、かつて国会の場で
「ウサギの耳」について議論がなされたことがあります。
これは、故・坂田道太元防衛庁長官が述べた、
安全保障に関する一つの考え方で、
例えば、坂田さんは1975年6月3日の衆議院内閣委員会で
次のような趣旨の答弁をしています。

「今の憲法のもと専守防衛を決意している日本で、
国民の生命、財産、自由を守るためには、ウサギの耳を持って
あらゆる情報をキャッチしなければならない」
つまり日本の安全のためには、
政府の情報収集機能の充実強化が不可欠だ、と言っているのです。

「ウサギの耳」論は35年余りの時間が経過した今でも色あせていません。
昨年は、尖閣諸島沖中国漁船衝突事件や北朝鮮の韓国への砲撃事件
などあり、極東アジアの情勢が緊迫化しました。
こうした時には、ともすると戦力強化の議論が起きるのですが、
今必要なのは、「鷹の爪」(武器)よりも「ウサギの耳」(情報)です。

卯年の年賀状を見ながら、お正月はこんなことを考えました。

2010年12月24日

メリークリスマス

今日、12月24日で「NEWS ZERO」は2010年最後の放送となります。

今年も1年間ご覧いただいてありがとうございました。
いろいろなニュースをお伝えしましたが、私にとってうれしい出来事は
小惑星探査機「はやぶさ」の帰還でした。
明日を生きる活力を与えてくれました。
皆さんにとって元気のでるニュースは何だったでしょうか?

この1年を振り返りつつ・・・・
Merry X'mas and Happy New Year !!

 

 

2010年12月20日

夢をもとう!

16日のZEROでお伝えした「オノ・ヨーコ×村尾」。

毎年ライブ・コンサートを開き、その売上げを世界の子供たちのための
学校建設に寄付しているオノ・ヨーコさん。

失意と苦悩の中、それでも「yes」という一言で
自分を肯定してみたオノ・ヨーコさん。

「戦争は終わる。あなたが望むなら」と世界平和を訴えるオノ・ヨーコさん。

自分の外の世界で起きていることにあれだけ関心を持っているのに、
その言葉や行動は自分の心の声だけを聞いている・・・
オノ・ヨーコさんはそういう人でした。

「夢をもとう!」とメッセージを送り続けるオノ・ヨーコさん。
今も世界では貧困や戦争が続いています。
私たちでこの世界を変えられたらいいですね。

変えるためには行動しなければなりません。
行動するためには決意しなければなりません。
そして、決意するためには夢を持たなければなりません。

 

 

2010年12月13日

あかつきよ、6年後がある

多くの試練を乗り越え、
小惑星イトカワから地球に帰ってきた
小惑星探査機「はやぶさ」。
7年の長旅、お疲れさま。
私にとって、今年のうれしいニュースのひとつです。
あきらめないことの大切さを「はやぶさ」に見ました。

さて、金星探査機「あかつき」は
金星の軌道に入ることに失敗しましたが、
6年後に再びチャンスがあるとのこと。
6年後が楽しみです。

今回の結果は残念でしたが、
「失敗」は挑戦者だけに与えられる「勲章」だ、
と私は思います。

あきらめない。
あきらめない。
そして、あきらめない。

 

 

2010年11月29日

ユニバーサル社会への道

11月22日の NEWS ZERO でも紹介しましたが、
イギリスの経済誌 The Economist が、
「Japan's burden (日本の重荷)」と題して、
世界に先駆けて高齢社会に突入する日本
の課題を特集しています。

国立社会保障人口問題研究所によれば、
日本の人口は、2008年の12,769万人から
2055年には8,993万人とおよそ30%も減少し、
そして高齢化率(65歳以上人口の割合)は
08年の22.1%から55年には40.5%へと上昇します。

これからの日本、少ない若者で多くのお年寄りを
支えていけるのでしょうか?
今雇用情勢は深刻な状態ですが、
生産年齢人口(15~64歳)は2020年に向けて急速に減少し、
09年に比べておよそ800万人減る見通しです。
そうなると雇用については、中長期的にはどうやって
人手を確保するかが重要になってきます。

日本の雇用をまさに全員野球で支えていく時代は
すぐそこまで来ているのです。
女性が働きやすい環境を早く整備しなければなりません。
働く意欲のある高齢者の方々や障がい者の方々には
バリアフリーの職場を提供しなければなりません。
日本でまじめに働きたいと思う外国人の皆さんも歓迎です。

誰もが社会参加できる「ユニバーサル社会」の構築、
これに日本の未来はかかっています。
今の日本のピンチをチャンスに変えることができるかどうか。
そのキーワードは、「ユニバーサル社会」だと思います。

 

 

2010年11月15日

税制のかたちを示せ

「タフでなければ生きられない。やさしくなければ生きている資格がない」
この言葉、みなさんもどこかで聞いたことがあるでしょう。
作家レイモンド・チャンドラーが、その小説の中で
私立探偵フィリップ・マーロウに言わせている言葉ですが、
日本の税制を考える際のヒントにもなりそうです。

「タフでなければ生きられない」
激しい国際競争の中で企業が生き残るための条件整備として
税制ができることといえば、法人税率の引き下げがあります。
法人税率について、09年OECD(先進諸国)の平均は約26%、
アジアの平均は約25%。これに比べて日本は約40%。
税金の負担が大きいと、企業のコストを押し上げて国際競争力を低下させたり、
海外企業の日本進出に悪影響を及ぼすと懸念されているのです。

「やさしくなければ生きている資格がない」
弱者や高齢者を守るのが政府の仕事であり、
それができない政府には何の価値もありません。
税収(37.4兆円)を上回る国債を発行(44.3兆円)している厳しい財政事情の中で、
歳出の3割近くを占める社会保障(27.3兆円)の安定的な財源を
確保することはもう待ったなしです。
ここで考えなければならないのは、現在5%の消費税率の引き上げです。
あらゆる世代が広く公平に分かち合う消費税は、
勤労世代に負担が集中しないという特徴も持っています。
日本の消費税率は主要国の中では最低水準(EU加盟国では
標準税率を15%以上にすることが義務づけられています)。
消費税についてはさまざまな意見がありますが、
議論もしないということは許されません。
直ちに与野党間で真剣な議論・協議を始めるべきです。

グローバル大競争時代を迎えて、日本は今後どの方向に舵を切るのか?
税制は、その国の意思やかたちを決める重要な政策手段です。
法人税や消費税だけでなく、所得税や相続税などについても、
さらには新税としての環境税についても広く深い議論が必要です。
日本は、早急に税制抜本改革に手をつけ、国の意思を税制というかたちで
広く内外に示さなければなりません。

 

 

2010年11月08日

藤波孝生さんのこと

先日、読売新聞の橋本五郎さんにお会いしたとき、
元内閣官房長官の藤波孝生さん(1932~2007年)の話になりました。
藤波さんはかつて自民党の有力政治家の一人でしたが、
リクルート事件に連座し、その晩年は不遇でした。

リクルート事件との関わりにおいていろいろな評価はあるでしょうが、
今でも藤波さんの人間的な魅力を語るジャーナリストは少なくありません。
橋本さんは最近のご著書『範は歴史にあり』(藤原書店)の中でも、
藤波さんに触れられています。
(橋本さんは藤波孝生追悼集刊行委員会の代表世話人として
『含羞の人 藤波孝生追悼集』を出版されています)

実は、私も藤波さんのお人柄に接したことがあります。
時は1983年、場所は米国ニューヨーク。
当時、藤波さんは中曽根内閣の内閣官房副長官、
私は在ニューヨーク総領事館に勤務していました。
米国ウィリアムズバーグで開かれたサミット出席の際、
藤波さんがニューヨークに立ち寄られたときのことです。

ニューヨーク滞在中の藤波さんのお世話を任されたのが私。
晩餐会でのタキシードの着付けを手伝ったのですが、
私のミスで服のボタンを裏表間違えてつけたまま、
藤波さんを会場にお送りしました。
晩餐会の最中そのミスに気づいて、慌てて藤波さんを会場からトイレにお連れし、
トイレで着付けをし直したことがありました。
汗だくの私に対して、藤波さんは叱るわけでもなく、
ことさら何事もないかのように装うわけでもなく、
穏やかで人為的なものを感じさせない自然な振る舞いに
いたく感心したことがありました。

ホテルでも荷造りなどはすべてご自分でなされ、
荷物の整理のお手伝いに部屋に行くと
すでに荷物がきちんと整理されていて、
私たちは何もすることがないといった状態でした。

控へ目に 生くる幸せ 根深汁

俳人でもあった藤波さんの一句です。

 

 

2010年10月25日

ZERO写真展

一つの確かに存在したある瞬間・・・
しかし、これが一枚の写真となって切り取られると、
その写真を通して、いろいろな人がいろいろなことを
感じるものです。

写真はまったくの素人の私ですが、
その写真が発するメッセージは、
例えば被写体が人の場合、
写真を撮られる人の感性×写真を撮る人の感性×写真を見る人の感性
の積になるぐらい豊かなものになるのでしょうか・・・

写真家・大村克巳氏が切り取った NEWS ZERO 。
130枚の写真に込められたメッセージをみなさんの感性で
しっかり受けとめていただきたいと思います。

ちなみに、私にとって思い出深い写真は、
たけしさんと共に、宇宙にいる野口聡一さんと交信する前、
スタッフと一緒になって中腰で画面を指差し、
何か(何を言っているのか忘れましたが)叫んでいる写真です。
あの時の興奮を改めて思い出しました。 

ZERO写真展は、今月31日(日)まで
東京銀座のリコーフォトギャラリー RING CUBE で開かれています。
・入館料無料・火曜日休館
・開館時間11:00~20:00(最終日は17:00終了)

 

 

2010年10月11日

もうひとつのクロスカップリング 京大×霞ヶ関

今年のノーベル化学賞を受賞した鈴木章・北大名誉教授と
根岸英一・米パデュー大特別教授が生み出した「クロスカップリング反応」。
異なる種類の炭素化合物を結びつけて(カップリング)、新しい物質をつくる!
このクロスカップリングの手法によって、液晶や新しい医薬品ができ、
私たちの暮らしはずいぶん豊かになりました。

さて、日本の政策研究の分野でも、このクロスカップリングと同様のアプローチで
新しい日本を考えようとの動きが出ています。
京都大学と東京霞ヶ関の各省庁政策担当者による経済政策シンポジウムです。
京大のアカデミズムと東京霞ヶ関のプロフェッショナリズムとの連携が
どのような化学反応を起こすのか、私は大いに期待しています。

政党のマニフェストは選挙を意識して、
ともすれば長期的視点よりも短期的視点を、
全体的視点よりも個別的視点を強調する傾向があります。
こうした状況下今こそ政策研究に必要なのは、理論に裏付けられた学問的考察と
実務経験に基づく専門的知識との結合(カップリング)なのではないでしょうか。

「京大×霞ヶ関」のクロスカップリング、京都大学CAPS公開シンポジウムでは
私が「政策研究への期待」と題して基調講演を行います。

日時:10月23日(土)13:30~17:10
場所:京都大学百周年時計台記念館メインホール

http://www.kier.kyoto-u.ac.jp/caps/

 

 

2010年10月04日

検察が揺れている

法と証拠に基づき不正をただす検察において証拠の改ざんが行われ、
これに関連にして当時の大阪地検特捜部の幹部らが逮捕されました。
前代未聞の話です。

検察において正義よりも身内の論理、組織の論理が優先するとすれば、
国民は何を信じることができるのか・・。
法治国家としての屋台骨が今大きく揺らいでいるのです。

「我々は偽らず、盗まず、欺かず、我らの中でこれらの行為を行なう者を許さず」
(We will not lie, steal, or cheat, nor tolerate among us anyone who does.)
米軍士官学校の学生綱領に記されている言葉だそうです(注)。

検察が組織の存続ではなく、正義の実行にどれだけ真摯に向き合うか。
検察が今後も検察であり続けるかどうかは、一にこれにかかっているのです。

(注)佐々淳行『平時の指揮官・有事の指揮官』(クレスト社)

 

 

2010年10月01日

中国の人々

私が教鞭をとる関西学院大学の学生から、私に届いたメールです。
本人の了解を得、ここに掲載します。

「この夏、私は大学の長期休暇を利用して、語学研修の為に中国の蘇州という所に一か月(8月4日~9月5日)滞在しました。語学研修の参加が決まった当初、身近に中国に行った方がいなかったこともあり、私の周囲は中国に行く事をあまり喜んではくれませんでした。日本に住んでいて、新聞やテレビを通してみる中国は、どうしても反日感情を持った中国人というイメージがあり、日本人は中国に行っても歓迎されないのではないかと思ってしまいがちです。私の周囲もその例外ではなく、そのことを非常に心配していました。

実際に中国に行き、幅広い世代の中国の方と接する機会を得ました。現地で出会った中国人の大学生は皆日本の文化の知識が豊富で、最新のテレビドラマの話から漫画、ファッションの話など、様々な話をすることが出来、少し話をしただけですぐに打ち解けることが出来ました。又、観光に行った先で偶然カメラ撮影を頼んできた女性は、私が日本人であることが解ると、日本に興味があって勉強したという片言の日本語を交えて、見ず知らずの私に地図を広げておすすめの観光地を教えてくれました。毎日現地の方と接するうちに、老若男女を問わず、何度か過去の戦争の話をしました。しかし、日本で想像していたように、反日感情を剥き出しに話をされたことは一度もなく、むしろ、過去の戦争を踏まえた上でこれからの日本と中国のことを考えようと、前向きな話をすることの方が多かったように感じます。

確かに、日本人が中国人の誰にでも歓迎されていたかというと嘘になります。見学に訪ねた南京では、場所柄ゆえに、日本語を話しているとヒソヒソと話をされることもありましたし、少し嫌な顔をされたこともありました。しかし、誰にだって好き嫌いはあるものですし、そのことを上回るほどの温かい親切と楽しい思い出を中国の人からもらったことも事実です。実際に中国を訪ねて強く感じたことは、メディアを通して考えていた中国とは少し違うということ。私はこの夏の体験を一生忘れないと思います。」

 

 

2010年09月10日

世界に活路を拓く

今の日本経済に危機感を抱く人は少なくないでしょう。
政府の「産業構造ビジョン2010」においても、以下のような現状を示し、
その危機意識を表明しています。
・日本の経済的地位は低下(一人当たりGDP:3位(00年)→23位(08年))
・企業は海外移転の加速を真剣に検討(特に生産機能の移転)
・日本製品のシェアが急速に縮小(液晶パネル:100%(95年)→10%(05年))

このような状況に加えて、
急速に進む少子高齢化や先進国中最悪の財政赤字が、
これからの日本経済に対して、極めて重い負荷をかけ続けていくことになります。
「低迷の20年」と言われてきた、これまでの日本経済。
私たちはどこに活路を見出せばよいのでしょうか?

景気回復が進まない先進国経済の一方で、
いわゆるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)
と呼ばれる新興国が台頭してきています。
縮小する国内市場を越えて、
日本企業の目は新興国経済に向けられているのです。
ところで、日本の輸出依存度が他国に比べて低いことはあまり知られていません
(韓国:54.8%、ドイツ:47.5%、フランス:26.6%、日本:17.4%(08年))。
輸出戦略の練り直しをはじめ、今後の日本経済を考えるうえで、
国際戦略の視点は欠かせません。

新興国経済の成長可能性は?
付加価値を高めるビジネス戦略は?
世界を見据えた官民連携のあり方は?
国際社会で活躍する人材の育成は?

関西学院大学の東京丸の内講座(私が監修を務めます)では、
10月から来年3月までの第3木曜日
時間:18:30~20:30
場所:関西学院大学東京丸の内キャンパス
において、6回にわたり有識者や専門家の方々のお話を聞き、
皆さんとともに日本再生の方策を考えたいと思います。

詳しくは

http://www.kwansei.ac.jp/a_affairs/a_affairs_002647.html

をご覧ください。

 

 

2010年09月06日

午後3時の不安

「3時というのは、何をしようと思っても、常に遅すぎるか、
または早すぎる時刻だ。午後の奇妙なひととき。
今日はそれが耐えがたい」
(ジャン=ポール・サルトル『嘔吐』)
週末、その3時に考えていたのは、この暑さのことです。
暑さによって空気の質感まで変わってしまったような昼下がり。

猛暑も一種の自然災害です。
ただ、アメリカ南東部を襲ったハリケーン・カトリーナ(05年8月)や
中国四川の大地震(08年5月)などと違い、
猛暑は、物理的な強い力で私たちを圧倒するわけではありません。
それは目に見えず、音もなく静かに私たちのところに忍び寄るだけ・・。
それだけに、私たちの危機感や警戒感をあまり刺激することがなく、
じわりじわりと私たちの暮らしを破壊する恐ろしい災害なのです。

自然現象としての猛暑が持つ「静かな脅威」。
経済現象として、猛暑と似た脅威を持つものが財政赤字です。
財政赤字は行政サービスのカットや増税のように、
私たちに直接、痛みを感じさせません。
しかし、その影響はじわりじわりと私たちの暮らしを蝕み、
気がつけば、次世代に破壊的な打撃をもたらすのです。

天候への不安・・、財政への不安・・、
そして危機意識のない政府への不安。

「夜を待つ以外に、もう何もできないだろう」
(ジャン=ポール・サルトル『嘔吐』)
しかし、日が暮れるまでには、まだ時間が・・。

 

 

2010年08月16日

抑止力について考えよう

先週金曜日(13日)のZEROでもお伝えしましたが、
今から6年前の2004年8月13日、沖縄米軍普天間基地の
ヘリコプター墜落事故がありました。
事故から6年が経つのに、普天間基地移設の問題については、
依然として見通しが立っていません。

鳩山前総理は「抑止力の観点から、移設場所について海外・(沖縄)県外は
難しい」と述べましたが、この「抑止力」とはいったい何なのでしょうか。

抑止力について政府の公式答弁(平成22年6月8日)は次の通りです。
「抑止力とは、侵略を行えば耐え難い損害を被ることを
明白に認識させることにより、侵略を思いとどまらせるという機能を果たすもの」

では、例えば、「耐え難い損害」とはどの程度の損害なのでしょうか。
相手国の受け止め方によってもかなり違うでしょうし、
また「明白に認識させる」とありますが、私たちは何をもって
相手国が明白に認識したと判断するのでしょうか。
このように「抑止力」というのは、極めて主観的な概念だと思います。

この「抑止力」の定義から、普天間基地の移設場所について
海外・県外は難しいとの結論がどのようにして導き出せるのでしょうか。
政府は、沖縄の地理上の利点を強調し、種々の事態への迅速な対応が
可能として、アメリカの沖縄海兵隊を抑止力の重要な要素と位置づけています。

この説明で、抽象論としてはともかく、個別具体的な議論になった場合、
基地問題に苦しむ沖縄の人々に対して十分な説得力を持つかと言えば、
私は疑問なしとしません。

もう一度、この「抑止力」について、よく議論すべきだと思います。

 

 

2010年08月06日

臨時国会での議論を聞いて

参院選後初の臨時国会は6日閉会しました。
前回のコラムでも書きましたが、
私は「政治とカネ」の問題について、
もっと前向きな議論が国会で展開されるものと期待していました。

国会の議論の中で、菅さんは財政再建の必要性を強調しました。
私もまったく同感です。
消費税の話は避けて通れません。

ただこの問題を考えるとき、為政者が心しなければならないのは
「足らざるよりも等しからざるを憂う」ということです。
国民はみんなが等しく苦しいのであれば、
それに耐えようとする気運が生まれてくるものです。
国民が耐えられないのは、みんなが苦しい思いをしているなかで、
一部の人たちだけが特権的な扱いを受けることなのです。

私たちは、政治家とカネの問題について、
「政治資金収支報告書に代表者である国会議員自身が署名せよ」
と迫りました。
なにも難しいことを言っているわけではありません。
民間企業であれば、トップが自社の財務諸表に目を通してサインするのは常識です。
政治活動をまじめにやっている限り、複雑な資金経理があるわけでもないでしょうし、
ましてや一年に一回の収支報告書です。
これに目を通さなくてよいという理屈は一体どこから生まれてくるのでしょうか?
私たちには到底考えられないことです。
その理由があるとすれば、私が思いつくのはただ一つ、
先日、検察審査会が指摘したように、
議員が署名しないことによって「私は知らない、すべて秘書がやったこと」
と言い逃れができるのです。

予算委員会でも、野党から「収支報告書に議員署名せよ」
との質問が複数回ありました。
これに対して菅さんの答えは、「国会で議論していただきたい」と繰り返すだけ。

民主党はそのマニフェストの中で、国会の審議を活性化させるため、
一年中国会を開くとしています。
国会で議論しようとしているのに、「国会で議論していただきたい」と答弁し、
その国会もわずか数日間で閉会してしまった菅民主党。
政治とカネの問題、これでケジメがついたとは到底思えません。

 

 

2010年07月19日

東京第一検察審査会の議決(抜粋)

民主党・小沢一郎氏の資金管理団体をめぐる問題で、
検察が出した不起訴処分について、先日、
一般市民11人による検察審査会は、
「不起訴処分は不当である」と議決しました。
以下は、その議決の「最後に」として示された部分の抜粋です。


当検察審査会が、一連の審査を行ってつくづく感じたことは、
政治資金規正法は政治家にとって都合のよい、
いわゆる抜け道が多くあるということであった。
・・・・
政治家自身が、「公開された内容を知らなかった」などと言って
責任を免れることを許さない制度を構築すべきである。
それを達成するために、例えば、収支報告書を提出する際、
宣誓書には、代表者の署名・押印を必要的記載事項とする
などの規定に改正できないかということである。
そうすれば、本件のような会計責任者、同補助者と代表者との
共謀の有無について問題となるような事案は少なくなるはずである。


収支報告書の議員署名については、
ZEROでも「3つのこだわり」として、参院選前に各党に確認しましたが、
これに否定的な回答をした政党は一つもありませんでした。
民主党はじめ各党は、次の国会で、収支報告書の議員署名の実現に
向けて直ちに作業を開始すべきです。

(参考)今年2月8日の当コラム「見ていない。任せている」

 

 

2010年07月04日

紫陽花、カント、サティ

紫陽花が映える梅雨の季節、週末は読書でした。

①マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』(早川書房)
②夏樹静子『裁判百年史ものがたり』(文藝春秋)
③澤昭裕『エコ亡国論』(新潮新書)

それぞれ政治哲学、日本の司法制度、地球温暖化問題について
示唆に富む本だと思います。
特に私の興味を引いたのは、
①では、難解なカントの考えが分かりやすく整理されており、
②では、大津事件の司法史な意味合いを改めて知ることができ、
③では、元通産官僚の澤氏ならではの現実的な政策が提案されている、
点でした。

因みに、柄に合わないと思われるかもしれませんが、
静かな雨の日に聴くエリック・サティはいいと思いました。

 

 

2010年06月28日

6月23日の沖縄

6月23日は、沖縄で旧日本軍による組織的な戦闘が終わった日、
「慰霊の日」です。
この日、私は沖縄にいました。

戦争で多くの犠牲者を出し、そして今もなお、
米軍基地の問題などで重い負担を強いられている沖縄。
私を含めて多くの日本人は、沖縄の人たちの苦難を
「私たちの問題」として真剣に受け止めているのだろうか・・・
改めて考えさせられました。

戦中戦後の混乱で義務教育を受けることができなかった人たちのために、
夜間中学「珊瑚舎スコーレ」を開設している星野人史さんの言葉、
「困難に直面している隣人に寄り添うことができるかどうか。
そのためには、私たちに想像力がどれだけあるかが問われている」
が今でも強く印象に残っています。

私たちがその想像力をしっかりと持つためには、
過去そして現在の沖縄を知ることが必要なのです。

 

 

2010年06月07日

菅さんが目指す国民主権国家について

第94代内閣総理大臣に指名された菅直人氏。
改めて菅さんの『大臣 増補版』(岩波新書)を読みました。
菅さんは、自民党時代の「官僚主権国家」を
「国民主権国家」にすると述べています。
国民主権国家を目指すというその方向に、私も異論はありません。

ただ本当の国民主権国家は、
選挙において政党は「何をやるのか」を国民にしっかりと説明し、
政権の座についたら、それを誠実に実行しなければいけません。
有権者の意思のみが最終的にこの国を動かすことができるのです。
これが国民主権の意味なのです。
この点、鳩山政権は選挙で国民に約束したことと
実際に行ったことに大きな乖離がありました。
これでは国民主権国家とは言えません。

参院選を控え、菅政権は「何をやるのか」を国民にきちんと説明し、
選挙後はそれを確実に実行してほしいと思います。
そうでなければ、選挙は有権者が国民主権を実現する場ではなくて、
政党が有権者の票を集めるテクニックを競う場になってしまいます。

 

 

2010年05月17日

政治家の言葉と国民主権

二転三転する鳩山総理の言葉に
不安を感じる人は少なくありません。
私は、総理の言葉にこだわりたいと思います。

私たちの憲法には「主権が国民に存する」と書かれています。
つまり、国民が主権者であって、この国のあり方を決め、
この国を動かすのは国民であると宣言しているのです。

ではどうやって、私たちはこの国を動かしているのでしょうか。
選挙において、私たちは政治家が語る言葉を聞き、
そして私たちの考えを実現してくれると思う人に投票し、
その人にその実行を委ねているのです。

ですから、私たちの考えに沿ってこの国が動いていくためには、
まず政治家が私たちに語った通り、行動しなければなりません。
その政治家の言葉、とりわけ総理の言葉が信用できないとしたら、
私たちは国民主権を実現する術を失ってしまうのです。

 

 

2010年05月10日

リーマンショックからギリシャショックへ

2008年秋、アメリカの大手証券会社リーマン・ブラザースの
経営破綻に端を発した世界的な金融危機以降、
世界の景気は一気に落ち込みました。
いわゆる「リーマンショック」です。

多くの企業が倒産し、失業者が増大する深刻な状況を受けて、
日本を含め各国の政府はどのような経済政策を採用したのでしょうか。
不景気で税収が減るなか、失業対策としての給付金、
雇用対策としての公共事業など財政支出を大きく増やしました。
その結果、各国政府の財政は大幅な赤字となり、
多額の国債を発行(借金)せざるを得なくなったのです。
日本も今年度の一般会計予算の国債発行額は44兆円と、
税収の37兆円を大きく上回る異例の事態となりました。

このことを別の表現を用いて言えば、
政府は財政を赤字にすることによって、民間企業の赤字を肩代わりしたのです。
つまり民間の経営破綻リスクを、財政赤字によって政府が引き受けたのです。
このおかげで世界の景気は緩やかながら、回復の兆しを見せ始めていました。

民間の経営破綻リスクは確かに小さくなりつつあったのですが、ここに来て
そのリスクを引き受けた政府の財政破綻リスクが表面化してきました。
その国はギリシャでした。
2009年のギリシャの財政赤字は対GDP比で13.6%と異常に膨らみ、
ギリシャの国債の信用度は著しく低下しました。
こうなると誰もギリシャの国債を買わなくなり、
いずれギリシャはその債務を返済できなくなってしまうでしょう。
国家財政の破綻です。

そこで今、ギリシャが加盟しているEU諸国などは、
ギリシャに対する緊急融資などの支援策に向けて精力的に動いています。
一方ギリシャは、公務員の給与カットや増税などの財政再建策を打ち出しました。
この財政再建策に国民が猛反発し、死者が出る暴動が起きるなど
事態は深刻化しています。

「ギリシャショック」、このような財政破綻が
ギリシャ一国に止まる保証はどこにもありません。
リーマンショックからギリシャショックへ・・・
今世界経済は、民間の経営破綻から政府の財政破綻へと、
その様相を大きく変え始めているのです。

 

 

2010年04月26日

サンゴを植える

先週ZEROでも紹介しました映画「てぃだかんかん」。
沖縄でサンゴの養殖、移植、そして人工での産卵に成功した
金城浩二さんの実話に基づき、岡村隆史さん、松雪泰子さんらが
熱演しています。

山に木を植えるように、海にサンゴを植える。
言われてみれば、なるほどと思いますが、
この金城さんの発想、私にはとても斬新に感じました。

森の木によって動植物の生態系が豊かになるように、
海のサンゴによって海の生物の多様性が広がるのです。

ギリシャに、こんなことわざがあるそうです。
「その木陰を見ることはないのに、なぜ人は樹を植えるのか?
なぜなら、人は未来を見るからだ」

きっと金城さんには、沖縄の海の未来が見えているのです。

 

 

2010年04月19日

R と L の違い

私もそうなのですが、日本人にとって
英語を正しく聞き、正しく発音することは決して容易ではありません。
たとえば「R」と「L」。
難しいですね。

「Leader」と「Reader」、私たちには同じ「リーダー」に聞こえます。
ところが、前者の「Leader」は、指導者、文字通りリーダーですが、
後者の「Reader」は、読む人です。

ところで、「Read」には、人の心や顔色を読む、という意味もあります。
相手を慮り過ぎて厳しいことが言えず、
なかなか決断ができないのでは困ります。

「Leader」と「Reader」、同じ「リーダー」ですが、意味は大きく違うのです。

 

 

2010年04月05日

桜の季節に思う

世の中にたえて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし
(在原業平)
桜を見ると、やはり心は躍ります。
東京千鳥ヶ淵の桜は今年もきれいでした。

さて、桜の季節は、卒業の季節、入学の季節でもあります。

小林麻央さんが3月末にZEROを卒業されました。
小林さんのいないZEROは考えられないほど、
その存在感はとても大きなものがありました。
野球で「一球入魂」という言葉を聞きますが、
ZEROの小林さんはいつも真剣で、
オンエア中の小林さんに私は「一瞬入魂」の気迫を感じていました。
3年半、本当にお疲れ様でした。

そしてバイオリニストの宮本笑里さんが4月からZEROに加わりました。
コンサート演奏では最初の音、第一音がとても大切とのこと。
その意味では、宮本さんのZERO初日は順調な滑り出しだったと思います。
これからのキャスターとしての活動に期待しています。

大きな節目を迎えたZEROですが、
私もZERO初日(2006/10/2)のあの緊張を忘れず、
これからもみなさんにニュースを伝えていきます。

 

 

2010年03月15日

政権交代で何が変わるのか

昨年8月30日の総選挙。
有権者は「政権交代」を選びました。
そして今、日本の政治をめぐる風景は大きく変わろうとしています。

郵政民営化の見直しをはじめとする「民から官へ」の流れ。
2010年度一般会計当初予算の規模は過去最大となりました。
市場に対する政府のスタンスは規制に傾き、大きな政府を目指す
ベクトルが働いているかに見えます。

事務次官会議は廃止され、
省庁の政策決定は大臣、副大臣、政務官の政務三役が握ります。
官僚に対する政治のスタンスは、脱官僚依存です。

外交にも変化が起きています。
沖縄普天間基地の移設をめぐって、日米関係は軋みはじめました。
一方、中国に対しては、小沢幹事長はじめ民主党議員が大挙して訪中し、
鳩山総理は「東アジア共同体」を唱えています。

そのなかで、鳩山総理、小沢幹事長について政治とカネをめぐる問題が
指摘され、これについては「民主党よおまえもか」の感をぬぐえません。

新政権が発足して半年余りが過ぎましたが、出だしは必ずしも順調とは言えません。
鳩山内閣の支持率は下降の一途をたどっています。

厳しい雇用情勢のなか、有効な成長戦略を打ち出せるのか?
巨額の財政赤字を抱えて、財政再建の道筋を立てられるのか?
今までの日本外交の基軸であった日米関係をどうするのか?
台頭する中国にどう向き合うのか?

政権交代で何が変わるのでしょうか?
夏には参院選があります。

関西学院大学の東京丸の内講座(私が監修を務めます)では
4月から9月までの第3木曜日
時間:18:30~20:30
場所:関西学院大学東京丸の内キャンパス
において
6回にわたり、国会議員や有識者の方々のお話を聞き、
これまでの新政権の歩みを検証し、これからの日本を展望します。
詳しくは
http://www.kwansei.ac.jp/Contents?cnid=5584
をご覧ください。

 

 

2010年03月08日

湯川中学校のみなさんへ

生徒の皆さん、島田校長はじめ先生の皆さん、
そして保護者の方々にお会いすることができ、
皆さんのお話を直接お聞きして、またひとつ、
今の日本を自分の体で感じることができました。
本当にありがとうございました。

ZEROでは、シリーズ「ありのままの、公立中学。」として、
北九州市立湯川中学校で今何が起きているか、
を長期にわたってお伝えしています。

先週、私はその湯川中学校へ行き、
全校生徒の皆さんとお話しする機会をいただきました。
ZEROではTVカメラの前で話す私ですが、
生徒一人ひとりの瞳に向かって話したときは、
また違った緊張感が体を走りました。

ZEROのこと。
バンクーバー・オリンピックのこと。
約束を守るということ。
私の中学時代のこと。
自分の道を見つけること。
いろいろ話しましたが、生徒の皆さんに私の気持ちが通じたかどうか・・。

ただ生徒の皆さんの気持ちは、私なりに感じることがたくさんありました。
その真剣さ、その明るさ、そしてそれを表に出すことへの戸惑い・・・
あの生徒たちの眼差しの中に、私は40年前の自分を見つけた思いでした。

私たちの取材に応じてくださった湯川中学校。
「たとえ課題や問題があってもありのままの姿を見てもらう」
この姿勢は並大抵の覚悟では貫けません。
どんな組織にも、どんな社会にも、
「喜び」があり、「悩み」があり、「夢」があります。
そして湯川中学校には、問題解決にあたって逃げない「勇気」もありました。

 

 

2010年02月22日

全体の奉仕者

国家公務員に関心をもつ学生の参考になればと、
私が教鞭をとる関西学院大学では、毎年この季節に、
中央省庁の人事担当者の方々を招いて
「霞ヶ関セミナー」を開催しています。
今年も70名を超える学生が上京し、
外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、
環境省および参議院事務局からお話を聞くことができました。

私もこのセミナーで学生たちに講演をしました。
私の公務員(大蔵省)時代の体験を語るなかで、
「自分はどっちを向いて仕事をしているか、を常に意識せよ」
ということも話しました。
「どっち」というのは、国民なのか、
それとも大臣を含めた上司なのか、ということです。

今回は、このことについて少し触れてみたいと思います。
日本国憲法には、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、
一部の奉仕者ではない」と書かれています。
ただ、私も経験がありますが、官僚として仕事をしていると、
国益よりも、特定の省庁の省益や特定の政党の党益を優先して
いろいろな圧力がかかることがままあります。
場合によっては、そのことで上司や政権幹部と衝突するかもしれません。
上司の命令に従うか、自分の考えを貫くか。
そのときの判断基準は、誰が国民のほうを向いているかどうか、
すなわち「全体の奉仕者」として行動しているかどうか、だと思います。

もちろん議院内閣制の下で働く公務員である以上、
与党の大臣の指揮命令に服するのは当然のことです。
しかし大臣の指示だから、上司の指示だからと、これをただ「ハイハイ」と
聞いているだけでは、役所全体が思考停止に陥りかねません。

この問題は最終的に、全体の奉仕者として国民に向かって説明責任を
果たせるかどうか、に行き着くのではないかと思います。
その意味でも、大臣から一人ひとりの職員まで、国民の目を意識して
仕事をしてもらうためには、役所の可視化つまり情報公開制度の充実
が必要なのです。

19日、政府は国家公務員制度の改革法案を国会に提出しました。
官僚に対する国民の目は厳しいものがありますが、改めて
「全体の奉仕者としての公務員はどうあるべきか」
「政と官の役割分担についてどう考えるか」
などさまざまな見地から議論を深めてほしいと思います。

 

 

2010年02月08日

「見ていない。任せている」

先日、国会で野党議員から
「自分の政治資金管理団体の収支報告書を見ているか?」
と問われ、鳩山総理をはじめ何人かの大臣が
「見ていない」とか「秘書に任せている」と答弁していました。

これを聞いて私はあきれると同時に、
なぜ大臣たちは臆面もなく「見ていない」と答えるのだろうか、
と不思議に思い、実際の収支報告書をチェックしてみました。
そして驚きました。

実は、この話は1月26日夜の NEWS ZERO で指摘したのですが、
なんと資金管理団体の代表者である政治家は、
収支報告書を見なくてもいいように、
報告書の様式が工夫されているのです。

収支報告書の最後のページを見ると、
「この報告書は、政治資金規正法に従って作成したものであって、
真実に相違ありません」と書いてあり、その下に日付け、そして
会計責任者の氏名と代表者の氏名を記入する欄があります。

ところが、代表者の氏名の欄のところには、
「(政治団体の)解散年の収支報告書のみ記入すること」
と記されているのです!
つまり、毎年の収支報告書には、
代表者である政治家の署名は要らないのです。

これであれば、「私は見ていない」とか「秘書に任せている」
と言い逃れしても許されるわけですね。
政治資金については税制上の優遇措置もあり、
納税者の立場からみて到底容認できるものではありません。

収支報告書に記されている
「代表者については解散年の収支報告書のみ記入すること」
の記述は直ちに削除して、政治家自身が毎年の収支報告書に
直筆できちんと署名すべきです。

そうすれば、政治家は少なくとも「私は見ていない」
という言い逃れは今後できなくなるのです。

 

 

2010年02月01日

Yes

画廊に入ると白い脚立があり、その天井には絵が貼ってあって、
虫めがねがぶらさがっていた。
僕は脚立にのぼって、虫めがねでのぞいてみた。
絵には小さな文字で「Yes」と書かれていた。・・・
僕は「これはいけるぞ、心温まる気持ちにさせてくれる
初めての美術展だ」と思ったんだ。

オノ・ヨーコさんのアートに触れたジョン・レノン。
これが二人の出会いとなりました。

先日、さいたま市にあるジョン・レノン・ミュージアムに行きました。
音楽と芸術そして言葉によって、ジョン&ヨーコの世界を体験できます。

「イマジン」の曲が流れるなかで、
「WAR IS OVER ! IF YOU WANT IT(戦争は終わる。あなたが望むなら)」
のポスターを見たとき、
こんなにソフトなやり方でこんなにハードな意志を伝えることができるのか、
と改めて、アートの力を感じました。

晩年のジョン・レノンは本当にいい顔をしていますね。

ミュージアムのファイナル・ルームにはジョン・レノンからのメッセージが・・
そのなかの一つを紹介します。

心を開いて「イエス」って言ってごらん
すべてを肯定してみると
答えがみつかるもんだよ

ジョン・レノン・ミュージアム
素直に、来てよかった!と思いました。

(注)ジョン・レノン・ミュージアム・プログラムを参考にしました。

 

 

2010年01月25日

邯鄲(かんたん)

先日、能「邯鄲(かんたん)」を観ました。
能は、ある意味ミニマリズム(minimalism)、最小限の芸術
と言ってもいいところがあって、それだけに逆に
観ている私たちの想像力が刺激されます。

邯鄲は中国の地名。
女主人の営む宿で、若者が不思議な枕を借りて
栄華を極める夢を見るのですが、
それはひとときの夢にすぎなかったというお話です。

「邯鄲の夢」と言えば、何事も一睡の夢として、
人生のはかなさ、世の無常をいうたとえになっています。
「粟の飯ができて候・・」と寝ている若者を起こす、
宿の女主人・野村萬斎さんが印象的でした。

何事も一睡の夢、だからこの世をどう生きるのか・・・。
役者が去り、空となった能舞台。
その舞台を見つめる私たちの思いはさまざまです。

 

 

2010年01月11日

K君、まだまだこれから・・

K君お手紙いただきました。
メールではなく、直筆で綴られた君の思いは
私に十分届きました。

卒業を控えて、君のやる気を認めてくれる職場が
まだ見つからない・・・。
君の焦りは痛いほど分かりますし、もし私が君の立場だったら
おそらく私も君と同じ不安に駆られるでしょう。

ただ今回の不況は、並大抵のものではありません。
就職を希望する若者にとって、今はまさに氷河期の真っ只中。
就職がうまくいかないからといって、
自分のせいだと自分を責めてはいけません。

これほどの不景気であれば、
もうこれは個人一人ひとりの問題ではなくて、
社会全体で受け止めなければならない問題なのです。

特に、就職に際し新卒者の一括採用が多い日本では、
卒業の年によって学生の運不運が大きく出ます。
このような社会はフェアではありません。
社会がつくり出した不幸は、社会が解決しなくてはいけません。

22歳の君にとって、今は確かに辛い「冬」の季節だと思います。
しかしK君、人生はやはり長い!
54年間を生きた私の実感でも、22歳は野球で言えばまだ2回裏。
ヒットもホームランも出ます。
その順はともかく、君にも「春夏秋冬」は必ず訪れると私は信じます。

「不景気でも決してうろたえず、ヒマはヒマで仕方がないと割り切って、
この際もう一度機械の手入れに励む会社が伸びる」
と言ったのは松下幸之助さんでした。
これは会社経営についての心得ですが、人間も会社と同じで、
逆境に陥っても右往左往せず、「時を待つ」勇気が必要。
その時が来るまではひたすら自分を磨け、ということだと思います。

K君、まだまだこれから・・ です。

 

 

2010年01月05日

毛糸の手袋

明けましておめでとうございます。

みなさんのお正月はいかがでしたか?
今年は雪が多く、
ホワイトクリスマスならぬ白銀のお正月を迎えた方も多かったのではないでしょうか。

童謡の「雪」では、雪が降ると、
犬は喜び庭かけまわり、猫はこたつで丸くなりますが、
子供時代の私は「犬派」でした。
友だちとよく校庭で雪合戦をやったものです。
雪玉をぶつけられた痛い思いとともに今でも私が思い出すのは、
毛糸の手袋の心地よい温もり。

そう、毛糸の手袋をすると手指だけでなく、
心がなんとなく暖かくなったような気になります。
ティーポットを包む保温用のカバーは cozy ですが、
その cozy には、暖かくて気持ちがよいといった意味もあります。
毛糸の手袋って本当に cozy ですね。

今の季節、雪や風だけでなく、
不況などで世間の厳しい風も吹き荒れています。
この時期、「年越し派遣村」に関心が集まるということは、
これまでの私たちの社会には、今のような辛いときに備えた
「毛糸の手袋」がなかった証しなのかもしれません。

さて、今年は寅年。
虎といえば、「前門の虎、後門の狼」ということわざがあります。
一つ災難を逃れても、すぐにまた別の災難に遭遇してしまうたとえです。
今年も内外ともに前途多難な年になりそうですが、
ZEROではいろいろな問題について、
皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

どうか本年もよろしくお願いいたします。

 

 

2009年12月21日

2010年名古屋から

このまま行けば、将来訪れるであろう破局にうすうす気がつきながらも、
今それを回避するために払わなければならない犠牲があまりにも大きいと、
人々は将来の破局を受け入れてしまうのではないか。

こんな思いを深くしたCOP15の結末でした。
地球温暖化を防ぐために、京都議定書に代わる新しい枠組みをつくろうと、
世界のリーダーたちがデンマークのコペンハーゲンに集まりました。
しかし、そのCOP15では各国の利害が対立し、
温室効果ガス削減について意味のある合意はできませんでした。

実は気候変動の問題だけでなく、国際的には核兵器廃絶の問題や、
国内的には財政赤字削減の問題を考えるとき、
私たちは、今面倒なことは先送りして、
なるべく将来の破局について考えないようにしているのではないか、
そんな懸念を私は強く抱くのです。

さて、先週金曜日(12/18)のZEROでも触れましたが、
来年は「生物多様性」について考える年です。
私たちの暮らしは多種多様な生物に支えられていますが、
人間の活動が大きくなっていることもあり、
今、生物の種類の数がどんどん減っています。
環境省も「すべてのかけがえのないいのちを守り、
その恵みを受け続けていけるように、
今、行動することが必要」と呼びかけています。

世界の動きを見ると、
1992年5月に「生物多様性条約」がつくられました。
昨年10月時点、日本を含む190カ国がこの条約に入り、
世界の生物多様性を保全するための具体的な取り組みが検討されています。
そして来年10月、第10回目の会議(COP10)が日本の名古屋で開催されるのです。

人間は短期的な困難を乗り越えて、
希望のある未来に向けて歩むことができる。
そんなメッセージを名古屋から発信することができたら、と思います。

 

 

2009年12月14日

再生への道

不況の波が押し寄せるなか、
経営危機に追い込まれる会社が相次いでいます。
こうした状況のなか、皆さんは経営破綻に陥った会社
のニュースをよく耳にされることと思います。
辛い話なのですが、今回は皆さんの参考にしていただくため、
会社の倒産処理の手続きについてお話します。

まず、処理手続きは大きく分けて2つのやり方があります。
ひとつは、裁判所において手続きを進めるやり方で、
もうひとつは裁判所の手を借りずに行なうやり方です。
前者を「法的整理」、後者を「私的整理」といいます。

私的整理ですが、これだと関係者だけで話が進められるので
手続きがオープンにならず、その会社に対する風評被害を防ぐ
ことができるという利点はありますが、一方でその会社に
お金を貸している債権者など全員の合意を得る必要があります。

他方、法的整理ですが、これは裁判所の監督の下に、
オープンなかたちで法律に沿って手続きを進めるもので、
債権者全員の同意を必要としません。

さて法的整理にも2種類あり、ひとつが「清算型」で、
もうひとつが「再建型」です。
「清算型」は、文字通り会社を清算してしまいます。
会社は事業活動をストップし、残りの財産は債権者に分配されます。
こうした手続きは「破産法」などの法律に定められています。

そして「再建型」ですが、この場合会社は再びトライする機会
を与えられ、今までの財産を持ちながら事業活動を継続します。
債権者は持っている債権の一部を放棄しなければいけませんが、
残りの債権については、将来の会社からの収益によって
返済されることを期待できるのです。
こうした手続きは「民事再生法」や「会社更生法」に定められています。

ところで今、問題となっている日本航空の再建について、
「事業再生ADR」という言葉を目にした人も多いと思いますが、
ADR は、Alternative Dispute Resolution の略で、
「裁判外紛争解決手続」を意味し、私的整理の一種です。

これは、法的整理をすると時間がかかり、倒産の噂も広まりかねないこと、
他方、従来の私的整理だと債権者の意見がまとまりにくいこと、
この両者のデメリットを解消するために考え出された手続きです。
裁判所に頼ることなく、専門的な知識を持つ公正な第三者が関わって、
その解決を図るものです。

恒例となった、今年2009年の漢字は「新」でした。
「清算」にしても「再建」にしても、
新しい日本をつくるためには避けて通れない道なのでしょうか。

 

 

2009年11月30日

地球カレンダー

地球46億年の歴史を1年のカレンダーに縮小すると・・・

参議院議員の中川雅治さん(私が大蔵省理財局に
勤務していた頃、中川さんは私の上司でした)は、
環境問題を語るとき、この地球カレンダーのお話をよくされます。

1月1日午前0時          地球誕生
2月9日                海と陸が形成
3月21日               単細胞生物出現
9月27日               多細胞生物出現
11月23日              魚類出現
12月11日              恐竜出現
12月16日              哺乳類出現
12月19日              鳥類出現
12月26日午後8時17分      恐竜絶滅
12月31日午後2時30分      人類の祖先出現
12月31日午後11時59分58秒  産業革命

中川雅治「22世紀へのメッセージ」(大成出版社)より

生物が生まれるまで2ヵ月半余り。
単細胞生物のみの期間はおよそ半年間。
12月以降生物の進化が加速。
恐竜の生存期間はおよそ16日間。
人類の登場は大晦日、わずか10時間弱前。
産業革命以後CO2大量排出期間はわずか2秒間。

今、世界の関心事は「気候変動」や「核兵器の廃絶」ですが、
「温室効果ガス」や「核兵器」はいずれも人類がつくり出したもの。
ほんのわずかな時間のうちに人類がつくり出したものによって
人類の生存が脅かされているのです。
人間の活動の途方もなさに驚くとともに、
地球にとって人類とは何なのか、改めて考えさせられます。

皆さんはこの「地球カレンダー」に何を思うのでしょう。

 

 

2009年11月16日

夕陽が沈む

今夜のZERO、何についてどのような切り口から話すのか・・・
スタッフとの議論の合間をぬって、ふっと目を窓の外にやると、
きれいな夕焼けのなか、
オレンジ色をして沈む夕陽が見えるときがあります。

高い失業率、過疎化が進む地方、膨らむ財政赤字・・・
そんな話が続くと、落日を見て日本の将来を思ってしまいます。

一方で、イギリスの経済誌 The Economist が、
「見えないが、なくてはならない」として日本の中堅企業が持つ
世界最先端の技術に関する取材記事を掲載したり、
そして!ヤンキースの松井秀喜選手がワールドシリーズでMVPに輝くと、
私などは「まだまだ、日本もこれからだ!」と元気を取り戻すのです。

苦境を耐えることこそが、将来の飛躍への準備そのものかもしれませんね。
地球上のある地点で「沈む夕陽」は、別の地点では「昇る朝日」なのです。

 

 

2009年11月09日

民主党の答えが聞きたい

鳩山内閣のもとで初めての国会論戦が始まり、
いよいよこれから民主党の政策が本格的に
吟味されていくことになります。

こうしたなかで、民主党の政策に対する具体的な批判、
反論が出てきました。
今回は、そのうちの2つの論文を簡単にご紹介します。
一つは、宮川公男氏(財団法人統計研究会会長)の
『高速無料化は愚策』(WEDGE10月号)。
もう一つは、澤昭裕氏(21世紀政策研究所研究主幹)の
『鳩山演説の払った犠牲』(WEDGE11月号)。
宮川氏についても、澤氏についても、
私はその考えを直接ご本人から聞くことができましたが、
それぞれの意見には説得力がありました。

まず、宮川氏は、民主党の高速道路無料化は愚策であるとして、
時間短縮の効用を受ける利用者が料金を負担するのが筋だ、
と主張しています。
宮川氏は、鉄道と道路の料金体系を整理比較しながら、
鉄道の特急料金や道路の高速料金は「追加的」料金であり、
それは普通列車や一般道路よりも高速の移動を選好する人の
自由な支払い意思に基づく受益者負担分であると述べています。
そして、無料化は高速走行の受益者である高速道路利用者から、
非利用者も含めた国民全体へと負担を転嫁するだけであり、
合理的な受益者負担原則から外れると論じています。

次に、澤氏は、鳩山総理が国連で行なった、
温室効果ガス25%削減構想(1990年比)に疑問を投げかけています。
澤氏は、鳩山演説は確かに各国から高い評価を得たが、
それと引き換えに大きな犠牲を3つ払った、と述べています。
①政治家のトップダウンで決めた25%削減だが、
 今まで日本が進めてきた手法、即ち、個別の産業ごとに
 コストを考えながら削減可能な数値を積み上げるボトムアップ手法を
 放棄してしまった。
 では、トップダウンで決めた以上、鳩山内閣は
 相手国に譲歩を迫る具体的な戦略を持っているのか?
②「公平かつ実効性のある国際的枠組み」の中で決めると言うが、
 「公平」の基準が曖昧だ。
 エネルギー効率がすでに世界最優秀である日本にとって
 25%削減は非常に厳しいもの。どのような「公平」の基準でもって、
 先進国に何を求め、途上国をどのように巻き込んでいくのか?
③IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の経済モデルによれば、
 温室効果ガスを削減すればするほど、経済にはコストがかかり、
 経済成長が抑制されることが明らかになっている。
 25%削減は、技術開発だけで達成できる目標ではなく、
 経済活動の規模を縮小しなければならない。
 また国民の負担がいくらになるのか、未だその影響も示されていない。
 鳩山政権は、こうした点を国民に説明して、幅広い合意を得るべきだ。

以上、宮川氏と澤氏の考えについて私なりにまとめさせていただきましたが、
さて、民主党はこれらの意見にどのように答えるのでしょうか?
一度じっくりと聞いてみたいものです。

 

 

2009年10月26日

民主党が見えてきた

政権を担当して1ヶ月あまりが経ち、
民主党の姿がほのかに見えはじめてきたように思います。
・反市場主義
・反官僚主義
・親アジア主義
このような点が民主党の輪郭を形成しているのではないでしょうか。

反市場主義については、
郵政民営化の見直し、中小企業の借入金の返済猶予、
そして来年度の政府予算では過去最大の予算要求を認めるなど、
「民から官へ」、「大きな政府」を志向するとも受け取れる政策が目立ちます。
これはこれで、ひとつの考え方だとは思います。
ただ、そうであれば、大きな政府を支える財源について
民主党は具体的なアイデアを示さなければなりません。
子ども手当を支給して、その財源は借金だとしたら、
そのお金は子どもたちが将来返さなければならないのです。

反官僚主義については正しい方向だと思います。
民主党政権では、「政治主導」のもと、
大臣、副大臣、政務官の政治家が中心となって
役所の仕事を進めています。
この点で私が懸念するのは、政治家が役所に乗り込んで
事務を執れば執るほど、「政治家の官僚化」が進みかねないことです。
政治家がテクノクラート(専門家)になる必要はなく、
政治家は本来「賢明なアマチュア」であるべきです。
国会議員の主戦場である国会の委員会の場で、
あるいは本会議場で、内閣の考えについて大所高所から
裁断を下していくことこそが、国会議員の本分だと思います。

親アジア主義については、
鳩山総理は「東アジア共同体」構想を打ち出しました。
確かに日本は、中国をはじめアジアの国々とこれまで以上に
仲良くしていかなければなりません。
ただ日本がアジアへとその軸足を移せば移すほど、
日本に対するアメリカの懸念や反発は増大していくでしょう。
今後の対米関係、対中関係には微妙な間合いやバランスが
求められるでしょうが、これを民主党政権はうまくできるかどうか、
私も大いに気になるところです。

さて、民主党の姿がおよそこのようなものであるのなら、
一方の自民党は「市場主義」「小さな政府」「親米」を掲げて、
党の再生を図ってもらいたいと、私などは考えます。
有権者にとって、政策の選択肢がないことほど不幸なことはなく、
また国家の危機管理の観点からも、政策面において
複数の避難ルートを確保しておくことが必要なのです。

 

 

2009年10月12日

HDIって何?

その国の豊かさを見るとき、私たちはよくGDP(国内総生産)
の数値に注目します。GDPとは要するに、その国が1年間に
どれだけ経済的な富を産み出したのか、という数字です。
「日本は世界第2位の経済大国」というとき、このGDPが
アメリカに次いで2番目ということなのです。
ただし、中国に抜かれて第3位に転落するのは
時間の問題なのですが・・。

ところで、その国に住む人が「質の高い暮らし」を
享受しているかどうかは、このGDPという物差しだけでは
測ることができません。
先日、国連はHDI(Human Development Index : 人間開発指数)
という指数を公表しました。
1990年から毎年公表している数字なのですが、
国連は、このHDIは国ごとの人間開発の達成度をまとめて示す指標
と説明しています。

HDIは、以下の3つのデータを組み合わせて一つの数字にした指数です。
①平均寿命・・・健康で長生きできる
②識字率・学校教育の就学率・・・教育を受けることができる
③一人当たりGDP・・・人間らしい水準の生活を送ることができる
この3つのデータを1~0の間の数字に指数化し、
それを単純平均したもので、数字が1に近いほど良いのです。

GDPが暮らしを金銭的な量だけで測った物差しであるのに対し、
HDIは生活の質にも配慮した物差しであると言えます。
さて、このHDIで測った日本ははたして何位なのでしょうか?
答えは10位。

 

1位はノルウェー(0.971)、2位オーストラリア、3位アイスランド、以下
カナダ、アイルランド、オランダ、スウェーデン、フランス、スイス
そして日本(0.960)が続きます。(2007年時点)

ところで、HDIの3つのデータのほかに、例えば、
「労働時間数」、「犯罪発生率」、「一人当たり温室効果ガス排出量」
などを加えると、もっと興味深い指数ができあがるでしょう。

日本も名実ともに「経済大国」から
「生活大国」への転換を図らなければなりません。

 

 

2009年10月05日

9月のニューヨークで

9月のニューヨーク。
国連総会の議場を見渡せるプレスの傍聴席にいると、
いろいろなことが見えてきます。
とりわけ議場で繰り広げられる世界のリーダーたちの
人間模様には興味深いものがありました。

そこにはビジネススーツだけではなく、
アフリカや中東の民族衣装をまとう人たちがいて、
各国首脳の演説の合間に、所々で人が集まり会話が始まります。
仲良しグループがあったり、一人毅然としている人もいたり、
さながら学校の昼休みの教室を思い出すような光景です。

そのなかで目を引いたのが、リビアの最高指導者カダフィ大佐でした。
欧米社会から厳しい目で見られているカダフィ大佐、
演壇に上がると延々96分自説を開陳。
なかにはうんざりして議場を去る代表団もいましたが・・。

安全保障理事会・常任理事国の特権的地位を批判したり、
アメリカのイラク侵攻を批判したり・・・、カダフィ大佐の主張は
確かに言いたい放題の感は否定できませんでしたが、
それでも一理あると頷くところもありました。

同じく欧米社会から警戒されているイランのアハマディネジャド大統領。
私は大統領と直接話をすることができましたが、
インタビューの前と後では、彼に対する印象はだいぶ変わりました。
彼の考えに同調することはできませんし、タフな交渉者だとは思いますが、
物腰は柔らかで少なくとも話はできる人との印象を持ちました。

私たちはともすれば欧米のメディアからの情報に頼りがちで、
欧米社会の視点から世界を見てしまうことが少なくないのですが、
それはそれである種のバイアスがあると認識しておかなければなりません。

どうしてカダフィ大佐は吠えるのか?
どうしてアハマディネジャド大統領は欧米を鋭く批判するのか?
私は彼らに同意することはできませんが、
彼らを批判する前に、一度その生の声を聞き、私たちの頭で
その主張を咀嚼することは大切だと思います。

オバマ大統領や鳩山総理の演説を聞き、
世界は新しい方向へ動き出したと感じる一方で、
対立し反発しあう世界の現実を見た国連総会でした。

 

 

2009年09月14日

変革期にある司法

国民が裁判に参加する裁判員制度が5月21日から始まり、
司法が私たちにより身近なものになりました。
裁判員制度については、今でも
「法律の専門家でない人たちが参加して大丈夫?」
「私に人を裁く能力や資格があるのかしら」
といったいろいろな心配や不安の声が聞かれます。
いったい裁判員制度は何を狙いとして、なぜ導入されたのでしょうか?

裁判員制度をはじめ、今、日本の司法は大きく変わりつつあります。
今までの司法には、たとえば裁判に時間がかかりすぎるといった批判、
最近ではいわゆる「足利事件」などにおける冤罪の問題、
これに関連して警察や検察の捜査・取調べ等のあり方、
などさまざまな問題が提起されてきました。

司法が直面する課題は少なくありませんが、
これに対して日本の司法はどのように応えようとしているのでしょうか?

このような問題意識に基づいて、
関西学院大学の東京丸の内講座(私が監修を務めます)では、
10月から来年3月までの毎月第3木曜日
時間:18:30~20:30
場所:関西学院大学東京丸の内キャンパス
において
6回にわたり、裁判・司法制度に関する専門家のお話を聞き、
これからの司法制度や裁判のあり方について考えたいと思います。

詳しくは、
関西学院大学のホームページ
http://www.kwansei.ac.jp/Contents?cnid=6292
をご覧下さい。

 

 

2009年09月07日

8月が終わり・・・

戦後の日本にとって、やはり8月は鎮魂のときだと思います。
6日の広島、9日の長崎、15日の敗戦・・・。
今年もZEROは、あの戦争について考えました。

ひとつ心残りだったのは、
長野県松本市で開かれたサイトウ・キネン・フェスティバルで、
小澤征爾さんが指揮する「戦争レクイエム」を聴けなかったこと。
「戦争レクイエム」は、イギリスの作曲家ベンジャミン・ブリテンが
1961年に作曲した、戦死者のための鎮魂曲です。

実は、7月に小澤征爾さんにインタビューをしたのですが、
その時に戦争の悲惨さを歌ったこのレクイエムについて熱く語る
小澤さんの姿が印象的でした。
ぜひ聴きに行きたいと思っていましたが、スケジュールの調整がつかず
その願いはかないませんでした。

以下は、私のオフィス・スタッフ、Aさんの松本からのメールです。
私の代わりに8月27日松本に行き、
小澤さんの「戦争レクイエム」を感じてもらいました。


「戦争レクイエムを聴きました。
 戦闘をイメージさせるトランペットの音、
 そして人々の心の支えとなる教会を思わせる鐘の音に
 ソプラノ・ソロとコーラス、
 不幸にも敵同士となって命を奪いあった兵士達の
 心の叫びであるテノールとバリトンの歌声。
 サイトウ・キネン・オーケストラの音色とこれらの声は、
 小澤征爾さんの指揮のもとに、
 戦争への怒りや悲しみが大きなうねりとなって心に迫ってきました。
 そして最後はすでに息絶えた兵士達が許しあって
 安息へ導かれていく静けさの中で終わりました。
 
 8月6日の広島取材では、原爆の犠牲になった
 多くの一般市民の悲しみを知りましたが、
 「戦争レクイエム」では
 別の意味で犠牲になった兵士達の悲しみを知りました。
 そして最後に心に残ったのは
 「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませぬから」
 という広島での鎮魂の言葉と、
 冷たくなった兵士達の「さぁ我々も眠ろうよ」という静かな歌声です。
 自然に目を閉じて祈る気持ちになりました。

 演奏の間中揺れ続けた小澤さんの後ろ姿には、
 音楽で伝えたいことを体中で訴えようとしている気迫を感じました」 


8月30日には衆議院議員選挙があり、民主党が圧勝。
この国も大きく変わるかもしれません。
ただし、戦後64年間一度も戦争に巻き込まれなかった日本の平和、
これはいつまでも継続しなければなりません。

8月が終わり、改めて私が思うことです。

 

 

2009年08月24日

総選挙を前に

次の日曜日は衆議院議員選挙の投票日。
選挙の論点も、だいぶ煮詰まってきました。
大きく分ければ、「社会保障」と「安全保障」です。

前者の「社会保障」については、
1.少子高齢化が進むなか、少ない若者で多くのお年寄りを
  支えていくことができるのか?
2.不況期においても、労働者が安心して働けるような仕組み
  をつくることができるのか?
3.医師不足など現在の医療危機にどう対応するのか?
などの問題意識を踏まえて、各党は子育て支援策を中心として
いろいろな政策を打ち出しています。

「社会保障」を考えるとき、避けて通れないのが財源問題です。
増税というかたちで収入を増やすのか?
あるいは、既存の支出をカットするのか?
今回の選挙の大きな争点です。

この論点は、最終的には政府のサイズをどう考えるか、
といった問題に行き着くでしょう。
低福祉・低負担のアメリカ
中福祉・中負担のドイツ・フランス
高福祉・高負担のスウェ-デン
現在、(多額の国債を発行しているため)中福祉・低負担
といわれている日本はどれをモデルにするのか、
これが問われることになるのです。

後者の「安全保障」については、
1.北朝鮮の核の脅威にどう対応するのか?
2.インド洋での補給支援活動などテロリスト対策にどう関わるのか?
3.米軍基地の再編にどう臨むのか?
4.経済面・軍事面での中国の著しい台頭にどう対応するのか?
などの問題意識を踏まえて、ここではやはり日米関係のあり方が
問われることになりそうです。
そして、それは反射的に日中関係のあり方にも影響してきます。

同じ自由主義諸国のメンバーとしてのアメリカと日本。
同じアジア諸国のメンバーとしての中国と日本。
このなかで日本はアメリカとどう向き合っていくのか?
そして、中国とどう向き合っていくのか?
日本の安全保障を考えるうえでとても大切な視点です。

総選挙の論点は、まだまだたくさんあります。
財政再建をどう進めていくのか?
核廃絶に向けて何をしていくのか?
憲法第9条についてどう考えるのか?
・・・・・・

皆さんならではの視点から、今一度
各党の主張に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

 

 

2009年08月17日

わだつみのこえ

64回目の終戦記念日に、改めて
日本戦没学生の手記『きけ わだつみのこえ』(岩波書店)を手に取りました。

今の自分は心中必ずしも落ち着きを得ません。
一切が納得が行かず肯定ができないからです。
いやしくも一個の、しかもある人格をもった「人間」が、
その意思も意志も行為も一切が無視されて、尊重されることなく、
ある一個のわけもわからない他人のちょっとした脳細胞の
気まぐれな働きの函数となって左右されることほど無意味なことがあるでしょうか。
自分はどんな所へ行っても将棋の駒のようにはなりたくないと思います。
・・・・・・・・・・
およそ何人が真の愛国者であったかは歴史が定めてくれるでしょう。
自分の場合、たとえ現在勲章などをもらわなくとも、歴史の永遠性の中に
愛国者たる価値を、もしも附されたならば、それで心から満足します。
(中村徳郎:1944年6月フィリピン方面に向かい以後行方不明)

人間は、人間がこの世を創った時以来、少しも進歩していないのだ。
今次の戦争には、もはや正義云々の問題はなく、
ただただ民族間の憎悪の爆発あるのみだ。
敵対し合う民族は各々その滅亡まで戦を止めることはないであろう。
恐しき哉、浅ましき哉
人類よ、猿の親類よ。
(長谷川信:1945年4月沖縄にて戦死)

マニラ湾の夕焼けは見事なものです。
こうしてぼんやりと黄昏時の海を眺めていますと、
どうして我々は憎しみ合い、矛を交えなくてはならないかと、
そぞろ懐疑的な気持になります。
避け得られぬ宿命であったにせよ、もっとほかに打開の道はなかったものかと
くれぐれも考えさせられます。
(瀬田萬之助:1945年3月フィリピン・ルソン島にて戦病死)

先輩も自分も大東亜の建設のため、
日本の安寧平和のために死んでゆきあるいは傷つく。
傷ついたくらいのものはともかくとして死んだ者を考えよう。
彼らは大東亜の建設、日本の隆昌を願って、それを信じて死んでゆくのだ。
自分もそうだ。そしてその大東亜の建設、日本の隆昌がとげられたら
死者また瞑すべし。もしそれが成らなかったらどうなるのだ。
死んでも死に切れないではないか。
・・・・・・・・・・・
率直に言うならば、政府よ、日本の現在行っている戦は
勝算あってやっているのであろうか。
いつも空漠たる勝利を夢みて戦っているのではないか、
国民に向かって日本は必ず勝つと断言できるか。
いつもこの断言のためには非常な無理に近い条件がついているのではないか。
(松岡欣平:1945年5月ミャンマーにて戦死)


「死者は記憶されることで生きる」(日本戦没学生記念会)のです。
彼らの言葉をいつまでも私たちの脳裏に留めて、
前途ある若者に二度とこのような言葉を綴らせてはいけません。

 

 

2009年08月10日

8月6日の広島で

8月6日のZERO、私は広島からお伝えしました。
広島では64年前の原爆の恐怖、悲しい思い、辛い体験を数多く聞きました。
広島市長の秋葉さんが仰られる通り
「核兵器は廃絶されることにのみ意義がある」のです。

午後8時半頃、灯ろう流しが行なわれた元安川で、
私は一人の老人からお話を聞くことができました。
医師の肥田舜太郎さんです。
当時は広島市内の陸軍病院の軍医で、
1945年8月6日の朝はたまたま往診を頼まれ、広島市を離れていました。
爆弾が落ちたとの知らせを聞き、病院に戻ると病院関係者約600人のうち
生存していたのはわずか3人。
肥田さんの語り口は穏やかでしたが、
その内容は原爆に対する怒りに満ちていました。

肥田さんは子どもたちに話をする機会がよくあるそうですが、
そのときには必ず次の二つのことをお話しするそうです。
一つは「どんな理由があっても核兵器を使ってはいけない」ということ。
二つは「戦争の手伝いをしてはいけない」ということ。
戦争の手伝いということでは、自衛隊の海外派遣をとても危惧されていました。

「国は、戦争をするにも核兵器を持つにも、必ず理由をつける。
しかしその理由はいい加減で、絶対信用してはいけない」
穏やかな肥田さんの表情が厳しくなったのは、この言葉を発したときでした。

肥田さんのこの言葉は、
今回の広島取材で私が忘れることのできない言葉の一つとなりました。
「国は、戦争をするにも核兵器を持つにも、必ず理由をつける。
しかしその理由はいい加減で、絶対信用してはいけない」
ほんとうにその通りだと思います。

1945年8月6日の広島と8月9日の長崎。
私たち人間が永遠に忘れてはいけない悲劇です。

 

 

2009年07月27日

土石流の被災地を取材して

22日は山口県防府市で、
集中豪雨による土石流の被災地を取材しました。
亡くなられた方、行方不明の方がいるなか
悲しみにくれる被災者を取材するのは心が痛み、
正直辛いものがありました。

日本のどこにでもある風景のなかで、一瞬のうちに山が流され、
大量の泥水、巨岩、大木が氾濫する土石流。
現地を訪れ、私は土石流の恐ろしさを実感するとともに、
その被害を極力くい止める策を考えなければならないと思いました。

土石流は、山の斜面に対して加えられる外的な力、
例えばそれは大量の雨水であったり、
大きな地震であったりするわけですが、
この外的な力が地盤の持つ抵抗力を上回れば、
いつでもどこでも発生するものだと思います。

この土石流から身を守るためには、
砂防ダムの整備などハード面での対策も重要ですが、
施設整備が追いつかない現状では、やはり基本は、
早めに避難することだと思います。

大雨の場合は、地震と違ってある程度予測できますから、
行政や地域住民の適切な対応によって、
迅速な避難も可能になるのではないかと思います。
特に土砂災害の警戒区域では、避難体制の強化は待ったなしです。
年々集中豪雨の頻度は高まっているとのデータもあるのです。

天災は避けられないとしても、人事を尽くせばその被害は
最小にすることができるのでは・・・。
被災者の方の悲痛な表情を思い出すたび、
改めて防災対策の早急な見直しを痛感します。

 

 

2009年07月20日

バッシング、パッシングと言えば

バッシング(bashing)とは、「たたく」、「非難する」という意味。
パッシング(passing)とは、「通過する」という意味。
この二つの言葉を聞くと、
かつて言われた「ジャパンバッシング」と
今言われている「ジャパンパッシング」を
思い浮かべる人も少なくないでしょう。

「ジャパンバッシング」とは「日本たたき」のこと。
日本経済が伸び盛りの頃、日本製品が海外市場を席巻し、
日本は海外から強い批判を浴びたことがありました。
でも、もうそれは昔の話・・・。

今は「ジャパンパッシング」すなわち「日本素通り」。
日本経済は低迷し、もはや日本はたいしたことはない。
脅威なのは、ジャパンではなくチャイナだ。
こうして、海外の視線は日本を素通りして中国に・・・。

ただし今日私が言いたいのは、日本の経済のことではありません。
日本の政治のことなのです。

今の政局の混迷ぶりに、政党批判の声を聞かない日はありません。
まさに「政党バッシング」の日々です。
ただ、このことは裏を返して言えば、
政党が私たちの期待に応えてくれると思うからこそ、
私たちは政党に税金を投入することを認めているし、
また一方で、その行動を厳しくチェックしようとするのです。

ところが、やがて政党不信が極まって、
「政治家の言うことなんて何の頼りにもならない」
「そもそも政党に期待するほうがおかしい」
「投票に行っても虚しいだけ」
・・・
こんな空気が広まると、政党の存在感は著しく低下して、
まさしく「政党パッシング」といった事態に陥るかもしれません。

私が危惧するのは、そんな時。
政党を素通りしていったい誰が出てくるのでしょうか?
歴史を振り返ると、かつての日本では軍部が、
そしてかつてのドイツではヒトラーが出てきたのです。

もちろん、今の世界で同じことが繰り返されるとは考えにくいでしょう。
ただ、移ろいやすいのは世論の常。
私たちが予想もしないようなかたちで、
もっともらしいデマゴーグ(民衆扇動家)が現れないとも限りません。

私の心配が杞憂に終わればいいのですが・・・。

衆議院は明日解散の予定です。

 

 

2009年07月13日

サミットを終えて

イタリアでのサミットを終えて、世界が直面する課題、すなわち
経済問題は、9月アメリカのピッツバーグで開かれるG20で、
温暖化問題は、12月デンマークのコペンハーゲンで開かれる国際会議で、
核問題は、来年3月アメリカのワシントンで開かれる核安全保障サミットで、
引き続き話し合いが行われます。

この間に、日本では政界で大変動があるかもしれません。
総選挙を控え政党は国会の議席をいかに増やすかで頭が一杯でしょうが、
総理が度々替わり、国際社会での日本の発言力の低下が懸念されるなか、
党派を超えて日本の国益をどう追求していくのか、
このことが私には気になるのです。

他国の政府のみならず自国の国民でも、
その政府の政策に信頼を寄せるのは、
政策の中身もさることながら、
その政策がぶれることなく長続きするという確信です。

これからは、日本でも政党間で政権交代の機会が増えることでしょう。
であればなおさらのこと、例えば
核兵器に対するスタンス
温室効果ガス削減に対するスタンス
途上国支援に対するスタンス
医療・年金制度に対するスタンス
財政再建に対するスタンス
・・・・・
などの主要な課題について、各政党間で政策のすり合わせを行ない、
考え方が一致するもの(政権交代があっても変えない政策)と
考え方が一致しないもの(選挙時に争点となる政策)
とに整理して、国民に示すことが必要です。

私たちに身近な問題としては年金制度があげられます。
一生の人生設計を考えるにあたって、政権交代のたびに
国の年金制度がコロコロ変わっては、私たちは安心して暮らせません。

政党間の争いにより、国民や国の利益が損なわれては本末転倒です。
選挙が迫り各政党が浮き足立つなか、政治の原点を見失ってはなりません。
この点を私たち有権者はしっかり見極めましょう。

 

 

2009年07月06日

蟹工船

小林多喜二の小説『蟹工船』を知っていますか?
非正規雇用者の失業など格差が問題視されるなか、
今この本を手に取る人が多いそうです。
SABU監督の映画『蟹工船』も上映中です。

『蟹工船』が書かれたのは今から80年前の1929年、
世界恐慌が始まった年です。
北海道オホーツク海で蟹を獲り加工して缶詰にする蟹工船。
この船での過酷な労働とこれに耐え切れずストライキを起す
労働者たち。
資本家 vs. 労働者という図式でもって、搾取される労働者の
立場から戦前の日本を描いています。
描写もリアルで読み応えのある作品だと思います。

その文章には、当時の日本社会に対する
彼の憤りが込められていて、
彼はついには文学だけではおさまりきれず、
行動へと駆り立てられるのではないか、
との暗示さえ受けるのです。
小林多喜二はその後左翼活動に入り、
29歳の若さで逮捕され死亡します。

小林多喜二が生きた日本と今の日本、
社会の仕組みも経済的な豊かさもまったく違います。
そうしたなかで、今『蟹工船』が読まれているとすれば、
「今の社会は公平なのか?」
「明日の社会に希望が持てるのか?」
こんな不満や不安が私たちの間にじわりじわりと
広がっているからではないでしょうか?

 

 

2009年06月29日

運慶の毘沙門天

前回は、京都龍安寺のつくばいに触れましたが、
関東で印象深いのは、伊豆韮山の願成就院にある
運慶作の毘沙門天立像です。

源頼朝を支えた北条時政創建の願成就院。
今から800年以上も前、
平安から鎌倉へと大きく時代が変わるなか、
当時の東国武士の気構えが、
この毘沙門天を通して私に伝わってきます。

鎌倉武士たちの変革を断行する気概と
仏師運慶の新たな造形を追求する意欲が
毘沙門天の抑制された表情のうちに見て取れるのです。

ますます混迷を深める日本。
私が思い浮かべるのは、この運慶の毘沙門天。
今の日本、もう一度この時代の精神が必要かもしれません。

 

 

2009年06月22日

日本再発見

先週金曜日(6月19日)のZERO、
NEXTで紹介した今治タオル再生ストーリー。
その再生プロジェクトに携わったデザイナー
佐藤可士和さんの言葉
「ないものを付加するのではなく、元々あるものを磨く」
は示唆に富んでいると思います。

グローバリゼーション(国際化)がどんどん進むなか、
ともすれば日本もグローバル・スタンダード(国際基準)を
追い求めるあまり、元々日本に存在する良いもの、美しいもの
を見過ごしてはいないか・・・。
佐藤さんの言葉から私が連想したのはこんなことでした。

かつてドイツの建築家ブルーノ・タウトが京都・桂離宮の建築美を
「再発見」したように、今、日本の素晴しさを再発見する試みが
必要なのかもしれません。

そういえば先日、石庭で有名な京都の龍安寺を訪れたとき、
方丈の脇にある銭型のつくばいに並べられた4つの文字を見ました。
「吾唯足知」
(吾、唯足るを知る/われ、ただたるをしる(注))
大量生産、大量消費、大量廃棄の現代社会において、
この四文字が示す先達の教えに、
改めて私たちの原点を思いました。

(注)以下の内容を踏まえた言葉です。
   「足るを知る」人は貧しくても豊かな人で、
   「足ることを知らない」人は富んでいても貧しい人である。

 

 

2009年06月15日

ルーヴル美術館展

先日、再度国立西洋美術館を訪れ、17世紀ヨーロッパ絵画
を集めた「ルーヴル美術館展」を観てきました。
ルーヴル美術館展については、ZEROでも以前ご紹介しましたが、
予備知識を持って改めて絵画に接すると、
絵画への興味はさらに深まります。

17世紀のヨーロッパは、
強大な王権のもとでその力を世界に広げる一方、
世界各地で精力的にキリスト教の布教活動を展開しました。
(当時、日本は江戸時代。鎖国をして世界との交流を
遮断していました)

さて、オランダの画家フェルメール。
フェルメールといえば、私は、Study to be quiet. (努めて静かでありなさい)
という言葉(注)を思い出すのですが、静謐な空気が漂う「レースを編む女」
における彼の技法は、当時のカメラの光学技術を利用したと知って、
今回は、画家フェルメールとともに科学者フェルメール
の姿が頭に浮んできました。

このほか、レンブラントの自画像をはじめ数々の印象深い作品があります。
将来の悲劇を知らず、得意の表情の「マリー・ド・メディシスの肖像」。
大航海時代を経たヨーロッパを象徴する「5つの貝殻」
天使と聖母を2枚の絵に別々に描いた「受胎告知」
・・・

このルーヴル美術館展は、今後6月30日~9月27日京都市美術館で
開催される予定です。

(注)
英国の随筆家アイザック・ウォルトン『釣魚大全』に出てくるテサロニケ書の言葉。
ところで今回初めて気づいたのですが、フェルメールもウォルトンも
同じ17世紀を生きた人でした。

 

 

2009年06月08日

ZEROの森づくり2009

Touch ! eco 
今年6月7日のZEROの植樹場所は、神奈川県平塚市内の進和学園。
毎年ご指導いただいている横浜国立大学名誉教授宮脇昭先生
と一緒に、今回は街の中の森づくりに取り組みました。

多くのボランティアの皆さんとともに、タブノキやシラカシなど
3,500本の木を植えましたが、今後これらの木がすくすくと
育っていくのを見守ることも楽しみです。

青空の下、宮脇先生や小林キャスターはじめ、みんなと楽しみながら
行なう植樹は、環境によいだけでなく、私自身大いにリフレッシュできました。
宮脇先生のお元気の秘密は、きっと植樹にあるのでしょう。

葉のぬくもりや手のひらを歩くアリの感触・・・
木を持って土に触れるといろいろなものを感じます。
エコは考えるものではなく、まさに touch、触って分かるものかもしれません。

木を植えながら、こんな言葉を思い出しました。
「知ることは感じることの半分も重要ではない」
アメリカの環境問題専門家レイチェル・カーソン女史が書いた
『センス・オブ・ワンダー(The Sense of Wonder)』に出てきます。

自然を感じる感性、これからも大切にしていきたいと思います。

 

 

2009年05月25日

核兵器ゼロ

核兵器の廃絶を訴えるオバマ米大統領ですが、
彼の試みは、単なる空虚な理念として終わるのか?
それともかなり現実味を帯びた戦略なのか?
私は後者だと思います。

その背景には、国際関係(特に軍事面)に及ぼす
核兵器の意味合いが大きく変わってきたことがあります。
このことについて、私が今日取り上げるのは、
2007年1月米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル紙に掲載された
論文「核兵器のない世界(A World Free of Nuclear Weapons)」です。
執筆者は米元国務長官シュルツ氏やキッシンジャー氏など
アメリカを代表する外交専門家たち。

以下はその論旨です。
・ 米ソが対立していた冷戦時代においては、
  核兵器は戦争を抑止する手段として位置づけられていた。
・ しかし、テロリスト集団による核兵器の所有や使用が現実的な脅威
 となってきたことや、北朝鮮やイランなど新たに核を持とうとする国が
  出現するようになって、核兵器はもう安全を保障するものではなく、
  安全を脅かすものになった。
・ 核兵器廃絶に向けて、核保有国が核兵器を廃棄するとともに、
  北朝鮮やイランの非核化を進めなくてはいけない。

この論文の中には、こんな表現がありました。
「ビジョンが大胆でなければ、
その行動は公正あるいは緊急であると理解されない。
実際の行動がなければ、
そのビジョンは現実的あるいは実現可能であると理解されない」
ビジョンは大胆でなければいけません。
こうした冷静で現実的な分析を背景に、
オバマ大統領は動き出したのです。

この動きに対して、戦争の放棄を定めた憲法第9条を持ち、
唯一の被爆国である日本がどのように対応するのか?
これからの国際社会における日本の位置・役割を決定する
大きな局面だと私は捉えています。

(注)本稿を掲載した本日、北朝鮮が核実験を行ったと発表しました。

 

 

2009年05月18日

税金の話

私たちは税金を払うことによって、
社会を支えているといってもよいと思いますが、
さて、日本の税制の仕組みはどうなっているのでしょう?

以下、国の税制についてお話します。
税には所得に対する税として、個人にかかる所得税と
企業にかかる法人税があります。
また、消費に対する税として消費税などが、
資産などに対する税として相続税などがあります。

国の一般会計税収(平成19年度決算額)は51兆円ありましたが、
このうち所得税が16.1兆円、法人税が14.7兆円、
消費税が10.3兆円、相続税が1.5兆円で、
この4税で全体の税収の8割以上を占めています。
では、この4税について、今それぞれどのようなことが
課題となっているのでしょうか?

(所得税)
所得税の税収は、かつて26.7兆円(平成3年度)ありましたが、
19年度は16.1兆円にまで減っています。
所得税や住民税などを合わせた個人所得課税の最高税率も
平成6年には65%でしたが、今では50%に下げられています。
格差社会が問題となっているなか、高所得者から低所得者への
所得の再分配について改めて考えてみることが必要です。

(法人税)
企業は税金の安い国へ移動することを考慮して、法人実効税率
(国の法人税と地方税を合わせた企業の税負担率)を国際比較すると、
先進国の中で負担が高いのは、日本とアメリカで約40%です。
他方、イギリスやドイツは30%を下回っています。
こうした状況で法人税を上げたとき、日本の企業が海外へ逃げないか、
これについて慎重に考えることが必要です。

(消費税)
日本の消費税率5%は主要国中最低水準にあります。
スウェーデン、デンマーク、ノルウェーは25%。
EU加盟国では、標準税率を15%以上にすることが
義務づけられています。
なお、中国は17%、韓国は10%です。

(相続税)
基礎控除の引き上げなどにより、相続税の負担が生じるケースは、
亡くなった方100人に対し4人程度です。
相続税については、世代を超えて格差が固定することを防ぐ観点から
改めてそのあり方を考える必要があります。


以上、日本の税制の現状と課題について簡単に説明しましたが、
税という財源の裏付けがなければ、どんなに立派な政策でも
「絵に描いた餅」に終わってしまいます。

選挙が近づけば近づくほど、政治家は国民に負担を求める税の話を
避けるようになりがちです。
私の考えが正しいか正しくないかということも含めて、今だからこそ
税金のあり方について、皆さんにしっかりと考えてほしいと思います。


(注)「税制について考えてみよう」財務省(平成20年10月)
を参考にしました。

 

 

2009年05月11日

増税反対論について考える

年金、医療、介護などの社会保障の財源を賄うために、
増税もやむをえないのではないか、との考えに対しては、
先ず、「そもそも行政に無駄遣いが多く、もっと効率化すれば
増税を考えなくていい」との考えがあります。

「行政の無駄をなくせ」、これは正論であり、その通りです。
まだまだ行政には改善の余地がたくさんあると、私も思います。
ただ、無駄をなくすというのはいつの時代においても
やらなければならない、いわば終わりのない課題です。
行政を改革している間も、困っている人はどんどん増えています。
その間財源がないことを理由に、
救うべき人を救えなかったとしたら、これはとんでもないことで、
そのような事態は避けなければいけません。

ここで、増税によって行革意欲が削がれかねないとの意見に配慮して、
増税で得た財源はすべて社会保障に使うと定めてしまうのも一案です。
社会保障以外の支出については厳しい制約を課して、その財源には
行革によって浮いたお金を充てるのです。

次に、「今は不況の真っ只中で、増税をすれば景気はさらに落ち込み、
かえって財政赤字は拡大する」との考えもあります。
この考えにも確かに一理あります。
例えば消費税の税率を上げた場合、商品の値段が上がって
個人消費が落ち込むことは否定できないでしょう。

ただし、一般的には個人の消費は落ち込みますが、
政府は増税で得たお金を
生活保護というかたちで困っている人たちに渡したり、
年金というかたちで高齢者に渡したり、
介護ヘルパーさんたちの給料アップなどに使えば、
その人たちの消費は間違いなく増加します。
景気に影響する個人の購買力が、政府によって吸い上げられて、
それで終わりというわけではありません。
購買力が消費税によって個人から政府に移り、
そして政府から社会保障に関係する人へと移っていくのです。
こうした効果も考慮しなければなりません。

また、今、個人の消費が低迷している原因の一つに、
国の年金、医療、介護制度などに対する不安があることは、
皆さんも実感されていると思います。
「老後の不安や病気やけがをしたときの心配がなければ、
お金は貯金をせずに消費に回す」
こんな声は私の周りでもよく聞きます。
社会保障制度が充実すれば、たぶん消費は増加するでしょう。
その意味からは、社会保障制度の充実は景気の回復に
プラスの効果があると言えるのです。

以上、「増税やむなし」派に対する反論について、
私なりの考えを述べました。
ただし、「増税やむなし」派についても、
その考えを国民にしっかり理解してもらうためには、
役所の透明性の確保や情報の開示が不可欠です。
役所はどうやって仕事をしているのか?
私たちが払った税金はちゃんと私たちの社会保障に充てられているのか?
こうした私たちの疑問に役所がきちんと答えられない限り、
国民は増税に理解を示すことはないでしょう。

 

 

2009年04月27日

負担の構図

前回は、社会保障の財源をどこに求めるのか、
という問題を提起しました。
この問題を考える前に、先ずは、
今の国の行政サービスの支出はどれくらいで、
それを誰がどれだけ負担しているかを見てみましょう。

今年度の国の当初予算(一般会計)を見ると、
国の支出は総額で約88.5兆円。
内訳は、以下のとおりです。
・ 過去の借金の返済(国債費)    20.2兆円
・ 地方へ渡すお金(地方交付税)   16.6兆円 
・ 国の行政サービス(一般歳出)   51.7兆円
   (うち社会保障            24.8兆円)

他方、この支出(約88.5兆円)をどのような財源で
賄っているのか、その内訳は以下のとおりです。
・ 税金                   46.1兆円
・ その他                   9.2兆円
・ 借金(子供たちへの税金)       33.3兆円

さて、この88.5兆円の支出(うち約3割が社会保障)は、
本来なら私たちの税金で賄わなければいけないのに、
総額の4割程度を借金(33.3兆円)に頼っているのが
日本の財政の現状です。
今の日本は、医療や年金などの社会保障の経費が
どんどん膨らんでいるのに、これを今の世代で負担せず、
子供たちに先送りしているのです。

ここで、
今を生きる世代の困っている人たちを Ⅰa
今を生きる世代の豊かな人たちを Ⅰb
明日を生きる世代の人たち(今の子供たち)を Ⅱ
とすれば、
本来 Ⅰa を救う人たちは、Ⅰb であるべきなのに、
Ⅰb がその負担を回避して Ⅱ に転嫁しているのが、
今の日本の負担の構図ではないでしょうか。

どうしてこのようなことになってしまったのでしょうか。
その要因のひとつとして、
選挙と政治の関係が指摘できるように思います。
投票権を持っている人たちはⅠグループ(Ⅰa + Ⅰb )で、
Ⅱグループは投票権を持っていません。
すると、政治家はもっぱらⅠグループの人たちの票を期待して
政策を考えます。
たとえば、Ⅰa に対しては社会保障の充実を、
Ⅰb に対しては減税あるいは増税の回避を・・・。

政党の支持基盤がしっかりしていなくて、
政党が浮動票を当てにすればするほど、
すべての有権者の支持を得るような政策を
打ち出していくことになるでしょう。
その結果、Ⅰグループの負担は、
投票権を持たないⅡグループに転嫁されることになって
巨額の財政赤字が生み出されるのです。
(経済規模に対する政府の借金残高の比率について
国際比較を行うと、日本の借金残高の比率は際立って高く、
先進国中最悪の水準となっています)

さて、「増税やむなし」派の考えに対して、例えば
1.そもそも行政に無駄遣いが多く、もっと効率化すれば
  増税を考えなくていい。
2.今は不況の真っ只中で、増税をすれば景気はさらに
  落ち込み、かえって財政赤字は拡大する。
といった反論もあるでしょう。

次回は、このような反論について考えてみたいと思います。

 

 

2009年04月20日

アメリカかスウェーデンか

「アメリカのように税金は低いが、老後や病気のときは
自分で心配しなければならない国がいいか、それとも
スウェーデンのように税金は高いが、老後や病気のときは
政府が心配してくれる国がいいか?」
と聞いたところ、20人余りの学生たちのほとんどが、
スウェーデンと答えました。
関西学院大学の私のゼミでの話です。
この不況のせいかどうか、いずれにせよ今の若者たちは
安定志向が強いと言えるでしょう。

低負担・低福祉のアメリカよりも高負担・高福祉のスウェーデン、
ということになりそうですが、実は、
スウェーデンの人々が負担している額はかなりのものです。
スウェーデンでは所得の約70%が税金などで取られてしまいますが、
アメリカではその半分の約35%、日本では約40%です。
(データは2005年)

今、世界各国は景気対策に全力投球していますが、
人々の暮らしを守るためには、年金、医療、生活保護など
社会保障の充実が一方で求められています。
人口の高齢化が他国に比べて進んでいる日本(5人に1人が65歳以上)
にとっては、社会保障の充実はまさに緊急の課題です。

さて、このとき避けられないのが、
社会保障の財源をどこに求めるのか、という問題です。
ゼミの学生からもこれに関する質問がありました。

このコラムでも社会保障の財源問題について、
今後考えていきたいと思います。

 

 

2009年04月13日

浜離宮庭園

東京・汐留の高層ビルから海側を見渡すと、
新緑のグリーンと桜のピンクが目に入りました。
その美しさに誘われて、昼下がりのひととき浜離宮庭園を散策しました。

先週のことでしたが、海風に舞い散る桜の花のなかで
ちょっとしたピクニック気分を味わうことができました。

海岸沿いのベンチに座ると、もうそこは海です。
対岸には倉庫が立ち並んでいるものの、
この水は遠く青い大海原に続くと思うと、
気分はそれだけで大きくなります。

リラックスして庭園を出ようとすると、右手に「三百年の松」が見えてきます。
徳川幕府六代将軍家宣が植えた松だそうです。
松の生命力自体もそうですが、
この松にいったいどれだけの人手がかかったのか、
たゆまない精進の実例を見た気がして、改めて身が引き締まりました。

浜離宮は、私にとって連日のオンエアで疲れた心身を癒す、
格好のオフ空間になりそう。
ZEROのスタジオがある日本テレビから歩いて7~8分です。

今思い出しても、心の和む午後のひとときでした。

 

 

2009年03月30日

アレルギー・マーチ

こんな辛い生活に耐えているとは知りませんでした。
以前、関西のテレビの仕事でご一緒していたときは、
いつも笑顔の関根さんでした。

元・朝日放送アナウンサー関根友実さんの
『アレルギー・マーチと向き合って』(朝日新聞出版)
を読み、改めてアレルギー疾患を抱えた人たちの悩みを知りました。
本書は、関根さんのアレルギー疾患闘病記です。

関根さんは、幼少期のアトピー性皮膚炎から始まって、
アレルギー性鼻炎、白内障、アレルギー性気管支喘息・・と
次から次へとマーチのように、アレルギー疾患を体験してきました。
アレルギー疾患については、残念ながら完全治癒につながる
明確な治療法はまだ確立されていません。

しかし、こうした困難にも負けず、いつも周りの人たちに
明るさや温かさを感じさせてくれる関根さん。
その強靭な精神力はいったいどこから来るのだろうかと思いますが、
その時々の関根さんの心の起伏も、本書には丁寧に記されています。
神様はその人が耐えられるだけの困難を授けるものだとすれば、
関根さんの、その耐える力は私の想像をはるかに超えるものです。

「人生が一瞬の淀みになるか、きらめきになるか、それは思い一つで
変わるのではないか。誰よりも私自身が、これからも大地を踏みしめ、
空を見上げて生きていこうと思っています」
関根さんのこの言葉は、関根さん自身だけでなく
私たちにも勇気を与えてくれます。

アレルギー疾患の治療法が一日も早く確立されることを
祈らずにはいられません。

 

 

2009年03月16日

経済危機にどう立ち向かうのか

100年に一度と言われる経済危機に遭遇した世界。
マクロ、ミクロ、どの経済指標を見ても、今回の危機の深刻さが分かります。
アメリカの大手証券会社リーマン・ブラザースの破綻など、
昨年秋のニューヨーク発金融危機は、世界的な株価下落、通貨不安をもたらし、
今や世界各地で、失業者が増大しつつあります。
日本においても職を失った派遣労働者が急増するなど、
雇用不安が深刻化しています。

この危機に立ち向かうため、今私たちの対応が問われています。
正規社員、非正規社員のあり方を再考する必要はないのか?
厳しい生存競争にさらされている企業が採るべき道はなにか?
政府は経済対策として何をするべきか?

関西学院大学の東京丸の内講座(私が監修を務めます)では、
4月から9月までの第3木曜日(4/16 5/21 6/18 7/16 8/20 9/17)
時間:18:30~20:30
場所:関西学院大学東京丸の内キャンパス
において
6回にわたり、経済事情に詳しい有識者や専門家の考えを聞き、
未曾有の経済危機に対してどう立ち向かえばいいのか、
について考えたいと思います。

皆さんのご参加をお待ちしています。

詳しくは、
関西学院大学東京丸の内キャンパス(TEL:03-5222-5678)
までお問い合わせ下さい。
または、関学東京丸の内キャンパスHPをご覧ください

 

 

2009年03月09日

川原亜矢子さん in 渋谷アリス

ZEROでもキャスターをされた川原亜矢子さんの
舞台「渋谷アリス」を観てきました。
エンタテインメントの進化系と銘打つだけのことはあって
「渋谷アリス」は未来を向いた意欲的な舞台だな、と思いました。
正直、あっという間の2時間でした。

出演者は、川原さんのほか
宝塚歌劇団で活躍された姿月あさとさん、
歌舞伎役者の中村扇雀さん、
さらには、その世界では群を抜くキャストの皆さんで、
そのライブパフォーマンスは、見ごたえも聴きごたえもありました。

川原さんはその存在に華と気品を感じさせながらも、本当に気さくなお人柄。
ZEROでの川原さんのコメントに癒された方も多かったのではないでしょうか。

その川原さん、終演後観客の皆さんにご挨拶されましたが、
言葉の一つ一つに川原さんの思いが込められていて、
舞台でのパフォーマンスと同様、その真摯さに私も胸が熱くなりました。

現状に甘んじることなく、
新たなフロンティアを見つけて挑戦される川原さんに
エールを送りたいと思います。

(注)「渋谷アリス」:3/3~3/7(Bunkamura シアターコクーン)

 

 

2009年03月02日

野口健さんのこと

現場からの声は確かに胸に響きます。
アルピニスト野口健さんの
『自然と国家と人間と』(日経プレミアシリーズ)
を読みました。

野口さんとは、ZEROでの対談でお会いし、
その後、野口さんが主宰する富士山ろくの清掃活動にも
参加させていただきました。
明るくて、前向きで、自分の体験を踏まえて自分の言葉で語るから、
その話にも説得力があります。

この本を読んで、野口さんがいろいろなことを試み、
いろいろなことに感動し、そしていろいろなことを学んだのが分かりました。
例えば、野口さんは「成功」について、こんなふうに述べています。
「一回一回の挑戦で成功か失敗かと決めつけず、
人生のなかで51%成功したら、それは成功だ」
49%は失敗できると思ったら登頂率は高くなったそうです。
また、ヒマラヤ登山で気づいたこととして、
「遭難者を出す登山隊ほど、ゴミを(山に)残す傾向が強い」
との指摘は印象に残りました。

野口さんの関心は登山だけでなく
環境問題、戦没者遺骨収集事業にも及んでいます。
野口さんはまだ35歳、これからも続く現場からの
メッセージに期待したいと思います。

 

 

2009年02月23日

私のTVダイアリー

話すのと違って、書くことは頭の中にまた別の回路が必要になります。
このコラムでも、私が思っていることや考えていることを
どのようにしたら皆さんに分かりやすく伝えることができるだろうか、
といつも苦心しています。
文章を練っていると、あっという間に時が過ぎますが、
私にとっては楽しいひとときでもあります。

さて、3月の日曜日(1日、8日、15日、22日)、
朝日新聞の「TVダイアリー」欄に、ニュース報道の舞台裏や
ZEROにかける私の思いなどが、4回にわたって掲載されることになりました。

テレビで自分の思いを話すのは連日ですが、
新聞で自分の思いを綴るのは久しぶりです。

よろしければ、ぜひご覧ください。

 

 

2009年02月16日

春遠からじ

川べりをジョギングしていると、だいぶ空気が緩んできた、と感じます。
春一番が吹き、梅の花がきれいですね。

春が満ち溢れたなかの桜もいいですが、
春の気配を予感させる梅もまたいいものです。
梅といえば、私は尾形光琳の「紅白梅図」を思い浮かべるのですが、
あの峻厳な枝振りは、厳寒の冬に立ち向かおうとする
春の強い意志を表しているようです。

冬来たりなば春遠からじ
If winter comes , can spring be far behind ?
シェリーの詩の通り、春はもうすぐです。

季節は春の訪れを告げようとしていますが、
経済に春風が吹くのは一体いつになるのでしょうか?

 

 

2009年02月09日

裁判員になるということ

裁判員制度は5月21日からスタートしますが、
裁判員になることについては、多くの市民が
「人を裁く自信がない」として、消極的に受け止めているようです。

その気持ちは分からないでもありません。
裁判員になると仕事を休まなければならないなど不都合も多いでしょう。
未だに多くの専門家も裁判員制度に疑問を投げかけています。

しかし、私は人を死刑にするかどうかという、極めて重大なことだからこそ
プロの裁判官だけに任せておいていいのか、と考えてしまうのです。

刑事裁判では、例えば、殺意を持って本当に人を殺害したかどうか、
という事実を確かめ、もしそれが事実ならばどのような罰を科するべきか、
を判断しなければなりません。
このとき、後者の量刑の段階ではともかく、殺意を持って本当に
人を殺害したかどうか、という事実判断には、法律を超えた、
それこそ森羅万象の世界を吟味するような作業が不可欠です。
その際、いろいろな知識や経験を持つ市民が加わった集団より
プロの裁判官だけの集団のほうがより適切な判断を下せるとは、
私には思えないのです。

社会や組織はいろいろなことを決めていきます。
そのときの決定の一つ一つが適切であったかどうかを
判断するのはとても難しいことです。
ただ少なくとも「どれだけ多くの人がその決定に関わったのか」ということは、
その決定に説得力を持たせる大きな要因になるのではないでしょうか。

「市民市民と言うがいろいろな人間がいるんだぞ。分かっているのか。村尾」
という批判の声が聞こえてきそうです。
しかし、いろいろな市民がいるように、
いろいろな政治家やいろいろな役人もいるし、
いろいろな裁判官もいるのです。

市民にとっては、裁判員になることは苦痛であり、面倒なことかもしれません。
しかしながら、この問題の本質はそういった次元を超えて、
民主国家が人を裁くにあたり、どのようにすれば国家として適切な判断を
下すことができるのかということにあると思います。

 

 

2009年02月02日

湯たんぽ

飛騨の山国で育った私、雪が降る夜、
子どもの頃はよく湯たんぽで足を温めながら寝たものでした。
先週末、ふるさとに帰り実家に泊まったとき、
蒲団に入っていた湯たんぽに「いまどき湯たんぽ?」と思いましたが、
これが意外と心地よく、思いもかけず40年以上前の
あの温もりを感じることができました。
熟睡して起きると、窓の外は雪景色。
両親曰く、最近また湯たんぽを使い始めたとのこと。

恥ずかしながら私は知らなかったのですが、
この湯たんぽ、最近流行っているそうなんですね。
なんとなくアナログ的な温もりがいいのかもしれません。

スタッフのAさんによると、エコということもあり近年売れていて、
冷え症が気になる女性の携帯用もあるそうです。
ちなみにAさん、お友達からの誕生日プレゼントで、
可愛い羊のカバー付きの湯たんぽを贈られ、
この冬から愛用しているそうです。

レトロでエコ。しかも機能的で経済的・・・。
湯たんぽ、流行る理由が私にも納得できました。

 

 

2009年01月26日

白鵬・朝青龍戦に思う

大相撲初場所は、白鵬対朝青龍の優勝決定戦となり、朝青龍が勝ちました。
朝青龍、優勝おめでとうございます。
「気力」が朝青龍を優勝に導いた・・そんな感じがした初場所の朝青龍でした。

ところで、朝青龍、白鵬は共にモンゴル出身。
外国人力士はずいぶん増えました。
幕内力士42人中、14人がモンゴル、グルジアなどの外国出身です。
実に幕内力士の3人に1人が外国人。

ところで、ロンドン郊外のウィンブルドンで行われる全英オープンテニスは、
自国の英国選手よりも外国選手が優勝することが多いのですが、
大相撲もウィンブルドン化が始まったと悲観することはありません。
むしろ私は、これを大相撲の国際化が進んだと前向きに評価したいのです。

大相撲が国際化すればするほど、アジアや欧米に相撲ファンは広がっていきます。
野球でもアメリカ・メジャーリーグはどんどん日本選手を受け入れて、
日本にメジャーリーグ・ファンを増やしました。

オバマ米大統領も就任演説で述べていたように、
多様性は弱みではなく強みなのです。
異なるものは受け入れない「排除の論理」が支配する社会は必ず衰退します。
異なるものも受け入れる「包含の論理」こそ社会に繁栄をもたらすのです。

 

 

2009年01月19日

自然な建築

以前ZEROで小林キャスターが取材した建築家隈研吾さんの
『自然な建築』(岩波新書)を読みました。
建築に対する隈さんの考えや建築現場の現実がよく分かります。

この本のメッセージを、私なりにまとめると、次のようになります。
20世紀の建築はコンクリートの時代であった。
コンクリートは自由にかたちを変え、場所も選ばない。
普遍的(グローバル)な建築技術であるが、一方で、
場所や素材などその土地の自然との関係を断ち切ってしまった。
そのような建築は、場所と幸福な関係を結んだ建築とは言えない。
水、石、木、土、和紙などその土地の素材を活かす建築を追及する。

この本を読んでいくうちに、建築に対する隈さんの考えは、
この国や社会のあり方を考えるうえでも
なにかヒントを与えてくれるかもしれないと感じました。

アメリカ文明はまさにコンクリート。
個人の自由や市場原理という価値観を、
場所を選ばず世界中に広めていきました。
いわゆるグローバリゼーションが進むなか、
世界はその恩恵を受ける一方で、
各地域では独自の文化風習や社会制度が破壊され、
その弊害も出てきています。
日本もその例外ではありません。

グローバリゼーションという大きな流れには逆らえないとしても、
そのなかで、日本の社会風土や歴史と幸福な関係を結べるような
日本独自の社会制度を設計できないものでしょうか。
かつてない不況で、雇用関係のあり方を見直そうとの議論が始まるなか、
隈さんの本を手にしながら、こんなことを考えました。

 

 

2009年01月12日

道標(みちしるべ)

2009年ZEROのテーマ曲は福山雅治さんの「道標」です。
いのちのつながりを感じるこの曲とともに、
今年も「命の大切さ」をZEROは伝えていきたいと思います。

先週ZEROでは、職も家も失った派遣労働者の方々や
イスラエル・パレスチナ紛争のことをお伝えしました。
「貧困」と「戦争」、いずれも「命の大切さ」を考えるうえで
避けて通ることのできない重いテーマです。
そしてこの両者はまったく別のものではありません。
貧困が戦争を誘発し、戦争がさらなる貧困を招く。
私たちの歴史が教えるところですが、
この歴史はもう二度と繰り返してはいけません。

世界は今、かつて私たちが歩んだ道、すなわち
1929年(NY株価暴落)から1945年(第2次世界大戦終結)まで
の歴史を意識しています。
2008年NY発金融危機から世界同時不況に突入した世界。
日本では今年総選挙があります。
私たちは何を道標にして、この国の舵取りをしたらいいのでしょうか?

私たちの憲法には、戦争放棄を定めた「第9条」と
誰でも健康で文化的な最低限度の生活ができると定めた「第25条」があります。
日本の大事な道標である憲法第9条と第25条に対して、
各党はどのようなスタンスを取るのか。
有権者の一人として私がぜひ確認したいことです。

 

 

2009年01月04日

太陽と風と土と

明けましておめでとうございます。

年頭にあたり、
改めて世界と日本が直面する課題を展望すると、
今後2~3年は、景気回復すなわち雇用の問題
今後20~30年は、地球温暖化すなわちCO2排出抑制の問題
が頭に浮びます。
この短期、中長期の課題に対して、日本はどう向き合っていくのか?
今回はこのテーマについて考えてみたいと思います。

雇用の問題については、非正規社員だけが犠牲になるのではなく、
会社も内部留保や配当を減らして社員のために身を削り、
社員は社員で、既存の仕事を正規、非正規社員みんなでシェアして
負担を分かち合う手法を探るのもひとつの考え方でしょう。

雇用についてもうひとつは、新たな働く場をつくりだすことです。
会社が自力でできなければ、国や自治体が積極的に支援すべきです。
ただし、それは確実に未来への投資につながるものでなければなりません。

ここで、CO2の問題を考えましょう。
今年も将来のCO2排出ルールのあり方が国際会議の場で話し合われますが、
このルールに違反した国は今後多額のペナルティを払うことになります。
したがって、このルールをどう決めるか、が日本の国益を大きく左右します。
ただいずれにせよ間違いなく言えることは、とにかく日本もCO2を
精一杯減らさなくてはいけないということです。

CO2を減らすにはいろいろなやり方がありますが、ひとつは省エネ。
省エネ住宅、省エネビル、省エネ工場、・・・
省エネのための改修工事には多くの労働者が必要になります。
日本全体の省エネ化に向けて、政府はもっと強くアクセルを踏むべきです。

さらに、太陽光発電、風力発電の普及促進が考えられます。
これら自然エネルギーの普及はまだ限られていますが、
ドイツや北欧など欧米諸国の力の入れようには目を見張るものがあります。
日本も負けてはいられません。人やお金の集中投入が必要です。
自然エネルギーの供給が増えれば、CO2が減るとともに、
石油依存度すなわち中東依存度が低下し、
日本の安全保障上もメリットがあるでしょう。

また太陽光発電や風力発電はそれぞれの地域で発電できます。
電力の送電コストは莫大ですから、小規模分散型の自然エネルギーは、
地元で生産したものは地元で消費する「地産地消」の電力モデルとなりえます。
わが町にソーラーパネルや風車を大量に設置すれば、
それこそ地場産業の育成や地域の雇用増につながります。

ところで、CO2の排出量については、最近「フードマイル」という言葉を聞きます。
食料の輸送距離を意味し、生産地から消費地までの距離が長いほど
輸送の際に排出されるCO2の量は増えます。
食の「地産地消」を実行すれば、フードマイルのCO2は大幅に減るでしょう。
地方における農業の担い手不足はかなり深刻です。
食の安全面からも農業の「地産地消」が提唱されている今、
農業の担い手として若い労働力が流入すれば、
雇用、環境、食の安全などの観点から好ましい効果が期待できます。

実は、昨年12月1日のコラムにおいて、私は新たな雇用創出分野として、
太陽光・風力などの自然エネルギーや農業の分野を指摘しましたが、
これらの分野は環境面だけでなく
地域の自立性を高めるという面においても、
また食料やエネルギーの安全保障の面においても、
さらに、その技術力やノウハウを中国など新興国に輸出できる面においても、
その支援の必要性を否定する意見は少ないでしょう。

太陽と風と土と・・・短期の雇用問題と中長期のCO2問題、この連立方程式を
同時に解くためのひとつのキーワードではないでしょうか。

2006年12月28日

再び「いじめ」について書きます。

私も経験がありますが、いじめに限らず人は思い悩むと、
自分の今いる世界がすべてだと思ってしまいがちです。
袋小路に入ってしまい、抜け道はないように見えるのです。
しかし、そうなっても決してあきらめないで、とにかくじっと待つのです。
いつかきっと、
誰か(親、友人、先生、あるいは憧れの選手やスターかもしれません)の
言葉や行いが、君の心を開いてくれるときが訪れます。
もしかしたら、そのきっかけは、どこかの風景であったり、一枚の写真であったり、
またミュージックであるかもしれません。
とにかく一人で抱え込んではいけません。死んではいけません。
君がまだ知らない温かい場所は、世界中にいくらでもあるのですから・・

 

 

2006年12月25日

メリークリスマス!

皆さんいかがお過ごしでしょうか?

週末、夏目漱石を読んでいたら『愚見数則』のなかで、
漱石はこんなことを書いていました。
「多勢をたのんで一人を馬鹿にするなかれ。己れの無気力なるを
天下に吹聴するに異ならず。かくの如き者は人間の糟(かす)なり」
いじめる者は人間の糟(かす)! まったく同感です。

いじめはなくなる。もしあなたが望むなら・・・

 

 

2006年12月18日

「市民のための国家」「市民発の日本」

改正教育基本法や防衛省昇格関連法が成立しました。
最近の政府の動きを見ていると、この国の中にいてなんとなく息苦しさのようなものを感じるのは私だけでしょうか。
 「一人ひとりの市民のために国家がある」という考えから
「国家のために市民がいる」という考えに変わりつつあるのでは・・? 
そんな空気が流れ始めている気がするのです。

 「個人が先か。国家が先か」。

やはり私は「市民のための国家」、「市民発の日本」であってほしいと思います。

 

 

2006年12月10日

■石原慎太郎さんが来年春の都知事選に立候補

東京都知事の石原慎太郎さんが、また来年春の都知事選に立候補するそうですね。東京オリンピックの開催に道筋をつけたいということらしいのですが・・・。

実は私、オリンピックを東京に招致することはかなり難しい、と考えています。客観的に考えて、2008年には北京オリンピックがあるというのに、8年後の16年にまた東アジアでオリンピックが開かれるでしょうか。オリンピックがまだ開催されていないところで、オリンピックを国威発揚の機会にしようと意欲を見せる国は少なくありません。1964年に東京はすでにオリンピックを開催しましたし、冬季オリンピックを入れると日本はすでに3回もオリンピックを開いているのです。

東京都がオリンピック招致に動きだすとして、本当に勝算はあるのでしょうか。招致に使われる費用は私たち都民が負担するのです。勝算があるというのならその根拠、そして私たちの税金をオリンピック招致に向けてどのように使うのか、選挙の前にきちんと都民に説明してもらわなければなりません。

それよりも、都民の一人である私としては、大地震への備えは万全なのか、多発する犯罪にどう対処するのか、もっと他にやるべきことはいっぱいあると思ってしまうのですが・・・。

 

 

2006年12月01日

■日本の防衛、今後の行方は?

先日、久間防衛庁長官と対談した。
アメリカ陸軍の司令部機能の一部が座間に移転してくる事について、
長官は
その詳細を「議論をしない」ことが日本をターゲットにさせない方法だ
と言った。
確かに、国防上の問題では、全てを公にしていいかどうかは議論の余地がある。
しかし、国民の生命財産に関る大切な問題ならば、
ある程度情報を開示し、国民に対する説明責任を果たすべきだ。

 

 

2006年11月30日

■タウンミーティングにまた無駄遣い

2001年に情報公開法が出来た際、私は緊張感を持った。
行政が市民に情報を公開し、説明責任を果たすことで、
役所は変わるのではないか、いい加減な仕事は無くなるのだ。
そんな気持ちだった。
ところがそうした自覚を役人が持っていれば、こんな事態は起こりえない。
深刻なようだが、役人の志や質が全般的に低下しているような気がしてならない

 

 

2006年11月29日

■文部科学省と教育再生会議の間には温度差

今日提出されたいじめ問題への緊急提言書を見た。
これを見ると、教育再生会議有識者委員一同と書いてある。
なぜ阿部総理は連名にしないのか、本当にやる気があるのか。
いずれにしても安倍総理のリーダーシップはここで試される。

 

 

2006年11月28日

■安倍内閣 国債大幅削減を指示「25兆円を目指す」

今年度予算は税金などの歳入が50兆円に対し、歳出は80兆円。
足りない30兆円は国債という借金で賄っている。
ところが来年度はその国債を25兆円に減らす見込みとのこと。
実はいま日本は景気が上向きで、税収が5兆円増えることが想定されている。
そうなれば、歳出をカットしなくても国債を5兆円減らすことが可能になるという訳だ。
つまり、借金を減らす努力をしたように見えて、自然に増えた税金で賄っただけ。
何もしなくても、辻褄があったということだ。
しかし、日本にはまだまだ膨大な借金がある。
将来の子ども達につけを残さないために
小手先の数字あわせではなく、
真剣に借金を減らす努力が必要だと私は考える。

 

 

2006年11月24日

■石原都知事の豪華出張費

石原慎太郎東京都知事の海外出張費は、ここ5年間で2億4,400万円にも上る。
出張費のことは完全に事務任せだと都知事は発言しているが・・・。

私が地方自治体で出張費の査定をする総務部長を担当していた。
この経験から考えて、都知事の出張費は贅沢すぎるといっていい。
都知事の宿泊費の最高額は40200円と決められているが、これは内閣総理大臣と同じ上限である。
それよりも高い部屋が必要なのであれば、議会に提案して条例を変えるなど正規の手続きを踏むべきだ。それを行わないで内部のみで処理してしまうことはおかしい。

都知事は完全に事務任せであるが、たとえ部下がやったことであっても、自身で責任を負うことがリーダーのあるべき姿だと私は思う。

 

 

2006年11月15日

■和歌山県談合事件で現職知事を逮捕

この事件、私は選挙でお金がかかることが非常に効いていると思う。
選挙には私も出たことがあるが、改革をするため「しがらみ」を断って…当然負けましたが。
でも、選挙は「しがらみ」を背負ってゆく過程。
その「しがらみ」のせいでいろんなことが段々断れなくなってくる。
では、これから政治が談合や癒着などの「しがらみ」から抜け出るにはどうすればいいのか?
その答えは、一般の有権者が投票に行くことにある。
皆さん、選挙へ行きましょう。

 

 

2006年11月14日

■タウンミーティング、やらせの次は謝礼”5,000円”

役所に税金が入ったからといって、それは役所の金であるはずはない。
最後の最後まで、私たち納税者のものだ。
もしこれからも私たちが税金を負担するのであれば、私たちは
税金の使い道について知る権利がある。
政府は私たちに税金の使い道をしっかりと説明しなくてはならない。

 

 

2006年11月13日

■岐阜県庁の総務部長が自殺

岐阜県の裏金問題に関する内部調査チームのサブリーダーだった河野総務部長が自殺した。
組織の重圧、しがらみに押しつぶされた本当に痛ましい死だと思う。
総務部長というポストは、下に人事課や財政課などがあり、ヒトとカネを握る重要なポストだ。
実は私も10年前、岐阜県の隣の三重県で総務部長をやっていた。
その10年前に三重県も空出張の裏金作りが発覚、私も担当し、懲戒処分を受けた。
その時、私がなんとか乗り切れたのは、大蔵省という外部から出向してきたことから、「組織のしがらみ」と比較的関わりが薄かったことによる。
私は亡くなった河野部長の気持ちは十分わかるつもりだ。
だが、もし県が本当に膿を出す、組織を変える気持ちがあるのなら、「しがらみ」を断って、外部からの人間を総務部長につけて改革するということが必要だ。

 

 

2006年11月13日

相次ぐいじめ自殺

これだけ自殺の連鎖が全国的な規模で広がっていることを考えると、
教育の現場は有事というべき緊急事態に直面したといっていい。
こういう時、国会で教育基本法の改正案や教育再生会議で「対処」の議論をするのはいいが、
今現場で起こっていることを直視し、
安倍総理や文部科学大臣が直接国民に対してメッセージを発してもいい頃だと思う。
また、保護者の方々にもお願いがあります。例えば
子供部屋を覗いたときの配慮。「最近、学校はどう?」とか、
声をかけてあげることも必要ではないかと考えます。

 

 

2006年11月09日

ネット上でいじめ映像が公開

札幌の学校で起きたいじめの映像がインターネット上にアップされた。
このいじめに関して、現在では学校側が対処していじめも無くなったといわれている。

ただ、ネット上に映像が残っているのは問題だ。
学校側がそれを放置していたのであれば、危機管理の不十分さを露呈したことになる。

 

 

2006年11月09日

タウンミーティングでやらせ質問

私が三重県で総務部長を担当していたとき、
県民との対話集会を何度も行った。
毎回数百人の県民が集まったが、誰が来るかわからない、何を質問されるかわからない、
その緊張感たるや半端ではない。
中途半端な仕事をしていたのでは、すぐに批判が集まってしまう。
タウンミーティングも、そんな緊張感の中で行ってくれればと思う。

 

 

2006年11月08日

教育委員会は機能していない

私はいじめの問題と教育委員会の仕組みを直接結びつけて考えるのは
まだ早いと思う。
だが、いじめが発覚した後の教育委員会の対応は常に後手にまわっていた。
これは非常に問題だ。それは責任の所在が明確でないからだ。
例えば、ほとんどの市役所の職員は、市長の監督の元で仕事をしており、
もし市長の責任が問われた場合、選挙で落とせることになる。
教育委員会は市長が任命した人たちで構成されるが、
政治的中立性の名の下に、少し離れたところにある。
つまり、住民の意思で教育委員会のメンバーを変えることは出来ない、
住民から遠い存在になっている。それが後手になる原因である。


国民全員に関るこの問題点、早いうちに見直さなければならない

 

 

2006年11月07日

腎移植~裏に隠れている問題

愛媛県の病院で病気の患者から摘出された腎臓が移植されていた問題が広がりを見せている。広島や鹿児島でも同じような手術が明らかになり、厚生労働省は調査に乗り出すことを決めた。

今回のケースもそうだが、個別の事件の裏に隠れている問題があるようだ。

現在、腎移植希望患者は11,564人いるが、昨年の移植実施数はわずか994人と、そのギャップは大きい。腎臓は生きている人、亡くなった方、双方から提供が可能だが、万が一の際に意思表示をするドナーカード、これは今、幅広く理解され、普及しているのだろうか?

提供の意思がありながらドナーカードを持たずに亡くなられた人も多く、そのときに支障の無いような形で機能させることはできているのか?。

個別の事象でいろいろ言うことは出来るが、システム全体でもう一回考えてみる必要がある。

 

 

2006年10月31日

いじめに悩む子供たちへ…

絶対に死なないでください。

死んじゃうと、お父さんやお母さん、いろんな人に、その悲しみは積み重なっていきます。
苦しいかもしれない。
けれども心を開いて、家族や友達、先生の誰でもいい。SOSを発信してください。
そうするとあなたの苦しみはみんなで分かち合うことができる。

絶対に死んじゃいけない。

 

 

2006年10月30日

学校選択制の導入

いじめで悩んでいる子供たちが学校を選べる「学校選択制度」の導入を提案したい。

子供の身になって考えたときに、「選択肢」が増えれば、どんなに子供が助かるか。
私が地方自治体で行政改革を担当していたとき、いじめで悩んでいる児童生徒の保護者の意見の中に「学校選択制」を要望する声は多かった。

これだけで全面的に解決することではないが、教育者の意識改革ともども、早急に議論していただきたい。

 

 

2006年10月26日

自民党の思惑

郵政造反組が復党するかもしれない。
造反議員の票を自民党に取り込むことによって、
2007年7月に予定される参議院選挙を有利にしようという思惑が見え見えだ。

だが、有権者は甘くない。
2005年の選挙を思い出して欲しい。造反議員に投票した有権者は郵政民営化に反対だった。
その有権者の意思を軽く見ると…。 

その結果は来年の参議院選挙で明らかになるだろう。

 

 

2006年10月25日

家庭におけるインターネット

長野県で行方不明になっていた小学6年生の女の子が、今日無事保護され、
31歳の男が逮捕された。
少女と男は、インターネットの掲示板を通じて知り合っていたことがわかった。

平成18年度の警察白書によれば、ネット環境のある中高生に
「家庭で使うインターネットにルールを設けているか?」との質問したところ、
62.1%が「何も決めていない」と答えた。
インターネット時代において名前や住所などの個人情報が他人に知れてしまうと、
今回のような事件を起こすきっかけになりうる。

これからの社会に適応してゆくためには、
家庭内でインターネットの使用に関する規則を設けることが必要だと私は考える。

 

 

2006年10月24日

教育の信念

富山県の県立高が学習指導要領で必修とされている世界史の授業をしていないため、3年生の197人全員が卒業できなくなるかもしれない。
受験戦争に対応するため、地方の公立高校が予備校化しているという事実は認している。
しかし、受験勉強だけでは世の中は渡りきれない。

人生において、無駄なことも大切な糧になるのだ。
「短期的な目的にのみ集中して、大事なものを見失ってはならない」
そういった信念が教育の現場にあってもいいのではないかと私は思う。

 

 

2006年10月23日

権力集中

佐藤栄佐久前福島県知事が、福島県が発注したダム工事を受注させる見返りに、
ゼネコン2社から賄賂を受け取ったとして逮捕された。

ここ数年、前知事が地方分権について積極的な発言をしていただけに、
県民の怒りも激しいものがあるだろう。
18年に及んだ長期政権で、権力が集中してしまった。
アメリカ大統領制は一期4年、2期8年まで。
私はそろそろこういった制度を見習ってもいい時期なのではないかと考える。

8年やって実績が上がらない知事は、駄目な知事なのだから。

 

 

2006年10月20日

■官邸主導の異例人事 増税路線転換へ

本間新政府税調会長が、今後は「増税」ではなく、
「歳出削減」で財政再建を進めてゆく考えを明らかにした。
歳出削減は当然だと思うが、
日本の赤字はそれだけで埋めきれるようなものではない。
やはり、私は増税の議論は不可避だと考える。
いずれにしても来年の参議院選挙までに
財政の現状はしっかり示すべきだ。

 

 

2006年10月19日

■5年間で出勤8日も給料満額 - 奈良市職員

地方公務員法第28条には、
「心身の不調で仕事ができない場合、免職することができる」
と明記されている。
その規定があるにも関らず、ほとんどの地方自治体は
奈良市のように独自の制度を作って実行していない。
法をすり抜けているのだ。
こういった問題の積み重ねが地方自治体の赤字を生んでいる。
真剣な見直しが必要だ。

 

 

2006年10月18日

■教育再生会議で、教育は変わるか?

教育再生会議には、得意分野を持った優秀な人材が集まった。
会議は各専門委員の発言を元に進められ、
それらの発言は報告書という形でまとめられる。

その取りまとめを委員だけで出来ればいいのだが、
彼らにはなかなか時間が無い。
すると、せっかく優秀な人材がそろっているのに機能せず、
結局、役人主導で資料が出来てしまう。

役人主導ではない教育再生会議を確立するため、
委員の方々には存分に議論して欲しい。

 

 

2006年10月17日

■いじめ問題、対策のカギは?

日本と同様、スウェーデンでもいじめが社会問題となっている。
スウェーデンでは、いじめられている子供の写真を
社会科教科書に掲載し、授業を進めながら
子供たちに問題提起している。

学校教育の他にも、「子供オンブズマン」という制度を作り、
子供たちから直接電話を受け付け、子供の代弁者として学校側に意見を伝える、
独立した第三者機関を設けている。

日本もこれらの取り組みを参考にしてみては?

 

 

2006年10月16日

■教育免許の更新、誰が評価する?

来年3月に教育再生会議が中間報告を出す。
国による学校評価制の導入や
教員免許の更新が課題に挙げられているが、
これらを誰が評価するのかが重要。
教育の受け手である学生や保護者の皆さんの視点を
是非、取り入れて欲しい。

 

 

2006年10月13日

■平和の担い手は「官」から「民」へ

今年度のノーベル平和賞は、貧困撲滅に尽くした
バングラデシュのムハマド・ユヌス氏(66)と、
同氏が総裁を務めるグラミン銀行が受賞した。

ここ10年のノーベル平和賞受賞者を振り返ってみると、
半数の5人が民間出身者である。
もはや平和の担い手は、
政府の指導者から民間の草の根レベルにまでシフトしているのだ。
今、日本には約28,000のNPO法人があるが、
今後は彼らが公益を担ってゆくことになるだろう。
大いに期待したい。

 

 

2006年10月12日

■北朝鮮に対する経済制裁

北朝鮮が核実験を行ったことにより、日本は経済制裁に踏み切る。
20世紀は「戦争の世紀」だった。
過去、経済制裁から武力衝突に発展したケースも少なくない。
私個人としては、制裁を行うべきだと思うが、
歴史の教訓を頭の片隅に置いておくことも忘れてはならない。

 

 

2006年10月11日

■無くならない飲酒運転

飲酒運転撲滅に向けて、自動車メーカーが
インターロックシステムなどの技術開発に取り組んでいる。
しかし、メーカー任せだけでなく、
ドライバーに対する罰則もこれまで以上に強化すべきだ。
路上駐車の取り締まりでは、民間委託が効を奏しているが、
これを飲酒運転にも適用したらどうだろうか?

 

 

2006年10月10日

■向井さん代理出産の出生届受理

タレントの向井亜紀さん夫妻が、
アメリカの女性に代理出産を依頼して生まれた双子の出生届。
これを受理するよう東京都品川区長に命じた東京高裁の判決文を読んでみました。

判決文には、
「子供達が向井さん夫妻に養育されることが最も福祉に適う」
という事が書かれてありました。
子供たちの立場に立って書かれたものと思います。

科学の進歩に法律などの制度がついていけない時代であることは承知していますが、
そういう中で、
“悩み、苦しんでいる人たちがいる”
そう考えたときにどういう配慮をすべきなのか
その人達の立場に立って考えてみることが必要なのではないでしょうか

皆さんはどうお考えでしょうか?

 

 

2006年10月10日

■北朝鮮が核実験

北朝鮮に「核を持つな」というためには、
パキスタン、インド、イスラエルなど、
事実上核を持ってしまった国に対しても
核の放棄を強く主張し続けることが必要。

そして、アメリカをはじめとした核保有国5カ国に対しても、
削減の合意を実行していくよう、迫らなければならない。
それは唯一の被爆国である日本だからこその努めだと思います。

そして、今回の北朝鮮の核実験に対しては
「日本は何が出来るか」、
「6カ国協議で何が出来るか」、
「国連という舞台で何が出来るか」、
複数の視点で今後の対応を見極めてゆきたいと思います。

 

 

2006年10月09日

■ドラマ「私が私であるために」の主人公、相沢咲姫楽さんと会って

実際にお会いして、(性同一性障害の)彼女たちが
どんなに悩んでいたかということを初めて知りました。
この障害、苦しみについて知らないこと自体が罪。
私たちは痛みを抱えている人たちに向き合って、
彼女たちの悩みを知らなければいけない。
そんなことを痛感しました。

 

 

 

2006年10月06日

■NHK「不祥事を理由にした不払い」に対し強制徴収へ

NHKは不払いに対し法的手段に訴えるということだが、

NHKは契約者の一割が未払いという事実について真剣に考えるべき。

今まで以上に視聴者の意見が反映されるような仕組みを考えていかなければ、
未払いは無くならない。

 

 

2006年10月05日

■北海道小6女児自殺 教育委員会が「いじめ」認め謝罪

(女児の遺書の中身を隠していた滝川市教育委員会に対して)
どっちの方を向いて仕事をしているのか問いたい。

本当に市民のために仕事をするべき教育委員会が、
身内のほうを向いて仕事をしている
そんな気がして腹が立ってしょうがない。

 

■安倍首相の著書「美しい国へ」を読んで

どうしたら美しい国になるのか具体的なことが書いていない。
僕にはわからなかった。

 

■横田めぐみさんのドキュメンタリー映画は公開

北朝鮮による横田めぐみさん拉致事件をテーマにした
米国のドキュメンタリー映画が11月25日から公開される。

拉致被害者の家族の苦悩や
救出に向け奔走する姿が克明に描かれている。

こういった活動は日本国政府がやらなければいけない。

こんな基本的なことをやらずして
政府は国民に国を愛せという資格は無いと思う。

 

 

 

2006年10月04日

■「子供殺す」と電話 中野区で緊急集団下校

午前8時ごろ、東京都中野区内の公衆電話から、
「これから、子供を殺しに行く」と110番があった。

中野区では通報発生から一時間の間に、
区内の140箇所以上の小中学校、
子供が行き来する全ての施設に情報が行き届いた。

役所の中には、

「事が起こった時に、しばらく様子を見て結局動かないところ」と
「最悪の事態を想定して、素早く行動するところ」があります。

中野区の場合は素早かった、私は評価します。

全国の地方自治体には危機管理対応マニュアルがあると思いますが、
中野区のような「素早い対応」、是非お願いします。

 

 

2006年10月03日

■スケート連盟元会長らが不正経理で逮捕

組織による様々な不正流用が発覚していますが、
私が一番効果的だと思うのは
「情報公開法の網を広げる」ことです。

例えば

みんなが名札を胸につけ町を歩けば誰も悪さができないように、
限りなく透明に近い組織を作っておけば、不正流用は防げると思います。

今回のような事件に対処するため、
政府は行政機関を対象に「情報公開法」を定めました。

政府は独立行政法人にも情報公開法の網を広げています。
これをさらにスケート連盟のような財団法人や外郭団体、
補助金が入る先にまで広げたらどうでしょう?

そんな提案をしてみたいと思います。

 

 

2006年10月02日

■安倍総理、初めての代表質問

今日の国会代表質問を見て、腹が立ちました。
肝心な事には何一つ触れていなかったからです。

特に私達の暮らしに直結する消費税問題については、
「上げるのか上げないのか」、

もし上げるのであれば
「いつ、何%」
この部分をしっかりと言ってもらわないと、
消費者はいつ車を買ったらいいのか、いつ家を建てたらいいのか、
企業はいつ設備投資したらいいのか、そういったことの判断が出来ません。

鳩山氏は安倍総理の事を「あいまい総理」と言いましたが、
私は是非、この国会で自民党のスタンスを正して欲しいと思います。
それだけではなく、民主党や他の政党も消費税に対する考えをしっかりと言うべき。

政治や行政の世界で一番重要なのは、
「説明責任」
その努力が今日の国会では感じられませんでした。

「自民党はこう思う」「民主党はこうだ」「他の政党ならこうなんだ」
私たちはこういう事がわかってはじめて選挙に行くことが出来ます。

国民に対する「説明責任」を放棄するなら、
それは既に政党の体を成していないものと思います。